596 / 1,103
結果を残せるか
しおりを挟む
SIDE ラガス
探索を終えた翌日は休息を挟み、再び雪原に向かい……ヘイルタイガーやアイスドラゴンの探索を行う。
その前に、一つイーリスに要件を伝えた。
「イーリス、昨日みたいな腑抜けた状態が続くなら、次の探索からは宿で待っててもらう」
男爵家の令息である俺が、公爵家の令嬢であるイーリスにこんな事を言うのは、どう考えてもアウトだろう。
そんなことは理解している。
だが、ここで言っておかなければならない。
「……」
「……」
イーリスの護衛であるルーノさんとリタさんも、黙って見守っている。
つまり、俺の考えに賛同してくれているということだろう。
「お前がそんなふらふらした状態なら、俺たちがどれだけ頑張っても、お前が原因で万が一という状況が起こりうる」
「……モンスターを自力で倒せ。そういうことかしら」
「そういうことだ。自分はお荷物じゃないという事を示せ」
ラージュ先輩でさえ……イーリスよりは経験が豊富という点はあるが、雪原の探索を始めてからモンスターの討伐に参加している。
それも消極的ではなく、かなり積極的に参加するように……なった。
イーリスと同じ常識を持っているタイプだとは思うが、意識的に乗り越えようとしてるのかもな。
「分かったわ」
「……そうか」
意外とあっさり了承した。
ぶっちゃけ、ちょっと上から目線だったからいつもの生意気? な態度で返されるかと思ったけど……どういう心変わりだ?
ラージュさんが先日の間にもう一度話し合ったか、それともルーノさんとリタさんが意を決して、注意したのか?
どっちなのかは分からないけど、とりあえず面倒な事態は回避できたが。
「ラガス坊ちゃま、よろしいのですか?」
「あぁ、構わない。予定通り、拒否すれば強制送還してもらうつもりだったが、ここからはイーリスの働き次第だ」
常識を乗り越えようとする姿勢……そこは良い。
けど、結局は乗り越えられなければ、正直邪魔だ。
無理そうなら……次回から宿で待機してもらう。
セルシアと比べて、道具のお陰で大きな差があるってわけでもない。
確かにセルシアが持つ紫電崩牙は超が十個ぐらい付く最高で最強の武器だ。
とはいえ、セルシアの実力……経験値なら、普段から使っているロングソードを使ったとしても、時間を掛ければスノーベアーを倒せていた。
それに対して、イーリスもリザード公爵様から氷の魔力と相性が良い杖を貰っている。
一応失礼になると思って魔眼で調べてないが、最低でもランク四……ランク六の可能性も十分にある杖だ。
条件はセルシアと五分……とは言えないが、近い状態。
それに、別にCランクのモンスターを一人で倒せって訳じゃない。
誰かと組んでも良いから、戦力になるってことを証明してくれれば、これからの動向を認める。
そう決めたんだが……なんか、思った以上にやる気に溢れてた。
「…………」
いや、表情に熱さが出てる訳じゃないけど、遭遇するEランクやDランクのモンスターを前に出て、一人で倒し始めた。
イーリスの実力を考えれば、そこまでは出来てもおかしくないとは思うが……一応接近戦でも戦ってるし、魔力を無駄に消費してるってわけでもない。
「なんか、ちょっと危なっかしいっすね」
「危なっかしい、か?」
「うっす。昨日の落ち込みから立ち直ったのは良いことだと思うっすよ。ただ……なんというか、張りつめてる? 追い込まれてる? そんな雰囲気が漂ってて……個人的には、今のイーリス様は危なっかしいと感じるっす」
「……そうか」
ラガスのこういった感覚は、あまり外さない。
俺的には恨む妬み嫉みが重なって、その矛先が俺に向かないことが素直に嬉しいと思ってるけど……とりあえず、イーリスなりに前に踏み出そうとはしてる。
それに、イーリスが戦う度にルーノさんとリタさんがいつでも攻撃を放てるように構えてる。
今のところ問題はないだろう。
探索を終えた翌日は休息を挟み、再び雪原に向かい……ヘイルタイガーやアイスドラゴンの探索を行う。
その前に、一つイーリスに要件を伝えた。
「イーリス、昨日みたいな腑抜けた状態が続くなら、次の探索からは宿で待っててもらう」
男爵家の令息である俺が、公爵家の令嬢であるイーリスにこんな事を言うのは、どう考えてもアウトだろう。
そんなことは理解している。
だが、ここで言っておかなければならない。
「……」
「……」
イーリスの護衛であるルーノさんとリタさんも、黙って見守っている。
つまり、俺の考えに賛同してくれているということだろう。
「お前がそんなふらふらした状態なら、俺たちがどれだけ頑張っても、お前が原因で万が一という状況が起こりうる」
「……モンスターを自力で倒せ。そういうことかしら」
「そういうことだ。自分はお荷物じゃないという事を示せ」
ラージュ先輩でさえ……イーリスよりは経験が豊富という点はあるが、雪原の探索を始めてからモンスターの討伐に参加している。
それも消極的ではなく、かなり積極的に参加するように……なった。
イーリスと同じ常識を持っているタイプだとは思うが、意識的に乗り越えようとしてるのかもな。
「分かったわ」
「……そうか」
意外とあっさり了承した。
ぶっちゃけ、ちょっと上から目線だったからいつもの生意気? な態度で返されるかと思ったけど……どういう心変わりだ?
