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第二章
第50話 お出かけ前の鳩
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俺がキッチンへ向かったのは、午前十一時の半ばを過ぎたころ。
こたつの快適さに後ろ髪を引かれながらも、どうにか昼食の準備に取り掛かる。
これから作ろうと思っているチャーハンは、凝ったレシピでもないのでわりとお手軽……だが、我が家には『無双の餓狼』の二つ名を持つサリアさんがいる。
彼女、お米だけでも四合くらいペロリと腹に収めちゃうからな。近いうちに大食いのお店へ連れて行ってあげたい。そのうえ、うちの獣耳幼女たちも食欲旺盛なので、かなりの量のチャーハンを作らねばならない。
毎日多めに炊いたお米を冷凍してストックしてきたが、これでもうカラになる。近ごろは、炊飯器をもう一つ買おうか真面目に検討中だ。
「サクタローさん! わたし、たまごわる!」
「リリもできるよ! ほうちょうつかいたい!」
「ん、りんごじゅーすのむ」
「ならば、私は危険がないよう見張っていよう」
みんなキッチンに付いて来て、張り切ってお手伝いを買って出てくれる。
卵をうまく割れるようになったエマが、手をあげて飛び跳ねながらの立候補。そんな姉に続き、リリも包丁を使いたいとリクエストを……いや、ダメだからね。
ルルは、冷蔵庫から頑張ってりんごジュースを取り出そうとしている。それ飲んだらきっとお手伝いしてくれるはず……だよね?
サリアさんはキッチンテーブルの椅子にどっしり腰掛け、全体を監視する構えだ。さり気なく危険がないか目を光らせてくれているので、実はけっこう助かっていたりする。
そんなこんなで、賑やかに調理は進む。
切り分けた食材や卵をささっと炒め、お米を投入。チャーハンの素や塩コショウで味を整えて、各自の皿に盛り付けていく。仕上げに、サリアさんの特大どんぶりに小山を作って完成だ。
食べる場所は、もちろんこたつ。
揃ってまたリビングへ戻り、自分の席について『いただきます!』と手を合わせた。
食事中も、俺は何かと忙しい。飲み物をついであげたり、こぼれたものを掃除したり、顔や手を拭いてあげたり、甘えて集まってきた獣耳幼女たちの口にご飯を運んであげたり、やることは多い。
このときばかりはサリアさんのサポートも望めない。食事に夢中だからね。
残念ながら、自分の手が空く頃には料理も冷めてしまっている……けれど、お世話が楽しいから問題ない。プラマイで考えたら余裕でプラスだ。
しかもここ最近は、エマたちが順番で今度は俺に食べさせようとしてくれるのだ。三人とも間違いなく天使である。
昼食が終わったら、みんなでキッチンに空になったお皿を運ぶ。
いつもなら、そのまま洗い物を始める。しかし今日は、後回しにして外出の準備に取り掛かる。予定通り、この後はドライブタイムだ。
では、さっそくリビングで準備した服にお着替えを――と、その前に。
俺はこたつの上に陶器の薬筒を四つ並べる。中に収まる液体は、異世界で仕入れた『擬態薬』。これを飲めば、獣人は時間限定で一般的な人間に擬態できる。
ただのドライブといえど、獣耳と尻尾を出しっぱなしだと流石にマズい。帽子やフードで隠すのは、ふとした動きでバレちゃうかもだからね。
それと、擬態薬の使用感に慣れる意味もある。少しずつ色々な体験をしてもらって、いつかみんなでテーマパークなどを楽しむのだ。
目指せ、夢の国リゾート!
