万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
473 / 1,103

恥ずかしいらしい

しおりを挟む
「…………」

盗賊団を倒し、昼食を食べて終えてからなるべくその日の内に近くの街に到着したいと思い、普段よりちょっと速いスピードで走っている。

そしてエリサさんは怪我に関しては完治し、それなりに体力は戻った。
だが、それでも完全復活したわけではない。

その体で街に着くまで走り続けるのは少々無茶ということで、現在シュラがおんぶして運んでいる。
運ぶのは俺やルーンでも良かったのだが、シュラが自分が一番力があるからやりますと挙手してくれたので、シュラに任せた。

本人は最初遠慮しようとしていたが、それでもまだ自分が完全復活してない自覚があるんだろうな。
最終的には納得してくれた。

ただ……うん、やっぱりちょっと恥ずかしいんだろうな。
若干頬が赤い。

別にシュラが元から大人っぽい容姿をしていて、年齢的にも二十にはなっていないけど、総合的に大人の雰囲気が出ているので、エリサさんを背負っていても全く違和感はない。
怪我して歩き辛い仲間を背負って走っている……どっからどう見てもそう思える。

それを考えると、俺が背負ってたらバリバリ違和感があっただろうな。

「エリサさんが、気になる?」

「いや、別に気にはなってないよ。やっぱり誰かにおんぶしてもらうのはちょっと恥ずかしいんだろうな~~って思っただけ」

「本当?」

「あぁ、本当だよ」

この表情……もしかして嫉妬してくれてるのか?

ん~~~~……エルフ特有の美形顔ではあるけど、セルシアは負けてない。
てか、この世界は前世と比べて比較的顔面偏差値が高いんだよな。

だから容姿レベルの高さに驚くことはあるけど、一目惚れって感じで見惚れることはあんまりない……と、思う。

「そう……それはそうと、どうだった」

「どうって、盗賊退治に関してか?」

「うん、慣れた?」

「慣れたというか、この先のことを考えれば慣れないといけないことだ。今回は経験を積めて良かったと思ってるよ」

もう気持ち悪さは殆どなくなった。
次、人を殺す機会がきたとしても問題無い。

人を殺すのに慣れるってのはどうかと思うけど……それは俺が前世の人間だからそう思うだけか。

「……なんか、一人で勝手に納得、した」

「っ!? なんで分かったんだよ」

「えっと……ちょっと悩んだ顔から、満足げな顔に、変わったから、かな?」

つまり超顔に出てたって事か。
ま、まぁ別にそれぐらいはバレてても良いか。

やましいことを考えてた訳じゃないし。

「メリルこそどうなんだ、もう……気分は大丈夫か?」

普通に生きてればセルシアみたいな公爵家の令嬢が盗賊を殺すことなんてない…………いや待てよ。
仮に……仮にだよ、セルシアが俺のパートナーでなかったとしても、将来的には騎士団にでも入団してるか?

そうなれば結局どっかのタイミングで盗賊退治を行うことにはなるか。

「うん、もう大丈夫。気持ちが崩れたり、しない」

……セルシアでもやっぱりちょっと苦しい部分はあったんだな。
生物を殺すって点はモンスターと人って大した差はないように思えるんだけど……実際にやってみると違うんだよな。

そこはもしかしたらモンスターも同じか?
場合によっては同族であっても殺すことはあるだろうし……そんなことないか。
そもそもモンスターが俺たちみたいに深く考えることはないか。

「学校を卒業すれば、ラガスと一緒に、ハンターになる。それを考えれば、慣れなきゃダメ。寧ろ、今慣れて良かった」

「そ、そっか……前向きな考えだな」

今後のことを考えれば嬉しいポジティブさだ。
……無理してるって感じでもなさそうだ。

「それはラガスも一緒、だと思う」

「ん~~~……それはそうかもな」

これで戦闘中に気が動揺することはない筈だ。
そんなことを考えているあたり、常に前向きな考えをしてるかもな。

おっ、ようやく街が見えてきた。
あの後、一回もモンスターや盗賊に出会わず街に着けたのは運が良かったな。
ちょっと退屈ではあったけど。

さて、まずは門の前に並ばないとな。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… 沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。 誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。 感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

【連載】リサイクルは異世界で?転生したら捨てられた悪役令嬢でしたが、そもそも価値が分からない男は不要です

Nekoyama
ファンタジー
どこにでも居そうな陰キャ系OL。それが私、間根 綺羅(まね きらら)の表の顔。でもその実は株式取引で総資産10億円突破している隠れ富豪。これを元手に、社畜は卒業して、ゆるーく楽しく暮らしていこうと思ったその矢先に、真っ白な世界に!! あなたにはスキル「リサイクル」を授けましょう。世界をキレイにするために異世界で頑張ってくださいね。 そんな声が聞こえた気がする。え、私のお金は?鬼か!?

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

血染めの世界に花は咲くか

巳水
ファンタジー
 かつて英雄に憧れ、裏切られ、奪われ、復讐にとりつかれた果てに、ひとつの国を血に沈めた。そして「血塗れ夜王」は、敬愛する師匠によってその生を終えた。  しかし、滅びたはずの魂は再び生れ落ちる――すべての記憶を抱えたままに。  新たな名と姿でこの世界に生を受けた彼は、前世の記憶と力、罪業を背負い、少年として新たな人生を歩み始める。  その先あるのは贖いか、それともさらなる血の罪か。二度目の命に意味はあるのか――。 本作品は「小説家になろう」にも投稿しております。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

処理中です...