万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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冥利に尽きる

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「……特に幾らかは考えてなかったな」

ぶっちゃけ、そのレベルの魔靴を欲しがる人は居ないと思ってたし。

「別にあれだぞ。そのランクの魔靴だと、あんまり恩恵はないぞ。体術で戦う奴らならともかく、お前たちみたいに
得物を使って戦うタイプだと、せいぜい脚が速くなるって程度だ」

「で、でも蹴りの威力は上がりますよね!!!」

「お、おぅ。一応な」

「モンスターとの戦いであれば、そういった一撃が重要になると思うんです!!!!」

……まぁ、間違ったことは言ってないな。
人間同士ならそういった違いに勘付くだろうけど、モンスターならよっぽど知能が高い奴じゃないと気付かない……と、思う。

「別に売っても構わないけど……そうだなぁ~~~。大体こんな感じか」

これまで売ってきたランク四とか、ランク五などの魔靴の売却値段や、これまで武器屋で見てきたランクごとの値段を考慮した価格を提示。

「っ!! か、買います!!!」

「そ、そうか…………本当に買うのか?」

「絶対に買います!!!!」

本当に買う気らしく、その場で現金を出された。

エメラルドランクの冒険者であっても、そんなに安くない値段なんだが……ふふ、製作者としてそこまで買う気を見せられたら、売らない訳にはいかないな。

「分かったよ。脚のサイズは幾つだ?」

教えられたサイズジャストの魔靴が丁度あり、その場で取引が成立。

「ッ…………は、履いても良いですか!!」

「もうお前の物なんだから、好きに履いて良いぞ」

「あ、ありがとうございます!!!」

「でも、一応脚力は上がるだろうから、走る時は気を付けろよ」

「は、はい!!!!」

まだ休憩中だってのに……でも、あんなに喜んでくれるのは、やっぱり造った人間としては嬉しい限りだな。

「ら、ラガスさん!!」

「なんだ?」

「あ、後何日この街に居ますか!!」

「ん~~~……多分だけど、二十日ぐらいはいるんじゃないか?」

二回の最下層クリアだけで、戦争を想定した実戦訓練は終らないだろうからな。
後、もう二回……できれば三回か四回ぐらいはクリアしたいところだ。

「そ、それなら! 俺もちゃんと金を用意するんで、お願いしてもいいっすか!!!」

「あぁ、勿論良いぞ。金額は、さっき伝えた額ぐらいだ」

「うっす!!!!」

なんか……全体的に元気が出てきたな。
あれか、美味そうな餌を目の前にぶら下げられた状態になったか。

魔靴がそういう存在になってくれるなら、嬉しい限りではあるかな。

「っし、休憩は終わりだ」

きっちり訓練は終らせ、晩飯は今日も皆で食べた。

翌日は休日。
のんびりする日だが……紅蓮の牙の怖いメガネのお姉さんが書類と素材の一部、そして前金を届けてくれた。

「では、よろしくお願い致します」

「かしこまりました」

依頼人に頼まれては、頑張ってやる気を出すってのが生産者ってもんだ。

まぁ……ふふふ、用意された目の前の素材を触れるのが嬉しいってのもあるけどな。

「それじゃ……張り切って頑張りますか!!!」

「ラガス坊ちゃま、昼食はどういたしますか」

「……なしで!!!」

「分かりました」


「………………よし。こんなところ、だな」

出来上がった魔靴をゆっくり置くと、ドアがノックされた。

「ラガス坊ちゃま、倒れていませんか」

「あぁ、ちゃんと意識はあるよ」

「失礼します……どうやら、本当に意識はあるみたいですね」

意識がなかったら、返事できないだろ。

「……そちらの二つが、紅蓮の牙から頼まれた魔靴でしょうか」

「そうだ。まだ二つだけだが、扱ってる素材が素材だからな。まっ、とりあえずこんなところだろ」

「誠に良質な魔靴かと。では、下に降りましょう」

「あいよ」

晩飯たらふく食って……大浴場で汗を流して余裕があったら、もう一足造るか。

なんて思ってたけど、晩飯たらふく食った後に風呂入っちまったら耐えられずに速攻で寝てしまった。
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