本の虫令嬢ですが「君が番だ! 間違いない」と、竜騎士様が迫ってきます

氷雨そら

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図書館と結婚式 1

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 ***

 そして、訪れた美しい花嫁と、誰よりも強い孤高の竜騎士の結婚式。
 結婚式には、ミリアの両親と兄はもちろんのこと、国王陛下や、重鎮達、騎士団の上層部とそうそうたる顔ぶれが招待されている。

 しかし、今回の結婚式で一番話題になっているのは、招待客についてではない。

「……本当に? ここで、結婚式するのですか?」

 眼鏡を外しているミリアは、それでもアーロンと共有した視力でよく見える視界の中、唖然として周囲を見渡した。

 結婚式は、通常神殿で執り行われる。
 けれど、どう見てもここは……。

「遅くなってすまない。結納の品だ」
「えっ、この建物もしかして」

 どこから資金は出てくるのだろう。
 アーロンは、建ててしまったのだ、まるで先日の約束を実現させる第一歩とでも言うように。

「君に捧げる図書館だ」

 ぽかんと口を開けた姿は、少し間抜けでとても可愛い、とアーロンは満足げに頷いた。

「すぐには建ちませんよね?」
「ふふん。君と出会ったあの日から、すぐに準備を始めた」
「えっ」

 やはり、竜人の番に対する愛は、理解するのが難しい。

 どこまでも高い本棚は、はしごがなければ上の方の本を取ることが出来ない。
 重厚な造りなのに、全体的に明るいのは、天井にもうけられた窓のおかげだ。

 直射日光で本が傷まないように、必要なときだけ開くことが出来る天窓。

 そして、ぐるりと高い本棚に囲まれたスペース。
 今は、結婚式のためにところせましとご馳走が並ぶ。

「アーロン様、この贈り物は、あまりにも豪華すぎます……」
「そうか、それならば、一般開放すれば良い」
「え?」
「君の名を付けよう。誰でも本を読むことが出来る場所だ」

 普段と違って、美しく見えるように化粧をしてもらっているのだ。
 泣かせにくるのは、やめて欲しい。

「人生で一番嬉しい贈り物です」
「そ、そうか」

 嬉しそうにアーロンが笑う。
 けれど、ミリアには一つだけ言いたいことがある。

「アーロン様」
「……私の名前をつけるのは、恥ずかしいのでやめてください!」
「っ、それは譲れない!」
「いたたまれなくて、図書館に来られません!」

 その結果、二人は初めての夫婦げんかかな? というくらい、真剣に議論することになった。
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