実話怪談 死相他

文字の大きさ
28 / 30

リゾートの腐乱死体

しおりを挟む
 Sさんは学生時代よく海の家リゾートのバイトをしていたそうです。給料がバカ高いわけではないですが、住み込みで衣食住があり、なにより休日はがっつりマリンリゾートが楽しめるので、毎年バイトをしていたそうです。

 その年は神奈川の湘南で働いていたそうです。休日にがっつりサーフィンを楽しみ夜のビーチを歩いていた時でした。

 さすがに海へ出てる人こそ少なかったですが、散歩をしているカップルなんかはぼちぼちといて、その人影を見たときもそれほど気に留めてはいなかったといいます。

 ただなんか足を引きずっているなと思ったそうです。このままだとすれ違うなと思ったところで最初の異変に気が付きました。それは異様な腐敗臭でした。

 腐った肉の臭いをもろに嗅いでしまった様な臭いで、嗅いだ瞬間吐き気を覚えたそうです。

 臭いの元はなんだと辺りを伺っていると、その人影がズリ……ズリ……と近づいてきます。

 それは弱い月明かりに照らされて浮かび上がった腐乱死体の男でした。全身の肉がぐしゃぐしゃに腐っており、顔は原型をとどめていなかったと言います。

 ひっと思わず声が出ます。腐乱死体の男(だと思う)は前を見据えたまま、ズリ……ズリ……と歩くだけでこちらに関心があるようには見えなかったそうです。

 目が合ったような気がしないでもなかったですが、虚ろな眼窩に自分は映っていないようでした。

 すっと横によけてすれ違ったそうです。そういえばサーフィン仲間から時々浜で出るという噂を聞いたことがありました。

 出るというだけで、何が出るのかは皆口を噤んでいましたが、その理由がわかった気がするとSさんは言っていました。

 とにかく臭いが……説明するときに思い出して辛いんです。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

逢魔が刻

詩月 七夜
ホラー
これは「本当にあった怖い話」 ※他にも短編を投稿しておりますので、投稿作品一覧よりご一読ください。ただし、読んでしまった後に何が起ころうとも、作者は一切保証しません

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

霊和怪異譚 野花と野薔薇[改稿前]

野花マリオ
ホラー
その“語り”が始まったとき、世界に異変が芽吹く。 静かな町、ふとした日常、どこにでもあるはずの風景に咲きはじめる、奇妙な花々――。 『霊和怪異譚 野花と野薔薇』は、不思議な力を持つ語り部・八木楓と鐘技友紀以下彼女達が語る怪異を描く、短編連作形式の怪異譚シリーズ。 一話ごとに異なる舞台、異なる登場人物、異なる恐怖。それでも、語りが始まるたび、必ず“何か”が咲く――。 語られる怪談はただの物語ではない。 それを「聞いた者」に忍び寄る異変、染みわたる不安。 やがて読者自身の身にも、“あの花”が咲くかもしれない。 日常にひっそりと紛れ込む、静かで妖しいホラー。 あなたも一席、語りを聞いてみませんか? 完結いたしました。 タイトル変更しました。 旧 彼女の怪異談は不思議な野花を咲かせる ※この物語はフィクションです。実在する人物、企業、団体、名称などは一切関係ありません。 本作は改稿前/改稿後の複数バージョンが存在します 掲載媒体ごとに内容が異なる場合があります。 改稿後小説作品はカイタとネオページで見られます

洒落にならない怖い話【短編集】

鍵谷端哉
ホラー
その「ゾワッ」は、あなたのすぐ隣にある。 意味が分かると凍りつく話から、理不尽に追い詰められる怪異まで。 隙間時間に読める短編ながら、読後の静寂が怖くなる。 洒落にならない実話風・創作ホラー短編集。

処理中です...