【完結】王子様たちに狙われています。本気出せばいつでも美しくなれるらしいですが、どうでもいいじゃないですか。

竜鳴躍

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予兆

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「ソルト…!嬉しいよ、君は私を選んでくれたんだね!」


いつものように文官室で仕事をしていると、満面の笑みのアニス様が飛び込んできた。


「ああ。どうしよう。こんなにうれしいことってないよ。君のご両親にご挨拶をして、正式に婚約を結ばなければ。式にはケーキ王国のティラミス様たちもご招待しよう!君には真っ白なドレスが似合うよね「ちょっと!ちょっと待ってください!!!」」


アニス様は何を言っているんだろう。


確かに僕は、アニス様のことも好きだけど、申し訳ないと思いながらまだ決断することができない。

2人とも真剣に僕のことを思ってくれていて、大事にしてくれて、素敵な人たちなのに、どうしても選ぶことが出来ていないのに。

それが、世間では悪女って呼ばれるんだろうなって思いながら…。




「落ち着いてください。僕、まだ、お返事してません…。なにか、思わせぶりなことをしてしまったでしょうか。」



ああ。せっかく街中に外灯を作るための企画書を作っていたのに、そっちに集中できなくなってしまった。

あとは、農作物やお肉を長期間安全に保管するための冷凍設備、公営の学校や病院の建設など、順番待ちの案件が割とあるのだけど。



「……何を言っているんだい?君は夕べ私がいつものお店でお酒を飲んでいるときに、ふぃっと現れて、僕にキスをしたじゃないか。私のことが好きって……。」


夕べ?


「それはおかしいですね、殿下。夕べ、ソルトは家で寝ていましたよ。珍しく早く就寝して。ソルトの安全のために屋敷には強力な結界を貼っているので、ソルトが抜け出したならすぐわかるはずですが。」


護衛のために、いつものように控えてくれていたホワイト兄さまが助けてくれた。


だよね、僕、家にいたよね!


「……失礼ですが、酩酊されてどこかの誰かとお間違えになったのでは?」


「ホワイト!そんなことはない!私がソルトと他の者を間違えるものか!」





「はっはっは!殿下、私の勝ちだ!」



そこへ、意気揚々とカモミール団長が登場した。



「ソルトは私を選んだ。やっぱり、最後は筋肉だよな。私は、ソルトを守れるだけの力があるからな。」


「何を証拠に!」

アニス様が団長を睨む。

「夕べ、騎士団の詰所で最後の戸締りをしていたら、ソルトがやってきて。後ろからつま先立ちで私に抱き着いて…。好きって、私の頬にキスを落として去っていったんだ!」



ええええ?また、夕べなの?



どうして???
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