万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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「お二人とも、何を話してますの」

「なんだ、イーリスも休憩か?」

「えぇ。予想以上に疲れましたので」

だよな~~~。
本当に地上で模擬戦をしてるのとは比べ物にならないレベルで疲れる。
そして眠くもなる……早く寝たいなら、良い運動ではあるのかもな。

「それで、男二人で何を話してましたの」

「船について話してたんだよ」

「船、ですの? 航海という冒険をしたいと」

「まっ、そんなところだ」

船酔いという不安要素は残ってるけどな。

「どこか行きたい国でもあって?」

「あぁ。その為に、自分の船でも造って貰おうかと考えてな」

「なるほど…………っ!!!!????」

「どうしたんだよ、急に面白い顔して」

容姿が整ってる人間がびっくりした顔は、割と本当に面白いと感じる。

「あ、あなた、何を言ってるのか、解ってますの?」

「解ってるよ。良い感じの船を造って貰おうと思ってるんだ」

「聞き間違えではなかったようですわね……ラガス、船というのは伯爵家以上の貴族であっても、個人の物を持ってませんのよ」

「だろうな」

前世だと、大富豪じゃなくても小金持ちみたいな人でも……ボート? ぐらいは持ってたかな。

ただ、前世と違ってこの世界の海にはモンスターがいるから、専用の船を出して釣りを、とか出来ない。
そもそも釣りが趣味の人ってのも少ないか?

「持ってたところで使わないし、モンスターに壊される可能性もそこそこあるだろ」

「……解ってるようでなによりですわ。それでも、自身の船を持ちたいと?」

「あぁ。水中が水生モンスターのフィールドだっていうのは解ってるからこそ、錬金術をガチガチに組み込んだ船を造って貰うんだよ」

「錬金術を組み込んだ…………大型船でなければ、不可能ではなさそうですけれど………………どういったギミックを施すのかは知りませんが、いったい幾らつぎ込むつもりですの」

「さぁな。材料費も含めれば、白金貨何百枚以上になるんじゃないか」

素材の相場とかを細かく覚えてる訳じゃないから、ざっとした金額すらあまり想像出来ない。

「っっっっ~~~~~~~~~……ハンターという職業は、そこまで儲かる職業でしたの?」

「それに関しては、当人たちの実力と……体力次第としか言えないな」

「俺たちの場合だと、ダンジョンとダンジョン擬きを探索してたのが大きいっすよね」

「それはそうだな」

「ダンジョン…………一攫千金を狙える場所とはよく聞きますけれど、それと絶望が襲いかかる割合、どちらの方が大きいですの」

「……大前提として、俺たちにはルーフェイスというスーパー頼りになる従魔がいる。他のハンターたち、探索者たちと比べて一番大きな差は何かって尋ねられたら、俺はルーフェイスだって答える」

アドバイスにならないのは百も承知。
ただ、紛れもない事実だと思う。

「戦力としては勿論、移動力が桁違いだ。セーフティーポイントで休息出来なかったとしても、傍にルーフェイスがいるっていうだけで、安心して休むことが出来る」

『~~~♪ ~~~~~♬』

階層の広さを考えれば、毎回毎回セーフティーポイントまで辿り着けるとは限らない。
なんなら、セーフティーポイントがない階層だって全然あるしな。

「ダンジョン擬きの時なんて、ルーフェイスがいなかった移動だけでごっそり体力持っていかれてそうでしたもんね」

「だな。だから、大金を稼ぎたいからって理由で、ダンジョンに潜るのはあまりお勧めできないぞ」

「解ってますわよ。そんな安易な選択は取らないわ……とにかく、それで稼いだ大金があるから、自身の船を造ってもらった方が早いんじゃないかと」

「そういう事だ。今すぐにって話じゃないから、気長に進めていこうと思ってる」

「…………まぁ、あなた方が稼いだお金なのですから、特にケチをつけるつもりはありませんわ」

言葉ではそう言いつつも、思いっきり呆れてんじゃねぇか…………けど、言葉にしないだけ、昔と比べればやっぱり態度が軟化してるな。


数十分後、メリルに休憩時間は終わりだと宣告され、再び入水。
夕食時に船の件を伝えると、これまた面白い顔をしてくれた。
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