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ただ怖い
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「はぁ~~~~~~」
「やぁ、ラガスさん。そんな大きな溜息を吐いてどうしたんですか」
ギルドの訓練場で適当に体を動かした後、ロビーでダラッとしているとヴェルデが声を掛けて来た。
「ヴェルデ……まぁ、ちょっと色々あってな」
「色々、ですか……もしかして、婚約でも申し込まれましたか?」
「……なんでそういう考えに至るんだよ」
「だって、ラガスさんは貴族の令息じゃないですか。であれば、突然そういった話が舞い込んできてもおかしくはないかと思って」
……そういえばそうだな。
まだハンターとして活動を始めてから数年も経ってないけど、そういう感覚が薄れてくるな。
「確かにおかしくはないだろうけど、そういう悩みじゃない」
「なるほど。であれば、未開拓地か地下遺跡関係ですか?」
「正解だ」
「…………もしかしなくても、多数のクランからお誘いを受けているのですか?」
「その通りだよ」
ヴェルデの回答通り、地下遺跡の最下層であろう場所の情報が広まり始めてから、いくつかのクランが俺たちに声を掛けてきた。
報酬は支払うから、俺たちと一緒に戦ってくれないかと。
流石大手のクランというか、本当にちゃんと半端じゃない報酬を用意していた。
歴史的功績に、自分たちクランの名が載るのだから当然かもしれないけど、だからといってあそこまでの報酬をよういするとはな……恐るべし、功績への執念。
「ラガスさんたちはどのクランにも属していないパーティーですからね。現時点で、クランに属していないハンターの中で、地下遺跡の中層以降を探索してるのはラガスさんたちだけですよ」
「だから仕方ないってことだろ」
「えぇ。僕達やマスターと仲が良いとはいえ、探求者に所属はしてない……臨時的にも所属してはいないので、他の大手クランからすれば大金を積んででも自分たちの討伐隊に引き入れたい筈ですよ」
評価してくれるのは嬉しいが、同業者たちを気遣いながら戦うのは遠慮したいんだよな。
「でも、あれですよね。ラガスさんたちからすれば、他のハンターたちと組みながら動くのデメリットの方が大きいですよね」
「おいおい、あんまりそういう事は言わないでくれ」
「すいません、失礼しました」
まぁ、間違ってはいない。
勿論現段階では、セルシアやシュラ、メリルよりも実力が上のハンターたちはまだまだ多いだろう。
けど……戦闘力は、新しい武器や切り札を含めれば例のゴーレムたちとも十分やれるはず。
「…………なまじ、俺は速く動けるからな。身内以外の人たちがいると、攻める意識が削られる」
「な、なるほど……ラガスさん、優しいんですね」
「……優しい、か………………多分、違うと思うぞ」
「どうしてですか?」
言葉だけ見れば、そう思われるのかもしれない。
ただ、俺がそう判断してしまうのは、それだけが理由じゃない。
「…………単純に、目の前で人が死ぬのが怖いんだよ」
「人が死ぬのが、ですか」
「あぁ、そうだ。別に盗賊とか裏であくどい事やってる人間なら、しっかりあの世でも苦しめって思うけど、そうじゃなくて、単純に一緒に戦ってる同業者が死ぬ姿は……見たくない」
幸いにも、まだ目の前で亡くなったことがないから、そうなってしまった場合、どうなるのかは解らない。
それでも……そうなってしまう事態は避けたい。
それが、俺の本音だ。
「……………」
「情けないだろ」
「いえ、そんな事ありません。だって……誰だって、そんな光景は、見たくない筈ですから。それに、ラガスさんは本当に強いですから」
だから、傲慢な考えとは捉えられない、か?
