万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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それ以外にも、方法はある

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SIDE 神の視点

夕食の時間になるまで延々と模擬戦を繰り返し、夕食を食べ終えた後……セルシアはラガスの母であるリアラの部屋にいた。

傍にはキリアやラガスはいない。

「……美味しいです」

「ふふ、ありがとう」

リアラが自ら淹れた紅茶を飲み、純粋にそう思った。
元々紅茶の味にうるさい方ではないが、舌は肥えている。

だが、それでも自然とリアラが淹れた紅茶を美味しいと感じた。

「今日はとても楽しかったわ」

「私も、楽しかった、です」

目の前に座っている女性はパートナーであるラガスの母親。
パッと見では表情の変化を読み取れないが、セルシアは緊張していた。

「あの人から聞いたわ、ラガスと決勝戦で良い戦いをして……ダブルスでは対戦相手を完封したと」

「……二つ目は、その通りだと、思います」

自惚れではなく、事実だった。
ラガスと自信が組めば、最上級生の三年生であろうと負ける気はしない。

だが、ラガスとぶつかった決勝戦で良い勝負ができたか。
それに関しては、その通りだと即答は出来ない。

確かに良い勝負だったかもしれない。
あの戦いを観ていた観客、貴族たちも良き戦いだっと口にするだろう。

しかし……実際に戦った本人はあまりそうは思っていなかった。

「ですが、ラガスとの決勝戦……あれば良い戦いだったか、それは……分かりません」

セルシアはあの試合、本気でラガスに勝つつもりで挑んだ。
結果はラガスの勝ちであり、自分は負けてしまった。

だが、その結果自体に不屈なのではない。
ラガスが……あの戦いに満足していたのか。
パートナーであるセルシアにとってそこが重要だった。

自分は本気を出し、ラガスはそれを受け止めてくれた。
それに対して自分はラガスの本気を受け止めることが出来るのか?

(多分、出来ない)

例え命を懸けたとしても、満足させられない。
そんな考えが頭をよぎった。

「……セルシアさん。あまりそれについては深く考える必要はないわ。ラガスは……あなたと一緒にいる生活に、非常に満足してる筈よ」

「それは……そうだと、良いんです、けど」

確かに一緒に居る時、笑ってる時は多い。
自分と一緒にいる時間を楽しんでくれていると思う。

ただ……自分は戦うという行為で、ラガスを満足させられるのか。
現状、おそらくシュラと本気で戦っても勝てないと考えている。

(種族や、年齢の差はあるけど、それでも……強い)

セルシアは……ラガスとはお互いに高め合えるパートナーでありたいと思っている。
しかし今のところ、身近でそれが出来るのは自分ではなくシュラやルーフェイスだった。

「セルシアさん、あなたがラガスのそういった面を満足させようと努力するのは、悪いことだとは思わない。でも、パートナーという関係性は、それだけかしら」

「それだけ、というと?」

「知ってると思うけど、歴代のパートナーと出会えた人たちは皆結婚して、夫婦になったの」

それは勿論知っていた。
だが、今まで完全に忘れていた。

「私は、是非あなたがラガスの傍にいてほしいと思ってる。まぁ……個人的にはもう一人、傍に置いておいてほしいと思ってるけどね」

「……勿論大丈夫、です」

リアラが口にしたもう一人が誰なのか、セルシアは直ぐに察した。
現状では自分よりもラガスの傍にいるのに相応しい人物だと思っている。

「ありがとう。えっとね、さっき言った通り戦いという面でラガスを満足させたいという気持ちは間違ってないと思うし、捨てる必要なんてないと思ってるわ」

セルシアの思いは否定しない。
捨てる必要はないと真剣な眼で断言した。

「でもね、それ以外にもあなたがラガスを満足させてあげる方法はある。それこそ、シュラやルーフェイスたちには無理なことね」

リアラが決して卑猥な意味で言っているのではないと、セルシアも解っている。

「アドバイス、ありがとう、ございます」

「こちらこそ、びっくり箱みたいな息子の隣にいてくれて感謝してるわ」

ここで二人のお茶会は解散……にはならず、二人ともラガスの話に花を咲かせた。
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