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あれがソルト?
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クミンと、正妃の側に並ぶクミンの母親は焦っていた。
あれがソルト?
とんでもなく優秀な文官がいて、表彰するという話は聞いていた。
でもそれが彼で、しかもあれ程美しいだなんて。
妖精だ、かわいい、そう思っていたマドレーヌだが、ソルトをみた後では色褪せる。
お茶会に出ないし社交性がないから妃には推せないとあれだけ自分が言ったくせに、側妃はすっかり忘れていた。
まずい。
見る限り、社交性がないわけじゃない。
陛下に呼ばれれば遅刻しないように現れ、身繕いし、臣下の礼をするような社交性やマナーはちゃんとあった。
事実、就職してからはあちこちに顔を出して、手広くやり、同僚との関係性もいい。
おそらく、彼の中でお茶会や社交界の優先順位が低かっただけだろう。
そういえば、こんな感じの子が一瞬だけデビュタントも来ていたような。
その上、優秀な頭脳。家は公爵家。民に寄り添い、人気がある。
王妃の器じゃないの!
隣の正妃が扇子の影でほくそ笑んでいる気がするわ。
たかが伯爵家の出身で、並よりちょっとかわいいくらいの、頭の悪い娘と、公爵家の出身で、女神のように美しく、勲章を貰えるくらい優秀な彼とでは、どちらが後ろ盾として上か!
本人が優秀ならまだひっくり返せるけど、残念なのよお……っ、うちの子はっ。
「私と婚約してくれないだろうか?」
私がかつて焦がれていた相手に、陛下の前でプロポーズするアニス。
そのセリフに、固まっていた体が解けた。
正妃も息子を後押ししている。
なんてことだ。ソルトは劣化していなかったんだ。
アニスめ、私にとられないように彼の美貌を隠していたのか。
腕に絡みつく女を見る。
かわいいと思っていたが、大したことはない女。
こんなに胸をみせて、腕に密着して。はしたない女だ。品がない。
こんな奴と慌てて婚約したせいで、私は………っ。
なによ、なんなのよ。
あれがガリ勉のソルト?
嘘でしょ?
なんでわざわざあんなふうにしていたのよ!
優しかったクミン様の視線が痛い。
私に愛情はないのね。
クミン様は、私が一番かわいいと思っていたから、好いてくれていたんだわ。
可愛くない私なんていらないんだわ。
顔だけで選ぶような男を、どうして選んでしまったんだろう…………。
あれがソルト?
とんでもなく優秀な文官がいて、表彰するという話は聞いていた。
でもそれが彼で、しかもあれ程美しいだなんて。
妖精だ、かわいい、そう思っていたマドレーヌだが、ソルトをみた後では色褪せる。
お茶会に出ないし社交性がないから妃には推せないとあれだけ自分が言ったくせに、側妃はすっかり忘れていた。
まずい。
見る限り、社交性がないわけじゃない。
陛下に呼ばれれば遅刻しないように現れ、身繕いし、臣下の礼をするような社交性やマナーはちゃんとあった。
事実、就職してからはあちこちに顔を出して、手広くやり、同僚との関係性もいい。
おそらく、彼の中でお茶会や社交界の優先順位が低かっただけだろう。
そういえば、こんな感じの子が一瞬だけデビュタントも来ていたような。
その上、優秀な頭脳。家は公爵家。民に寄り添い、人気がある。
王妃の器じゃないの!
隣の正妃が扇子の影でほくそ笑んでいる気がするわ。
たかが伯爵家の出身で、並よりちょっとかわいいくらいの、頭の悪い娘と、公爵家の出身で、女神のように美しく、勲章を貰えるくらい優秀な彼とでは、どちらが後ろ盾として上か!
本人が優秀ならまだひっくり返せるけど、残念なのよお……っ、うちの子はっ。
「私と婚約してくれないだろうか?」
私がかつて焦がれていた相手に、陛下の前でプロポーズするアニス。
そのセリフに、固まっていた体が解けた。
正妃も息子を後押ししている。
なんてことだ。ソルトは劣化していなかったんだ。
アニスめ、私にとられないように彼の美貌を隠していたのか。
腕に絡みつく女を見る。
かわいいと思っていたが、大したことはない女。
こんなに胸をみせて、腕に密着して。はしたない女だ。品がない。
こんな奴と慌てて婚約したせいで、私は………っ。
なによ、なんなのよ。
あれがガリ勉のソルト?
嘘でしょ?
なんでわざわざあんなふうにしていたのよ!
優しかったクミン様の視線が痛い。
私に愛情はないのね。
クミン様は、私が一番かわいいと思っていたから、好いてくれていたんだわ。
可愛くない私なんていらないんだわ。
顔だけで選ぶような男を、どうして選んでしまったんだろう…………。
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