【完結】王子様たちに狙われています。本気出せばいつでも美しくなれるらしいですが、どうでもいいじゃないですか。

竜鳴躍

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王子様

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「バジル!」


「くはっ!」

バジルはめちゃくちゃに蹴り上げられて、教室の隅まで飛ばされた。


なんとも思ってないバジルだけど、一応、幼馴染と言えば幼馴染なんだ。
あいつは腕っぷしがからっきしの顔だけ男なんだぞ。


「やめろよ、暴力は。卒業直前なのに取り消しになるぞ?」

「俺はこう見えても回復魔法の使い手だから大丈夫さ。先生に見られる前には治癒してやる。」

騎士団合格者ほどではないが、そこそこ長身の細マッチョタイプのリーダーは、意外な術者だった。

言いながら、のどを抑えて転がっている魔法師団のひょろひょろを回復した。


「相手は手練れのようだ。契約も無しになったし、多少怪我させてもいいから本気でやるぞ。」

「ああ。全く油断した。」

「連携をとろう。」


「怪我させてもいいけど、せっかくのかわいこちゃんなんだから、顔は気をつけろよ。マワすとき萎えるだろ。」

「確かに?」



気絶しているらしいバジルをちらりと見て、俺は舌打ちした。



「派手に俺は抵抗するぞ。先生が来るかもな。」


「ははは、大丈夫だ。ここには魔法をかけたし、外からは誰もいないように見えている。音も何も聞こえない。」

魔法師団は偉そうだ。



なるほどね。


助けは来ない。



俺は一人で奴らをぶちのめすしかないってことだ。





「ヘイスト!身体強化!」

魔法師団が味方を強化する。


速度も力も、さっきより段違い。

あれで殴られたら、骨が折れるかもしれない。

なんとか避けて、蹴り飛ばした。


「!?」


鉄の塊を蹴り飛ばしたみたいだ。手ごたえがない。

―――防御力もあげているのか。



「!!!!!!」

「ロック!」


気が付けば、俺はこいつらに捕まっていた。





「つ~かまえた。」


「はっ、離せっ!」

足をじたばたさせても、俺の身長で完全に後ろから捕まえられれば、足が宙に浮いてどうにもならない。


体も、魔法で動きが制限されていて、動かしにくい。


「やっ、やだ……っ。」


「おい、カメラ回しているか?」

「もちろん。」

「しっかり押さえておけよ。」

「わかってるよ、次は俺な。」

「だめ、お前一番でかいじゃん。緩くなるからお前は最後だよ。」

「ちぇっ。」



女の子みたいな見た目が嫌だった。

誰かを好きになったことはないけど、初めから俺は男の嫁になるんだろって決めつけられているのが嫌だった。

こんなふうに、扱われたくなかった。



「……うっ。」


「なに、ポアプルちゃん、泣いているの~。かわいい~。」



やだ、やだやだ。やだよ。たすけて、


たすけて





ホワイト。





「!!!!!!!!!!!!」


俺の手首の腕輪が光る。



光に目がくらんで、皆目をつぶって、そして光が収まってそこにいたのは。





「――――――やあ。よくも私の可愛い婚約者を虐めてくれたね?」



ホワイト=ペッパー。魔法師団副団長だった。
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