……ヴェルデだからそう思ってくれそうだが、知り合い以外に聞かれれば、生意気な奴だって思われそうだな。
「ですが、本当にまだ挑まないんですか?」
「ゴールドランクのハンターが複数人も亡くなってるからな。俺たちとしても、さすがに躊躇するさ」
もしもの事を考えれば、早めに挑んだ方がいいのかもしれないけど……とりあえず、諸々の準備が揃ってからじゃないとな。
「やぁ、ラガスさん。そんな大きな溜息を吐いてどうしたんですか」
ギルドの訓練場で適当に体を動かした後、ロビーでダラッとしているとヴェルデが声を掛けて来た。
「ヴェルデ……まぁ、ちょっと色々あってな」
「色々、ですか……もしかして、婚約でも申し込まれましたか?」
「……なんでそういう考えに至るんだよ」
「だって、ラガスさんは貴族の令息じゃないですか。であれば、突然そういった話が舞い込んできてもおかしくはないかと思って」
……そういえばそうだな。
まだハンターとして活動を始めてから数年も経ってないけど、そういう感覚が薄れてくるな。
「確かにおかしくはないだろうけど、そういう悩みじゃない」
「なるほど。であれば、未開拓地か地下遺跡関係ですか?」
「正解だ」
「…………もしかしなくても、多数のクランからお誘いを受けているのですか?」
「その通りだよ」
ヴェルデの回答通り、地下遺跡の最下層であろう場所の情報が広まり始めてから、いくつかのクランが俺たちに声を掛けてきた。
報酬は支払うから、俺たちと一緒に戦ってくれないかと。
流石大手のクランというか、本当にちゃんと半端じゃない報酬を用意していた。
歴史的功績に、自分たちクランの名が載るのだから当然かもしれないけど、だからといってあそこまでの報酬をよういするとはな……恐るべし、功績への執念。
「ラガスさんたちはどのクランにも属していないパーティーですからね。現時点で、クランに属していないハンターの中で、地下遺跡の中層以降を探索してるのはラガスさんたちだけですよ」
「だから仕方ないってことだろ」
「えぇ。僕達やマスターと仲が良いとはいえ、探求者に所属はしてない……臨時的にも所属してはいないので、他の大手クランからすれば大金を積んででも自分たちの討伐隊に引き入れたい筈ですよ」
評価してくれるのは嬉しいが、同業者たちを気遣いながら戦うのは遠慮したいんだよな。
「でも、あれですよね。ラガスさんたちからすれば、他のハンターたちと組みながら動くのデメリットの方が大きいですよね」
「おいおい、あんまりそういう事は言わないでくれ」
「すいません、失礼しました」
まぁ、間違ってはいない。
勿論現段階では、セルシアやシュラ、メリルよりも実力が上のハンターたちはまだまだ多いだろう。
けど……戦闘力は、新しい武器や切り札を含めれば例のゴーレムたちとも十分やれるはず。
「…………なまじ、俺は速く動けるからな。身内以外の人たちがいると、攻める意識が削られる」
「な、なるほど……ラガスさん、優しいんですね」
「……優しい、か………………多分、違うと思うぞ」
「どうしてですか?」
言葉だけ見れば、そう思われるのかもしれない。
ただ、俺がそう判断してしまうのは、それだけが理由じゃない。
「…………単純に、目の前で人が死ぬのが怖いんだよ」
「人が死ぬのが、ですか」
「あぁ、そうだ。別に盗賊とか裏であくどい事やってる人間なら、しっかりあの世でも苦しめって思うけど、そうじゃなくて、単純に一緒に戦ってる同業者が死ぬ姿は……見たくない」
幸いにも、まだ目の前で亡くなったことがないから、そうなってしまった場合、どうなるのかは解らない。
それでも……そうなってしまう事態は避けたい。
それが、俺の本音だ。
「……………」
「情けないだろ」
「いえ、そんな事ありません。だって……誰だって、そんな光景は、見たくない筈ですから。それに、ラガスさんは本当に強いですから」
だから、傲慢な考えとは捉えられない、か?
……ヴェルデだからそう思ってくれそうだが、知り合い以外に聞かれれば、生意気な奴だって思われそうだな。
「ですが、本当にまだ挑まないんですか?」
「ゴールドランクのハンターが複数人も亡くなってるからな。俺たちとしても、さすがに躊躇するさ」
もしもの事を考えれば、早めに挑んだ方がいいのかもしれないけど……とりあえず、諸々の準備が揃ってからじゃないとな。
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