大興奮する様子が、今からもう目に浮かぶな。
「じゃあ、みんなこれ飲んでね」
『はーい!』
俺は楽しい想像を膨らませながら薬筒のコルクの栓を外し、中身の液体をそれぞれのコップへ注ぐ。
最初に口を付けたのは、元気よくお返事をしてくれた獣耳幼女たち。揃ってコップを傾け、コクコクと喉を動かして擬態薬を飲み干してくれた。
その直後、獣耳と尻尾がぼんやりと光り、にょにょにょっと引っ込んでいく――あれよあれよという間に、三人とも普通の人間の姿になった。
まさしくファンタジーな光景で、何度見ても慣れそうにない。
それはそうと、こちらのスタイルもよく似合っている。天使なのは相変わらずだが、今すぐジュニアモデルとしてスカウトされてもおかしくない愛らしさだ。これは、攫われてしまわないよう注意しなければ。
「わっ!? アタマのお耳ない!」
「リリもない! あ、シッポもだ!」
エマが頭に手をやって目を丸くする。続いてリリが、腰に手を当てて首を傾げる。そこへよく分かっていなさそうなルルも加わり、三人でそれぞれ確認し合っていた……かと思えば、なぜかその場で円を描くようにくるくる回り始めた。
リビングに響く明るい声を聞きながら、俺は頬を緩める。
体に異常はないかちょっと心配だったが、これなら大丈夫だね。
続けてサリアさんも擬態薬を服用するのを見届けたら、今度こそみんなで衣装チェンジ。
エマたちをルームウェアから温かい冬服に着替えさせれば、『新しい服だ!』と歓喜の大合唱が沸き起こる。動きやすいようにキュロットやストレッチパンツを選んだけど、気に入ってくれたみたい。
一方、サリアさんには洗面所での着替えをお願いする。
衣服はやはりスウェットを希望したので、オシャレなパーカーとセットのやつをネットショップで購入しておいた。足元はムートンブーツ。履きやすさを重視する本人のリクエストにお応えした。
「サクタロー殿。この衣服は、正しく身につけられているか?」
「うん。バッチリだね」
実際に着替えた姿を見ると……おお、よく似合っている。容姿端麗なだけあり、一流モデルもかくやの見栄えだ。写真をSNSに投稿したら即バズりそう。普段の言動のせいで忘れかけていたけど、サリアさんって本当はすごく美人なんだよな。
俺はそのまま、テレテレするみんなを褒め倒す。それに満足したら自分もささっと着替え、荷物を詰めたトートバッグを肩に下げて玄関へ。スーパーに寄る可能性を考えると、必要な物が多くなってしまった。
スニーカーを履いたら、空いている方の手をエマとつなぐ。サリアさんには、リリとルルをお願いした。
さあ、日本での初めてのお出かけだ――少し意気込み、俺は扉を開いて一歩踏み出す。
入れ替わるように吹き込む冷たい空気が肌を撫で、冬めいた日差しに少し目が眩む。同時に、木々の梢のざわめきや鳥のさえずりが聞こえてくる。
駐車場を兼ねる前庭では、鳩の群れが地面をついばんでいた。その様子を獣耳幼女たちは、『ふわぁああ~!』と感動した風に眺めている。穏やかながらも、胸を打つ光景だ――なんて浸っていられたのも束の間。
エマが突然、俺の手を離してシュバッと鳩目掛けてしゃがみ込む。群れはバサバサと羽音を立てて空へ飛び立っていく。しかし小さな体が跳ねるように起き上がったとき、その両手は逃げ遅れた一羽をしっかり捕らえていた。
「やったー! よるのゴハンとれた!」
鳩を頭上に掲げ、大喜びするエマ。ブンブンとイマジナリー尻尾が揺れている。
リリとルルも集まって、三人でまたくるくる踊りだす。サリアさんも「でかした。私が捌いてやろう」とご満悦。
完全に油断していたけど……うちの子たち、食べ物に関してはかなり貪欲だ。孤児として過酷なサバイバル生活を送っていたから。しかも獣人って、身体能力が高い傾向にあるみたい。
そりゃあ、丸々とした鳥がその辺をのんきに歩いていたら捕まえちゃうよね。
でもね、心苦しいけど……それ、食べちゃダメだよ。日本には鳥獣保護管理法という決まりがありまして。後で別のお肉を買ってあげるので、その子は逃がしてあげようね。