ラージュさんが先日の間にもう一度話し合ったか、それともルーノさんとリタさんが意を決して、注意したのか?
どっちなのかは分からないけど、とりあえず面倒な事態は回避できたが。
「ラガス坊ちゃま、よろしいのですか?」
「あぁ、構わない。予定通り、拒否すれば強制送還してもらうつもりだったが、ここからはイーリスの働き次第だ」
常識を乗り越えようとする姿勢……そこは良い。
けど、結局は乗り越えられなければ、正直邪魔だ。
無理そうなら……次回から宿で待機してもらう。
セルシアと比べて、道具のお陰で大きな差があるってわけでもない。
確かにセルシアが持つ紫電崩牙は超が十個ぐらい付く最高で最強の武器だ。
とはいえ、セルシアの実力……経験値なら、普段から使っているロングソードを使ったとしても、時間を掛ければスノーベアーを倒せていた。
それに対して、イーリスもリザード公爵様から氷の魔力と相性が良い杖を貰っている。
一応失礼になると思って魔眼で調べてないが、最低でもランク四……ランク六の可能性も十分にある杖だ。
条件はセルシアと五分……とは言えないが、近い状態。
それに、別にCランクのモンスターを一人で倒せって訳じゃない。
誰かと組んでも良いから、戦力になるってことを証明してくれれば、これからの動向を認める。
そう決めたんだが……なんか、思った以上にやる気に溢れてた。
「…………」
いや、表情に熱さが出てる訳じゃないけど、遭遇するEランクやDランクのモンスターを前に出て、一人で倒し始めた。
イーリスの実力を考えれば、そこまでは出来てもおかしくないとは思うが……一応接近戦でも戦ってるし、魔力を無駄に消費してるってわけでもない。
「なんか、ちょっと危なっかしいっすね」
「危なっかしい、か?」
「うっす。昨日の落ち込みから立ち直ったのは良いことだと思うっすよ。ただ……なんというか、張りつめてる? 追い込まれてる? そんな雰囲気が漂ってて……個人的には、今のイーリス様は危なっかしいと感じるっす」
「……そうか」
ラガスのこういった感覚は、あまり外さない。
俺的には恨む妬み嫉みが重なって、その矛先が俺に向かないことが素直に嬉しいと思ってるけど……とりあえず、イーリスなりに前に踏み出そうとはしてる。
それに、イーリスが戦う度にルーノさんとリタさんがいつでも攻撃を放てるように構えてる。
今のところ問題はないだろう。
84
あなたにおすすめの小説
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
【連載】リサイクルは異世界で?転生したら捨てられた悪役令嬢でしたが、そもそも価値が分からない男は不要です
Nekoyama
ファンタジー
どこにでも居そうな陰キャ系OL。それが私、間根 綺羅(まね きらら)の表の顔。でもその実は株式取引で総資産10億円突破している隠れ富豪。これを元手に、社畜は卒業して、ゆるーく楽しく暮らしていこうと思ったその矢先に、真っ白な世界に!!
あなたにはスキル「リサイクル」を授けましょう。世界をキレイにするために異世界で頑張ってくださいね。
そんな声が聞こえた気がする。え、私のお金は?鬼か!?
異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
農家の四男に転生したルイ。
そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。
農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。
十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。
家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。
ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる!
見切り発車。不定期更新。
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
血染めの世界に花は咲くか
巳水
ファンタジー
かつて英雄に憧れ、裏切られ、奪われ、復讐にとりつかれた果てに、ひとつの国を血に沈めた。そして「血塗れ夜王」は、敬愛する師匠によってその生を終えた。
しかし、滅びたはずの魂は再び生れ落ちる――すべての記憶を抱えたままに。
新たな名と姿でこの世界に生を受けた彼は、前世の記憶と力、罪業を背負い、少年として新たな人生を歩み始める。
その先あるのは贖いか、それともさらなる血の罪か。二度目の命に意味はあるのか――。
本作品は「小説家になろう」にも投稿しております。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる