虐げられても最強な僕。白い結婚ですが、将軍閣下に溺愛されているようです。

ジョージの意外な素顔

「それでは、私がご案内させていただきます。まずは馬車から。我が国では、土壌改良に力を入れ、収穫量が増えております。これもひとえに治水事業のたまものです。治水事業は農作物を豊かにするだけでなく、災害も予防しますのでお勧めです。」


案内役はジョージだった。

はぁ、かわいい…。癒されるなあ。


真面目に口が動いてるわー。





「では、実際に牧場に行ってみましょう。」

与えられた黒いなんだかくにゃくにゃした靴に履き替えさせられた。

牧場の中は臭い。虫がいる！なんだこれは！


「くさっ…！」

「家畜を飼うということはそういうものです。殿下は馬は乗りますか？」

「もちろんだ。」

「ならば、厩舎もこれと同じだと思います。世話してくれている方に感謝しなければなりませんよ。」

ジョージは眼鏡を外し、にこっとほほ笑んだ。


なんだ………この……くつろぎ……。


「はい……。」

私ともあろうものが素直になれる…。



「搾りたてのミルクで作ったアイスはいかがですか？」

君の搾りたてのミルクが飲みたいのだが。


「はい、あーん♡冷たいですよ、気を付けてくださいねっ。」


「あーん♡」



あぁあ、もぉ、国に帰らなぁい…。

じょーじとくらすぅ♡



「向こうの食事と比べて、味付けが違うかもしれないですけど、美味しいごはんを食べに行きましょう！」


火の上に乗せられた網……。ここに肉を置いてお好みの調味料で食べるだと！？

野菜も食べ放題！

ここはなんて天国なんだ！

ドラゴニアなんてもう、サプリメントしか食べられないのに！



そうだよぉ、こんなイイ国の王妃なんだから、今さらドラゴニアなんて要らないって…。



「殿下、食べごろですよ♡」

「熱いからふうふうしてぇ♡」

「仕方ないですねぇー♡ふー、ふー♡」

「ありがとう、おかあさ……あっ、間違っちゃった…。」


「いいんですよぉ」






ジョージは先天性の魅了持ち。

そのうえにさらに、秘密があるけど…。

きっと今頃カリス殿下はジョージの虜になっていることだろう…。

不安がるティアに、エドワードが告げると、何を想像したのかティアの顔が真っ赤になった。