「なんで食べたらダメなんだ? この鳥は、誰かが飼育しているわけではないのだろう?」
「なんでって……なんでだろうね? なんか、個体数の調整とかあるんじゃない? それに病気とかも怖いし、そもそも美味しくないんじゃないかなあ」
サリアさん的には、まったく理解できない法律みたい。エマたちも揃って不思議そうに首をかしげている。それでも俺は頑張って説得を続け、風前の灯火だった小さな命を救うことに成功する。
開放された鳩は、数枚の羽根を残して大急ぎで空へ逃げていく。もう捕まるなよ、と心の中で呟いて見送った。
みんなの興奮もいったん収まったようなので、これでようやくお出かけできる……だが、ドライブがてらスーパーに寄っていいものか本気で迷う。なにせ、我が家の敷地からまだ一歩も離れていないのにこの騒ぎなのだ。
とりあえず、エマの手をしっかり洗ってから改めて出発するとしよう。
こたつの快適さに後ろ髪を引かれながらも、どうにか昼食の準備に取り掛かる。
これから作ろうと思っているチャーハンは、凝ったレシピでもないのでわりとお手軽……だが、我が家には『無双の餓狼』の二つ名を持つサリアさんがいる。
彼女、お米だけでも四合くらいペロリと腹に収めちゃうからな。近いうちに大食いのお店へ連れて行ってあげたい。そのうえ、うちの獣耳幼女たちも食欲旺盛なので、かなりの量のチャーハンを作らねばならない。
毎日多めに炊いたお米を冷凍してストックしてきたが、これでもうカラになる。近ごろは、炊飯器をもう一つ買おうか真面目に検討中だ。
「サクタローさん! わたし、たまごわる!」
「リリもできるよ! ほうちょうつかいたい!」
「ん、りんごじゅーすのむ」
「ならば、私は危険がないよう見張っていよう」
みんなキッチンに付いて来て、張り切ってお手伝いを買って出てくれる。
卵をうまく割れるようになったエマが、手をあげて飛び跳ねながらの立候補。そんな姉に続き、リリも包丁を使いたいとリクエストを……いや、ダメだからね。
ルルは、冷蔵庫から頑張ってりんごジュースを取り出そうとしている。それ飲んだらきっとお手伝いしてくれるはず……だよね?
サリアさんはキッチンテーブルの椅子にどっしり腰掛け、全体を監視する構えだ。さり気なく危険がないか目を光らせてくれているので、実はけっこう助かっていたりする。
そんなこんなで、賑やかに調理は進む。
切り分けた食材や卵をささっと炒め、お米を投入。チャーハンの素や塩コショウで味を整えて、各自の皿に盛り付けていく。仕上げに、サリアさんの特大どんぶりに小山を作って完成だ。
食べる場所は、もちろんこたつ。
揃ってまたリビングへ戻り、自分の席について『いただきます!』と手を合わせた。
食事中も、俺は何かと忙しい。飲み物をついであげたり、こぼれたものを掃除したり、顔や手を拭いてあげたり、甘えて集まってきた獣耳幼女たちの口にご飯を運んであげたり、やることは多い。
このときばかりはサリアさんのサポートも望めない。食事に夢中だからね。
残念ながら、自分の手が空く頃には料理も冷めてしまっている……けれど、お世話が楽しいから問題ない。プラマイで考えたら余裕でプラスだ。
しかもここ最近は、エマたちが順番で今度は俺に食べさせようとしてくれるのだ。三人とも間違いなく天使である。
昼食が終わったら、みんなでキッチンに空になったお皿を運ぶ。
いつもなら、そのまま洗い物を始める。しかし今日は、後回しにして外出の準備に取り掛かる。予定通り、この後はドライブタイムだ。
では、さっそくリビングで準備した服にお着替えを――と、その前に。
俺はこたつの上に陶器の薬筒を四つ並べる。中に収まる液体は、異世界で仕入れた『擬態薬』。これを飲めば、獣人は時間限定で一般的な人間に擬態できる。
ただのドライブといえど、獣耳と尻尾を出しっぱなしだと流石にマズい。帽子やフードで隠すのは、ふとした動きでバレちゃうかもだからね。
それと、擬態薬の使用感に慣れる意味もある。少しずつ色々な体験をしてもらって、いつかみんなでテーマパークなどを楽しむのだ。
目指せ、夢の国リゾート!
