くず勇者にざまあ。虐げられた聖者に一目ぼれした魔王の側近はやり直す

オークション

どこかの広い会場に、僕たちは集められた。


お兄さんはちょっとエッチな格好をさせられている。

僕たちは子どもだからそのまんまでよかった。


武器も隠し持っているし…。



ルースが泣きじゃくってたから、下手なことをして泣きわめかれたら困ると思っているのかもしれない。




そろそろだと、思うのだけど。




そう思っていたら、光の蝶がひらひらと僕の耳にささやいた。




そうか。もうすぐ。




「それでは、本日の目玉！デイユの美しき天使ッ！まずは、この美青年。程よく熟れた体は今日からお楽しみいただけます！」


お兄さんは、手を後ろ手に縛られて、右足には鎖、それに重りがついている。

明るいところで見れば、明るい金髪は艶やかで、透き通った白い肌にぱっちりした青い眼は、人形のように綺麗。


僕のお父様もお母様も美人だし、ルシフェル様も美人だ。

彼らには敵わないけれど、それに近いくらい、美人だと思う。


お父様たちがデイユの人間はみんな美人だと言っていたのは、本当だったんだな。


生気を失っていたけれど、今はただ、ひたすらに。希望を信じて耐えている。
ピンクのベビードールは透けていて、どこも隠せない。

唇を噛み締めて、その時を待つ。






ドゴォォォォォォォ！！！！！！！！！！！！！！！




「なっ！？」

「なにっ！！」



その時が、きた。




「よぉ。お前ら、ぶっ潰しに来たぜ！この勇者様がなぁあ！！！！！！！！！！！」





相変わらず、柄、わっる。



だが、彼は確かに勇者だ。




▷勇者グラディウスが現れた。