万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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「おい、メリル。ズルいぞお前」

「何がですか」

数時間ほど探索したが、マーマンと遭遇出来なかったので、一旦帰還。

昼食がわりに、道中……潜水中に獲ってた魚を寄生虫がいないかどうか確認しながら捌いている間、やっぱりシュラからメリルに対する文句が飛び出した。

「二体のシースライムと戦う時、水弾や水刃を真正面から対応しただろ!」

「えぇ、そうですね。それがどうかしましたか」

「俺やセルシア様はちゃんと躱して接近してんのに、なんでお前は堂々と真正面から対応しようとしてんだ!! そんなの、俺だって戦りてぇっつーの!!!」

「まだダメに決まってるでしょう」

「なんでだよ!!!」

「武器の相性以外に理由があるとでも?」

遊泳のアビリティを体得してるとしてないとでは、武器を振る速度があまりにも違い過ぎる。

正直なところ、遊泳を体得したシュラの剣速は地上と比べればまだまだ。
シースライムが放つ水弾や水刃が特別速いというわけではないけど、現段階だと……大剣で対処しきれず、ダメージを受けてもおかしくない、か。

「……ねぇ、ラガス。私は、真正面、から……対応しても、良いかな?」

「…………どうだろうな。俺とメリルは双剣を使ってるから、シースライムが放つ量の水弾とかも対処出来たけど、セルシアは細剣だからな………………放たれた攻撃を纏めて潰す攻撃を放つなら、良いんじゃないか」

「…………やっぱり、そういうのじゃないと、ダメ、だよね」

セルシアはセルシアで考えてた訳か。

正直なところ、どのシースライムも一度に放てる遠距離攻撃の数が思ったよりも多いからな……一つ一つを対処して、水中戦の実戦訓練をしようとするのは止めてほしいかな。

「どう思うっすか、ラガスさん!!!!」

「メリルの言う通り、止めておいた方が良いな」

「うっ!」

「避けるのと、全て対応するのとでは訳が違うと、改めて感じさせられたよ。咄嗟の動きであれば対応出来るけど、連続した動きはまだまだというか……とりあえず、今はダメかな」

「うぐっ!!!」

「顔に飛来する攻撃は避けられたとしても、体勢的に避けられなくて、股間に水弾や水刃が当たったりしたら嫌だろ」

「……そ、それは嫌っすね」

「だろ」

「……でも、その……シースライムが放つ攻撃を真正面から対応するのって、そんなに難かったんっすか?」

「うん、難しかったね」

「えっ」

「……本当、に?」

俺の言葉を聞いた二人は、心底意外そうな顔になった。

「本当だよ。ねっ、メリル」

「えぇ、ラガス坊ちゃまの言う通り。あの数の水弾や水刃を正しい姿勢を斬り続けるのは本当に難しいのよ」

「斬り続けるのが……バランスを取るのがムズいってことっすか」

「簡単に言うと、そういう事だな。斬る動作をすると、体が前に流れるだろ」

「うっす」

「相手をぶった斬るだけならそれで良いけど、相手の攻撃を相殺する為に斬り続けるってなると、その流れに身を任せたら駄目なんだよ」

「ラガス坊ちゃまがここまで説明すれば、なんとなく解るでしょう、シュラ」

「ぐっ………………おぅよ」

はは!! すげぇ認めたくなさそうな顔。

けど、説明した通り遊泳のアビリティを持っていたとしても、そこら辺のバランス感覚が非常に難しい。

だから、シュラやセルシアには俺たちの真似は遠慮してもらいたい。
少なくとも今はな。

「…………ねぇ、ラガス。私は、突くだけ、だから、大丈夫……じゃない、かな」

「……そういえば細剣はそれが出来たな………………メリル、どう思う」

「っ、そこで私に振るのですか」

「俺の独断で決めるのもあれだろ」

本当は後からメリルにあれこれ言われたくないからだけど。

「むむむ……一度試し、セルシア様が一度も傷を負わなければ、私とラガス坊ちゃまが行っていた事を真似しても構わないかと」

「やった」

「うぎぎぎぎ!!!!」

怒りでちょっと面白い顔になってしまってるシュラ。

そういった感情が顔には零れるけど、屁理屈にならないような事を言わないのを見ると、成長したなって感じるな~~~。
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