72 / 133
王子様
しおりを挟む
「バジル!」
「くはっ!」
バジルはめちゃくちゃに蹴り上げられて、教室の隅まで飛ばされた。
なんとも思ってないバジルだけど、一応、幼馴染と言えば幼馴染なんだ。
あいつは腕っぷしがからっきしの顔だけ男なんだぞ。
「やめろよ、暴力は。卒業直前なのに取り消しになるぞ?」
「俺はこう見えても回復魔法の使い手だから大丈夫さ。先生に見られる前には治癒してやる。」
騎士団合格者ほどではないが、そこそこ長身の細マッチョタイプのリーダーは、意外な術者だった。
言いながら、のどを抑えて転がっている魔法師団のひょろひょろを回復した。
「相手は手練れのようだ。契約も無しになったし、多少怪我させてもいいから本気でやるぞ。」
「ああ。全く油断した。」
「連携をとろう。」
「怪我させてもいいけど、せっかくのかわいこちゃんなんだから、顔は気をつけろよ。マワすとき萎えるだろ。」
「確かに?」
気絶しているらしいバジルをちらりと見て、俺は舌打ちした。
「派手に俺は抵抗するぞ。先生が来るかもな。」
「ははは、大丈夫だ。ここには魔法をかけたし、外からは誰もいないように見えている。音も何も聞こえない。」
魔法師団は偉そうだ。
なるほどね。
助けは来ない。
俺は一人で奴らをぶちのめすしかないってことだ。
「ヘイスト!身体強化!」
魔法師団が味方を強化する。
速度も力も、さっきより段違い。
あれで殴られたら、骨が折れるかもしれない。
なんとか避けて、蹴り飛ばした。
「!?」
鉄の塊を蹴り飛ばしたみたいだ。手ごたえがない。
―――防御力もあげているのか。
「!!!!!!」
「ロック!」
気が付けば、俺はこいつらに捕まっていた。
「つ~かまえた。」
「はっ、離せっ!」
足をじたばたさせても、俺の身長で完全に後ろから捕まえられれば、足が宙に浮いてどうにもならない。
体も、魔法で動きが制限されていて、動かしにくい。
「やっ、やだ……っ。」
「おい、カメラ回しているか?」
「もちろん。」
「しっかり押さえておけよ。」
「わかってるよ、次は俺な。」
「だめ、お前一番でかいじゃん。緩くなるからお前は最後だよ。」
「ちぇっ。」
女の子みたいな見た目が嫌だった。
誰かを好きになったことはないけど、初めから俺は男の嫁になるんだろって決めつけられているのが嫌だった。
こんなふうに、扱われたくなかった。
「……うっ。」
「なに、ポアプルちゃん、泣いているの~。かわいい~。」
やだ、やだやだ。やだよ。たすけて、
たすけて
ホワイト。
「!!!!!!!!!!!!」
俺の手首の腕輪が光る。
光に目がくらんで、皆目をつぶって、そして光が収まってそこにいたのは。
「――――――やあ。よくも私の可愛い婚約者を虐めてくれたね?」
ホワイト=ペッパー。魔法師団副団長だった。
「くはっ!」
バジルはめちゃくちゃに蹴り上げられて、教室の隅まで飛ばされた。
なんとも思ってないバジルだけど、一応、幼馴染と言えば幼馴染なんだ。
あいつは腕っぷしがからっきしの顔だけ男なんだぞ。
「やめろよ、暴力は。卒業直前なのに取り消しになるぞ?」
「俺はこう見えても回復魔法の使い手だから大丈夫さ。先生に見られる前には治癒してやる。」
騎士団合格者ほどではないが、そこそこ長身の細マッチョタイプのリーダーは、意外な術者だった。
言いながら、のどを抑えて転がっている魔法師団のひょろひょろを回復した。
「相手は手練れのようだ。契約も無しになったし、多少怪我させてもいいから本気でやるぞ。」
「ああ。全く油断した。」
「連携をとろう。」
「怪我させてもいいけど、せっかくのかわいこちゃんなんだから、顔は気をつけろよ。マワすとき萎えるだろ。」
「確かに?」
気絶しているらしいバジルをちらりと見て、俺は舌打ちした。
「派手に俺は抵抗するぞ。先生が来るかもな。」
「ははは、大丈夫だ。ここには魔法をかけたし、外からは誰もいないように見えている。音も何も聞こえない。」
魔法師団は偉そうだ。
なるほどね。
助けは来ない。
俺は一人で奴らをぶちのめすしかないってことだ。
「ヘイスト!身体強化!」
魔法師団が味方を強化する。
速度も力も、さっきより段違い。
あれで殴られたら、骨が折れるかもしれない。
なんとか避けて、蹴り飛ばした。
「!?」
鉄の塊を蹴り飛ばしたみたいだ。手ごたえがない。
―――防御力もあげているのか。
「!!!!!!」
「ロック!」
気が付けば、俺はこいつらに捕まっていた。
「つ~かまえた。」
「はっ、離せっ!」
足をじたばたさせても、俺の身長で完全に後ろから捕まえられれば、足が宙に浮いてどうにもならない。
体も、魔法で動きが制限されていて、動かしにくい。
「やっ、やだ……っ。」
