万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
568 / 1,103

どこかで着火する

しおりを挟む
「…………」

「…………」

「…………」

完全に意気消沈って感じだな。

ただ、俺としてはここで直ぐに熱くなって「それでも!!」って言わないでくれたのは有難い。

「三人とも……もう一度、考えてほしい。ハンターの育成学園で座学を学んでいるなら、金がどれだけ大事なのか分かってるだろ」

「えぇ、勿論分かってるわ」

うん、三人の中では一番レイアが解ってるだろうな。

他二人……ザックスとミリアも解らない、ってことはない表情だ。

「私生活に使う金、依頼を達成するために必要な準備金。ランクが上がれば、自分の命を預ける武器や防具、マジックアイテムに投資しないと駄目だ。それは解ってるだろ」

「あぁ……解ってるよ。俺は二人と比べればバカな方だけど、先生たちからそこは何度も何度も言われてるよ」

「そうか。ガルアス学園には良い先生が多いみたいだな」

金に意地汚い……そう思われるかもしれないが、そういう考えが正解なんだよ。

なんだかんだで金に困ってない俺が思うのはおかしいかもしれないけど。

「黒曜金貨何十枚という借金があれば、どうしてもそっちにお金を使った方が良いんじゃないかって、思わないか……別に怒ったりブチ切れたりしない。素直に答えてくれ」

そう言うと、三人は静かに頷いた。
だよな、やっぱりそう思ってしまうよな。

「悪い考えではない。そう思うのが普通なんだ。武器や防具に金を使って、もっと上を……そういった考えはあれど、金額が果てしなく多い」

黒曜金貨何十枚の借金なんて、貴族だったとしてもフラっと立ち眩みが来るだろ。

「まだ白金貨何十枚程度であれば、良い感じのプランを立てて……お前たちなら借金を全て返済できるだろう。ただ、あまりにも桁が違い過ぎる」

たとえ難易度が高いダンジョンを潜っていたとしても、そう簡単に宝箱から手に入るものじゃない。

「返しても返しても……少しずつ減るかもしれないが、確実にお前たちの神経を削っていく。そして、いつかそれが爆発する筈だ」

これは予想なんかじゃない。
予言に近いか? 絶対そうなると断言出来る。

借金を背負ってるのは、ライド君じゃなくてその恋人であるアザルトさんなんだ。
正直なところ……三人からすれば、やや縁が薄い人物。

その人が原因で、いつまでたっても稼いだ金を本当の意味で自由に使えない。
あの時もっと良い装備などを買って、身に着けておけば良かったと思う日が来るかもしれない……ただ、莫大な借金があるならせめて少しで減らそうと思う気持ちも間違いではない。

だから、どうしよもなく解消できないモヤモヤが胸に溜まり続ける。

そのモヤモヤに……最悪のガスが、どこかで着火される。

そのタイミングでパーティーを解散するのか?
そこから逃げることは悪いと思わない……ただ、ずっと苦い後味が残り続けるのは間違いない。

「もう一度言っておく。ライド君が悪いんじゃねぇ。寧ろ凄いと思うぜ……ただ、その恋人が悪過ぎた。俺の個人的な……貴族側寄りの意見としては、よっぽど理不尽な理由がない限りは、貴族として生まれたならその務めを果たさないといけないんだ」

その分、平民より良い暮らしが出来てるんだ。
そこは仕方ないんだよ。

「それをアザルトさんは放棄した。平民のお前たちにとっては、もと婚約者が強引にライド君からアザルトさんを奪ったように思えるかもしれないが、その婚約者からすればそもそもライド君という存在なんて知らなかったんだ」

簡単に言ってしまえば、そんな元々知らなかった事情を今更指摘されても困る。
そういう話だ。

「だから……落ち着いて、冷静に……一度、他人になったと思って考えてくれ」

難しいかもしれないが、本当の意味で決断するなら……そうしないと、心の底から納得いく答えは出ない。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… 沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。 誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。 感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

【連載】リサイクルは異世界で?転生したら捨てられた悪役令嬢でしたが、そもそも価値が分からない男は不要です

Nekoyama
ファンタジー
どこにでも居そうな陰キャ系OL。それが私、間根 綺羅(まね きらら)の表の顔。でもその実は株式取引で総資産10億円突破している隠れ富豪。これを元手に、社畜は卒業して、ゆるーく楽しく暮らしていこうと思ったその矢先に、真っ白な世界に!! あなたにはスキル「リサイクル」を授けましょう。世界をキレイにするために異世界で頑張ってくださいね。 そんな声が聞こえた気がする。え、私のお金は?鬼か!?

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

血染めの世界に花は咲くか

巳水
ファンタジー
 かつて英雄に憧れ、裏切られ、奪われ、復讐にとりつかれた果てに、ひとつの国を血に沈めた。そして「血塗れ夜王」は、敬愛する師匠によってその生を終えた。  しかし、滅びたはずの魂は再び生れ落ちる――すべての記憶を抱えたままに。  新たな名と姿でこの世界に生を受けた彼は、前世の記憶と力、罪業を背負い、少年として新たな人生を歩み始める。  その先あるのは贖いか、それともさらなる血の罪か。二度目の命に意味はあるのか――。 本作品は「小説家になろう」にも投稿しております。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

処理中です...