万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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SIDE セルシア

(速い……堅い)

ビルネクトスケルトンナイトと剣戟を始めてから約三十秒が経過。

たった三十秒の間に、両者は百に迫るほど斬り結んだ。
その結果、紙一重でセルシアの体には切傷がなく……ナイトの体には幾つかの切傷が刻まれた。

「っ……ッ!!」

「…………っ……っ」

だが、セルシアの額には薄っすらと汗が流れる中、ゴーレム……ではなくスケルトンだということもあり、ナイトの表情には変化が見られない。

現時点で、セルシアは既に切り札である紫電崩牙を使用し、ビルネクトスケルトンとの斬り合いを行っている。
素の身体能力ではまだビルネクトスケルトンに及ばないものの、マジックアイテムと紫電崩牙の付与効果によってなんとか渡り合えているというのが現状。

(ちゃんと、言う事、聞いて、おいて……良かった)

セルシアは今回の戦いにおいて、最初から切り札であるランク九の細剣、紫電崩牙を使わなければならないというのは理解していた。

ただ……自身の身体能力を強化するマジックアイテムに関しては、使うのをやや渋っていた。
それでも「いやいや、セルシア。今回戦うのは間違いなくAランクの怪物なんだ。あいつらがどれだけ強いかはセルシアも知ってるだろ」「セルシア様、ご不満に関しては……強さを求めるという点では正しいのかもしれません。しかし、これまでに複数のシルバーランクやゴールドランクのハンターが殺されているのをお忘れなく」といった感じでラガスやメリルからマジックアイテムを装備してくれと頼まれていた。

そしていざ実はスケルトンだった怪物、Aランクモンスターのビルネクトスケルトンナイトと戦い……本当に二人の言う通りのして良かったと、身を持って感じ取った。

マジックアイテム、紫電崩牙のお陰でほんの少しではあるものの、スピードはセルシアが上回っている。
だが、パワーに関してはナイトの方が上。
そこに加えて……武器の質ではセルシアの方が上回っている。

そのため、戦闘が始まって約一分。
奇跡的にセルシアはまだ一つもダメージを追っていなかった。

(っ……思いっき、り……突けない、斬れ、ない)

切り札とマジックアイテムを装備しているとはいえ、Aランクモンスターを相手に見事な立ち回りと言える。
しかし、小さな切傷は与えられるも、戦いを動かす決定打が与えられない。

理由はそこまで複雑ではない。
ただ……根本的な剣技の腕前が、セルシアよりビルネクトスケルトンナイトの方が上。
その差を埋める為に、セルシアは決定的な攻撃を食らわないように僅かに勝っているスピードと武器の性質を利用して迫る斬撃や刺突に対応しなければならない。

(ラガスたちが、話してた……経験?)

ハンターたちと戦うことで、自分たちハンターの動きを学習している。
学習しているということは、対応出来るという事だけではなく、自分のものにすることが出来るとイコール。
少なくとも、ビルネクトスケルトンナイトはそれが行える。

しかし、セルシアがナイトと剣を合わせる度に感じるのは、見様見真似の技術……ではなく、確かに積み重ねられてきた確固たる剣技。

(スケルトン、なら、もしかし、て、元の……人が、いた?)

セルシアは、アンデットやスケルトンの作り方など、魔法や錬金術の中でも闇に関する部分は詳しくない。
それでも、元の死体を使ってスケルトンというモンスターに造り変えることが出来ることぐらいは知っていた。

ただ、ダンジョン擬きが生み出した固有のスケルトンではなく、古の時代に生きた誰かがその時代の剣士の肉体を使って改良を施したスケルトンを生み出した……という可能性に辿り着く。

(………………どう、倒そう)

哀れ、可哀想、怒り、憐憫……そういった感情がセルシアから零れることはない。

目の前の強者を相手にそんなことを考える余裕はなく、彼女はただ……自身が勝利する道筋を探し続ける。
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