「おい、カメラ回しているか?」
「もちろん。」
「しっかり押さえておけよ。」
「わかってるよ、次は俺な。」
「だめ、お前一番でかいじゃん。緩くなるからお前は最後だよ。」
「ちぇっ。」
女の子みたいな見た目が嫌だった。
誰かを好きになったことはないけど、初めから俺は男の嫁になるんだろって決めつけられているのが嫌だった。
こんなふうに、扱われたくなかった。
「……うっ。」
「なに、ポアプルちゃん、泣いているの~。かわいい~。」
やだ、やだやだ。やだよ。たすけて、
たすけて
ホワイト。
「!!!!!!!!!!!!」
俺の手首の腕輪が光る。
光に目がくらんで、皆目をつぶって、そして光が収まってそこにいたのは。
「――――――やあ。よくも私の可愛い婚約者を虐めてくれたね?」
ホワイト=ペッパー。魔法師団副団長だった。
46
あなたにおすすめの小説
悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~
トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。
しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。
貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。
虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。
そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる?
エブリスタにも掲載しています。
魔王に転生したら、イケメンたちから溺愛されてます
トモモト ヨシユキ
BL
気がつくと、なぜか、魔王になっていた俺。
魔王の手下たちと、俺の本体に入っている魔王を取り戻すべく旅立つが・・
なんで、俺の体に入った魔王様が、俺の幼馴染みの勇者とできちゃってるの⁉️
エブリスタにも、掲載しています。
転生したら本でした~スパダリ御主人様の溺愛っぷりがすごいんです~
トモモト ヨシユキ
BL
10000回の善行を知らないうちに積んでいた俺は、SSSクラスの魂として転生することになってしまったのだが、気がつくと本だった‼️
なんだ、それ!
せめて、人にしてくれよ‼️
しかも、御主人様に愛されまくりってどうよ⁉️
エブリスタ、ノベリズムにも掲載しています。
タチですが異世界ではじめて奪われました
雪
BL
「異世界ではじめて奪われました」の続編となります!
読まなくてもわかるようにはなっていますが気になった方は前作も読んで頂けると嬉しいです!
俺は桐生樹。21歳。平凡な大学3年生。
2年前に兄が死んでから少し荒れた生活を送っている。
丁度2年前の同じ場所で黙祷を捧げていたとき、俺の世界は一変した。
「異世界ではじめて奪われました」の主人公の弟が主役です!
もちろんハルトのその後なんかも出てきます!
ちょっと捻くれた性格の弟が溺愛される王道ストーリー。
不遇の第七王子は愛され不慣れで困惑気味です
新川はじめ
BL
国王とシスターの間に生まれたフィル・ディーンテ。五歳で母を亡くし第七王子として王宮へ迎え入れられたのだが、そこは針の筵だった。唯一優しくしてくれたのは王太子である兄セガールとその友人オーティスで、二人の存在が幼いフィルにとって心の支えだった。
フィルが十八歳になった頃、王宮内で生霊事件が発生。セガールの寝所に夜な夜な現れる生霊を退治するため、彼と容姿のよく似たフィルが囮になることに。指揮を取るのは大魔法師になったオーティスで「生霊が現れたら直ちに捉えます」と言ってたはずなのに何やら様子がおかしい。
生霊はベッドに潜り込んでお触りを始めるし。想い人のオーティスはなぜか黙ってガン見してるし。どうしちゃったの、話が違うじゃん!頼むからしっかりしてくれよぉー!
【BLーR18】箱入り王子(プリンス)は俺サマ情報屋(実は上級貴族)に心奪われる
奏音 美都
BL
<あらすじ>
エレンザードの正統な王位継承者である王子、ジュリアンは、城の情報屋であるリアムと秘密の恋人関係にあった。城内でしか逢瀬できないジュリアンは、最近顔を見せないリアムを寂しく思っていた。
そんなある日、幼馴染であり、執事のエリックからリアムが治安の悪いザード地区の居酒屋で働いているらしいと聞き、いても立ってもいられず、夜中城を抜け出してリアムに会いに行くが……
俺様意地悪ちょいS情報屋攻め×可愛い健気流され王子受け
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる