万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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彼らは、口にしてない

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SIDE ブランジェ

「ふぅーーーーーー」

ラガスたちがギルドマスターの執務室から出た後、ブランジェは葉巻を取り出し、一服し始めた。

「ギルドマスター……」

「少しぐらいは許してくれ……ふぅーーーーー」

口から吐き出す煙を眺めながら、ブランジェは先程自分たちに真実を伝えてくれたであろうラガスの顔を思い浮かべる。

「………………」

「何か、思うところがあるといった顔ですね」

「まぁ、そうだな」

「……ラガスさんたちが四体のAランクモンスターを討伐したという話に関して、思うところがあると?」

「いや、そこに関しちゃぁ、疑ってねぇよ」

今でも戦闘の腕は衰えていないブランジェ。
そんなブランジェから見て、ラガスは可能性の塊。

これまではパーティーの中でラガスがずば抜けているという印象ではあるが、セルシアを視て……時折上がってくる情報通り、未開拓地や地下遺跡を探索する中で成長していることが窺える。

セルシアが成長しているのであれば、他のパーティーメンバーであるメリルとシュラの二人も成長していることが窺えるため、ギリギリAランクモンスターを倒したというのも……納得出来なくはない。

「リーダーのラガスも含め、ありゃスーパールーキーなんて言葉で片付けられねぇ強さを持ってる。従魔の狼竜もぶっとんでるしな」

「……しかし、狼竜の力だけではなく、ラガスさんやセルシアさんが主な力となり、討伐出来たと」

「そうなっても、おかしくねぇとは思う」

「そうですか……ですが、腑に落ちないという顔をしてますね」

「ギルドマスターとしての勘、なんてのは俺には似合わねぇが、それでもちっとなぁ…………」

ティールが嘘をついているとは思えない。
だが、これまでのハンター経験、ギルドマスター経験から……何かを隠している様に思えた。

(地下遺跡に関しても、地図の詳細に関してもこっちの要望通り応えてくれてた。そんなラガスたちがギルドマスターの俺に何かを隠したいってなると…………世間にバレちゃあ、困る何かがあったってことか)

灰皿に灰を落しながら、思案にふけるブランジェ。

「…………良く解らない、正体不明な巨大な石というのは、本当に全く解らない石なのでしょうか」

「……お前も、そう思ったか」

秘書である女性もブランジェと同じ考えに至っていた。

ラガスが情報を教えてくれた中で、彼が……もしくは他のメンバーが鑑定系のアビリティを有しているのは間違いない。
その鑑定アビリティを使用しても、本当に巨大な石の正体が解らなかったのか。

「世間にバレちゃあ、不味いものがあるとしたら……何があると思う」

「地下遺跡がダンジョン化した要因、素材となった物ということですよね。であれば…………まず、ダンジョンコアでしょう。加えて、世間にバレては不味いとなりますと……脳や心臓、などでしょうか」

敢えて、秘書はなんの脳や心臓とは言わなかった。

「やっぱそうか…………ふぅーーーーーーーーー…………だとすりゃあ、ラガスが適当に言葉を濁したのも納得だな」

ギルドマスターという立場上、お偉いさんと会って話す機会もそれなりに多いブランジェ。

だからこそ、ラガスに負けないほど、世の中には正真正銘の馬鹿が割といることを知っている。

(いや、寧ろ知っていたなら……敢えて、言葉にせずに俺たちに察してほしいって伝えようとしたのか? …………ふふ、勝手にそういうやり取りは苦手なんじゃないかと思ってたが、どうやらそんな事はなかったようだな)

ブランジェと秘書の受付嬢が勝手に、建物をダンジョン化するにはダンジョンコアと脳や心臓などが必要なのではという考えに至っただけ。

二人は決して地下遺跡を探索し、最奥の部屋を見た訳ではなく、そこまで辿り着いたのはラガスたち。
しかし、ラガスたちは…………実は最奥の部屋にはそれらがあったと、実際に口にはしていない。

意味があるのかと思われるかもしれないが、それが重要になりうる場面もある。
だからこそ、ラガスの真意を察したブランジェは嬉しそうに笑みを零すのだった。
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