万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
564 / 1,103

爆弾で重荷

しおりを挟む
夕食を食べ終わり、自室に戻って……一人で頭を悩ませていた。

「そうだなよな……あんまり先延ばしにはしてられない」

ザックス、レイア、ミリア。
あの三人の人生に関わる問題だ。

リーベの元婚約者であるフィーラ・アザルトが起こした問題。
本人の気持ちを考えれば……本当に少し、一ミリ以下ぐらいは理解出来るが、その気持ちがゲインで起こした問題だ。

貴族の家に生まれた者として、基本的には避けられない内容。
リーベが漫画やラノベに出てくるような糞ったれゴミ野郎なら、アザルトさんの味方をしていたと思う。

ただ……リーベは本当に良い奴過ぎる。
アザルトさんに対して好き勝手にふるまうのではなく、丁寧に……自分に心を許してくれるように、十分に気を使ってアザルトさんと心を通わせようと努力していた。

俺との特訓も……本人にとっては、かなり厳しい内容だったみたいだし、それを乗り越えてライバルと向き合った。
本当なら、実家の権力を使ってひとまずライド君を学園から退学させて、王都から追放……なんてことも出来なくはない、筈。

なのに、実家の力……権力を使わずに俺に頼み込んでライド君に勝てる力を手に入れようとして……見事勝った。
その勝負には見事勝利した。

あれは本当に良い勝負だった……こんな事思うのは失礼なんだろうけど、十分に金が取れるほど白熱した戦いだった。
その戦いにリーベは勝った。

でも……試合に勝って、勝負には負けた。
あの涙は今でも忘れない。
勿論、リーベの気持ちを踏みにじったアザルトさんはそれ相応の罪というか罰を背負うことになった。

ただ………………そこからが問題なんだよな~~~~。

「はぁ~~~~~……くそったれ」

「どうしたんですか、いきなり悪態をついて」

「言わなくても分かるだろ」

「……アザルト様に対して、ですね」

「そうだ」

様なんて付ける必要はねぇ……って思いだけど、それをメリルに言っても無駄か。

「私的には、随分と愚かな事をしたと思っています」

「メリルと同意見っすね。リーベ様みたいな漢を捨てるとか、普通はあり得ないっすよ」

「俺もそう思うよ……でも、そういうことなんだろ」

その普通の考えを、アザルトさんは出来なかったんだ。
いや、脳内がお花畑過ぎたというべきか。

「ただなぁ~~。ザックスたちにとって、ライド君は……俺からすれば、セルシアやロックス、リーベと同じ存在だ」

おそらくだが、ライド君は今のところアザルトさんを見捨てるようなことはしない。

平民出身というだけなら、貴族の事情は知らなくてもおかしくは……平民出身ってだけでも、多少の事情なら解るか?

そこはひとまず置いといて、ハンターの学校とはいえそこには貴族の令息や令嬢も多くいる。
そんな場所で生活を続けていれば、多少なりとも事情は分かる筈だ。

「それでも、戦ったんだよな……それはそれで漢なんだが、お先真っ暗だ」

「金の話っすよね」

「そ、お金の話だ」

親友の彼女が、恋人が大量の借金を背負ってるからって……じゃあ、その縁を簡単に切るような奴らか?

いや、それはそれで良い判断なんだ。
寧ろザックスたちが自らその判断をしてくれるなら、特に言うことはない。

その判断を悔んでいたとしても、立派な判断だと俺は言葉にする。

「ハンターとして成功すれば金は稼げる。でも、当然だがその金を稼ぐには……それなりに金を使って準備しなければならない」

そんなこと、ハンターを育成する学園に通ってるザックスたちなら、もう十分解ってる筈だ。

にもかかわらず、あんな爆弾というか重荷を背負った状態でスタートとか……どんな罰ゲームだよって話だ。

「ラガス坊ちゃま。彼らが決断したのであれば、その意思を尊重するべきではないでしょうか?」

「……そういった考えもなしではないだろう。けど、今は良かったとしても……後々、歳を取ってから後悔したんじゃ、遅いんだよ」

それは前世がある俺だからこそ、現時点で解る考えだ。
その想いを上手く伝えられたら良いんだが……あいつらに嫌われる覚悟で、厳しい事を言わないと駄目なのかもな~。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… 沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。 誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。 感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

【連載】リサイクルは異世界で?転生したら捨てられた悪役令嬢でしたが、そもそも価値が分からない男は不要です

Nekoyama
ファンタジー
どこにでも居そうな陰キャ系OL。それが私、間根 綺羅(まね きらら)の表の顔。でもその実は株式取引で総資産10億円突破している隠れ富豪。これを元手に、社畜は卒業して、ゆるーく楽しく暮らしていこうと思ったその矢先に、真っ白な世界に!! あなたにはスキル「リサイクル」を授けましょう。世界をキレイにするために異世界で頑張ってくださいね。 そんな声が聞こえた気がする。え、私のお金は?鬼か!?

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

血染めの世界に花は咲くか

巳水
ファンタジー
 かつて英雄に憧れ、裏切られ、奪われ、復讐にとりつかれた果てに、ひとつの国を血に沈めた。そして「血塗れ夜王」は、敬愛する師匠によってその生を終えた。  しかし、滅びたはずの魂は再び生れ落ちる――すべての記憶を抱えたままに。  新たな名と姿でこの世界に生を受けた彼は、前世の記憶と力、罪業を背負い、少年として新たな人生を歩み始める。  その先あるのは贖いか、それともさらなる血の罪か。二度目の命に意味はあるのか――。 本作品は「小説家になろう」にも投稿しております。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

処理中です...