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はじめ

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呪い蔓延

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「あんな顔して、平民並の魔法しか使えないんでしょ」
「平民クラスに行けよ」
「貴族の面汚しが!あの顔に騙されたよな」

 今日も今日とて、陰口がとまらない。王子が居る所以外では未だにずっと陰口を叩かれているのである。

(今は先生や、みんなが居るから少し心に余裕ができたみたい、前よりは耐性がついたかも)

 陰口を叩かれても気にせずに、涼しい顔で廊下を歩いて教室へと向かう。しかし、アデレイドは気付いてない、陰口を叩いている人の中にはアデレイドが可愛いが故に、よからぬ事を考えている人が大勢いる。本当に身を守らないと実は危ないのである。

「おはよう!」

 返事が返ってこなくてもやっぱり挨拶はしたほうがいいと思い、いつものように笑顔で挨拶しながら教室に入る。

(ふぅ、今日も誰からも返事がないね、でもディラン達が来たらちゃんと挨拶してくれるんだから別に良いもんね)

 少しばかりの強がりを発動させる。一人でぼーっとしていると、後ろの方で何やら怪しい会話をしているのが聞こえてくる。

「そー言えば聞いた?最近、この学園で、呪いで体に火傷の跡が浮かび上がるらしいの、酷くなると全身動けないほどの痛みと熱にうなされるらしいわ……私たちも火傷の跡ができたらどーしよう怖くない?」

「えーこわーーい、何の呪いなんだろう……学校は何も対処してくれないのかしら」

(何ですと?呪い?そんなものが蔓延していると?……私の力で何とかなりそうだけど、、まぁまだそんなに広まってないみたいだし、学園の先生達が解決するでしょう。)

 呑気に思っていたアデレイド。その数週間後、学年関係なくほぼ全員の顔や体に火傷の跡がくっきり浮かぶようになっていた。何故か、アデレイド、ディラン、マーク、ローズ、王子はその対象外らしい、しかも、平民のCクラスも被害がなかった。むしろ貴族に現れる呪いのようで学園は対処に苦労していた。

「やっぱりあの子は平民なんじゃなくて?可愛い顔のままよ憎たらしい」
「何で僕たち高貴な血がこんな目に遭うんだ平民の呪いか?」
「平民を殺したらこの呪いなくなるんじゃないか?」

 物騒な事を言う人達も増えた。

「ねぇ、これ何の呪いだろうね、私達はまだ呪われてないけど、いつ呪われるかわからないよね?」

「アデルの言う通り、僕達もいつ呪いにかかるかわからないんだよ、しかも呪われてない事で逆に目立ってしまってるしね……」

「俺達に殺気向けられたりするから、どうして良いかわかんねぇよ……」

「そうですわね、何故か私達わたくしたちは無事ですもんね、私も嫌味を言われるのは耐え難いですわ」

 良い解決策が見つからず悩む私達

「ねぇみんな、実は僕、少し図書館で調べてみたんだけど、呪いって解いたらその人に返っていくらしいんだよね、だからこれが解決した時にはその術者は酷い目に遭って最悪死ぬかもしれない……この問題は難しい問題だよ」

「でもだからってその術者を野放しにするのもダメなんじゃないか?早く皆んなを元に戻さないと俺らもだけど、平民クラスが危なそうだぜ?」

 確かにそうだ……呪いのせいで殺気だっている人が多くて身の危険を感じる事も多い、私が浄化したら早いんだけど……呪った人が死ぬのは怖い……どーしたら良いのかわからない。

「呪いをかけた人が呪いを解けば、その犯人は死ななくて良いのではなくて?なら私達わたくしたちで犯人を探してみるのはどうかしら?」

「それは良いね!まだ呪いにかかってない全学年のCクラスとAとBクラスにも何人か呪いにかかってない人が居るからその中の誰かだと思うんだ、見つけて辞めさせよう」

「犯人探すのはいいが、人数が多すぎないか?見つけられるかな?」

 犯人探しを決めたが、手掛かりが少なすぎる。私は自分の魔法を使うか迷っていた。光と呪いは対極だから、逆サーチを掛けてみたら分かるんではないかと思っている。呪われている人から出ている私怨を辿っていけば必ず犯人に辿り着くはず。
 ただ、それができる事をバレてはいけない……どうしたものか…………

 考えていると、ディランが耳打ちしてくる。

「呪いは天使様だったら分かったりしない?」

 確かに!!天使様を盾にすれば魔法使っても良いのでは!?ただ、ローズとマークにはどう説明したら良いか分からずディランに聞いてみる。

「でも、ローズとマークは天使様を知らないから……どーしたら良いか……」

「そんなの簡単だよ、ローズと、マークにも天使様を紹介しよう」

(どうしよう、天使様のフリしてバレたら家族と先生に怒られるよ…………けど、解決するにはこれしか無いよね……)

「分かった……天使様をみんなの前で呼ぶね、天使様と相談するから明日まで待ってほしいかも」

「そうだよね、そう簡単には天使様には会えないよね、明日楽しみにしてるね」

 天使様降臨まで後一日。
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