大興奮する様子が、今からもう目に浮かぶな。
「じゃあ、みんなこれ飲んでね」
『はーい!』
俺は楽しい想像を膨らませながら薬筒のコルクの栓を外し、中身の液体をそれぞれのコップへ注ぐ。
最初に口を付けたのは、元気よくお返事をしてくれた獣耳幼女たち。揃ってコップを傾け、コクコクと喉を動かして擬態薬を飲み干してくれた。
その直後、獣耳と尻尾がぼんやりと光り、にょにょにょっと引っ込んでいく――あれよあれよという間に、三人とも普通の人間の姿になった。
まさしくファンタジーな光景で、何度見ても慣れそうにない。
それはそうと、こちらのスタイルもよく似合っている。天使なのは相変わらずだが、今すぐジュニアモデルとしてスカウトされてもおかしくない愛らしさだ。これは、攫われてしまわないよう注意しなければ。
「わっ!? アタマのお耳ない!」
「リリもない! あ、シッポもだ!」
エマが頭に手をやって目を丸くする。続いてリリが、腰に手を当てて首を傾げる。そこへよく分かっていなさそうなルルも加わり、三人でそれぞれ確認し合っていた……かと思えば、なぜかその場で円を描くようにくるくる回り始めた。
リビングに響く明るい声を聞きながら、俺は頬を緩める。
体に異常はないかちょっと心配だったが、これなら大丈夫だね。
続けてサリアさんも擬態薬を服用するのを見届けたら、今度こそみんなで衣装チェンジ。
エマたちをルームウェアから温かい冬服に着替えさせれば、『新しい服だ!』と歓喜の大合唱が沸き起こる。動きやすいようにキュロットやストレッチパンツを選んだけど、気に入ってくれたみたい。
一方、サリアさんには洗面所での着替えをお願いする。
衣服はやはりスウェットを希望したので、オシャレなパーカーとセットのやつをネットショップで購入しておいた。足元はムートンブーツ。履きやすさを重視する本人のリクエストにお応えした。
「サクタロー殿。この衣服は、正しく身につけられているか?」
「うん。バッチリだね」
実際に着替えた姿を見ると……おお、よく似合っている。容姿端麗なだけあり、一流モデルもかくやの見栄えだ。写真をSNSに投稿したら即バズりそう。普段の言動のせいで忘れかけていたけど、サリアさんって本当はすごく美人なんだよな。
俺はそのまま、テレテレするみんなを褒め倒す。それに満足したら自分もささっと着替え、荷物を詰めたトートバッグを肩に下げて玄関へ。スーパーに寄る可能性を考えると、必要な物が多くなってしまった。
スニーカーを履いたら、空いている方の手をエマとつなぐ。サリアさんには、リリとルルをお願いした。
さあ、日本での初めてのお出かけだ――少し意気込み、俺は扉を開いて一歩踏み出す。
入れ替わるように吹き込む冷たい空気が肌を撫で、冬めいた日差しに少し目が眩む。同時に、木々の梢のざわめきや鳥のさえずりが聞こえてくる。
駐車場を兼ねる前庭では、鳩の群れが地面をついばんでいた。その様子を獣耳幼女たちは、『ふわぁああ~!』と感動した風に眺めている。穏やかながらも、胸を打つ光景だ――なんて浸っていられたのも束の間。
エマが突然、俺の手を離してシュバッと鳩目掛けてしゃがみ込む。群れはバサバサと羽音を立てて空へ飛び立っていく。しかし小さな体が跳ねるように起き上がったとき、その両手は逃げ遅れた一羽をしっかり捕らえていた。
「やったー! よるのゴハンとれた!」
鳩を頭上に掲げ、大喜びするエマ。ブンブンとイマジナリー尻尾が揺れている。
リリとルルも集まって、三人でまたくるくる踊りだす。サリアさんも「でかした。私が捌いてやろう」とご満悦。
完全に油断していたけど……うちの子たち、食べ物に関してはかなり貪欲だ。孤児として過酷なサバイバル生活を送っていたから。しかも獣人って、身体能力が高い傾向にあるみたい。
そりゃあ、丸々とした鳥がその辺をのんきに歩いていたら捕まえちゃうよね。
でもね、心苦しいけど……それ、食べちゃダメだよ。日本には鳥獣保護管理法という決まりがありまして。後で別のお肉を買ってあげるので、その子は逃がしてあげようね。
「なんで食べたらダメなんだ? この鳥は、誰かが飼育しているわけではないのだろう?」
「なんでって……なんでだろうね? なんか、個体数の調整とかあるんじゃない? それに病気とかも怖いし、そもそも美味しくないんじゃないかなあ」
サリアさん的には、まったく理解できない法律みたい。エマたちも揃って不思議そうに首をかしげている。それでも俺は頑張って説得を続け、風前の灯火だった小さな命を救うことに成功する。
開放された鳩は、数枚の羽根を残して大急ぎで空へ逃げていく。もう捕まるなよ、と心の中で呟いて見送った。
みんなの興奮もいったん収まったようなので、これでようやくお出かけできる……だが、ドライブがてらスーパーに寄っていいものか本気で迷う。なにせ、我が家の敷地からまだ一歩も離れていないのにこの騒ぎなのだ。
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