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熟達の猛者(美咲SIDE)
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「あ……ぁ」
もう、毎日のように聞き慣れてしまった、ベッドのきしみ音。
私は今うつ伏せに寝そべった状態で、背後から冴子の操る偽竿に貫かれている。
裸の身体にはワインカラーのサテンローブを羽織っているものの、紐はほどけて肩も露出し、乱れた状態でただ身体に引っかかっているだけという感じだ。
膝丈のローブの裾は、冴子の手によってお尻が丸出しになるようにめくり上げられている。
そして私は両腕を首の下で組み、枕に顔を埋めて冴子の執拗な攻めに堪えていた。
「ん、んく……ふぁ…」
冴子の腰の動きに合わせて、ベッドがギシギシという微かな音を立てるのは、今に始まった事ではない。ある時ふいにその音がするようになったと気付いて、それからもう半年ぐらいは経ったと思う。
別にいつも全く同じ位置で交わっているという事ではないにせよ、だからと言ってわざわざベッドの端っこで交わる事もしないから、結果的に毎回のようにそのきしみ音を聞いてしまう事になるのだ。
一般的には、音がするほどきしむようになったマットレスは買い替え時だと言われている。
でも普通に寝返りを打つだけなら、きしみ音はしない。
…あくまでもきしむのはこういう時だけなのだけれど、それがほとんど毎日ともなればそりゃ、マットレスも徐々にへたるというものだ。
この所は特に、やたらと激しい動きを続けるという訳でもなく、言ってしまえば地味と言うか、悪く言えば省エネ的に、裏を返せば一切無駄のない、そういう調子で冴子の攻めが凝縮というか、洗練されていると言うか、表現は難しいのだけれど、体力消耗をほとんど伴う事なく私は冴子の攻めであっという間に絶頂に到達するようになった。
冴子に言わせれば私の身体が感度を増しているのだという事だが、私はそれだけが理由だとは思っていない。
明らかに冴子のテクニックが熟達の域に達していて、私以上に私の身体の、特に内側については知り尽くしているといった風情で、まるで歯磨きでもするように淡々と私の身体に触れてくるけれど、それはいちいち、順序も含めて最速で私を絶頂まで導いていく。
今もそうだ。こうして寝たまま攻められる状況になる前に、私は既に二度深いエクスタシーを味わっている。
一度目はとろけるようなキスを受け止めながら冴子の指によって、そして二度目は偽竿を装着した冴子の上にまたがった状態で。
いずれも行為そのものは穏やかと言って良い程度の内容であるにも関わらず、私はその二回とも、ひどくはしたない嬌声をあげて達してしまった。
それに私が二度ほど絶頂する事で身体の緊張は完全に取れて、その次にはもう一段階深いエクスタシーへと続く官能のスイッチが開放されるという事を、冴子は心得ているようだ。
そして今は、私の視点では体力消耗の最も少ない体位である所の寝バックに移行して、物理的には閉じた膣肉に偽竿の摩擦を強く感じている。
ここまでの絶頂によって太腿の間にまで垂れた愛蜜に塗れた偽竿が、秘部を出入りする感触も艶めかしい。
ギシギシというベッドのきしみ音よりも、むしろ偽竿と愛蜜が絡む水音の方がうるさいぐらいだ。
そして枕に顔を埋めているとは言え、私の嬌声も決しておとなしいものではない。
もう十分感じて、満たされているというのにどうしてこうも媚びるような声がこぼれてしまうのだろうか。
「あ、……あっ、あんっ…」
一定のリズムを刻むような冴子の動きに対して、何故だか時折強烈な官能を覚える瞬間があり、その時には思わず背中が反ってしまう。
そうすると自然と口を塞ぐ枕が外れて、艶めかしい喘ぎはクリアに寝室に響いて冴子の耳にも、私の耳にも明確に届いてしまうのだ。
「…冴子、それ……いいよ…あ、あぁっ」
「お姉さま、凄い…溢れてきて…」
周期通りであれば、あと2日ほどで生理が始まるからだろうか。私自身今日は一段と貪欲になっている気がする。
「あ……っ、また…イキそう……」
「…もうですか……今日はイキまくり、ですね」
「今日も」と言うべき所を冴子は忖度して言い換えているのだろう。
私はあえて偽竿の動きを緩めて焦らされても構わないと思ったが、今夜冴子はそうはしないようだ。
同じペースで偽竿を操り、更にそこからは時折一層奥を穿つような動きも加え始める。
「あふ…っ、あぁ……」
「……」
自分の嬌声に耳が慣れてくると、むしろベッドのきしみ音は自分の耳にはよく聞こえるようになる。
でもそこに意識を集中すると、今している事が偽竿を用いたセックスなのだという事をむしろ客観的に認識する感じになって、かえって羞恥心を刺激されるばかりになるのだ。
…その事をわかっていながら何故そういう意識の転換を繰り返してしまうのか、自分でも不可解だ。
シーツを汚すのが嫌で、身体の下には薄手のバスタオルを敷いてあるものの、この小刻みな動きの繰り返しで徐々にずれて来ているような気もするし、今日は殊更愛蜜がだらだらと溢れてきている感じがするので、この薄手のタオル一枚でそれを受け止め切れるかどうかもだんだん心配になってくる。実際の所は案外大丈夫なものだけれど。
そうして一瞬冷静になった直後にいきなりそれは襲って来た。
「あぁっ……、っちゃうっ」
全身の感覚としては何もかも明け渡すようなものだと言うのに、膣肉だけは偽竿にすがるように収縮していき、冴子の身体を逃がすまいとするかのようだ。
「…お姉さま」
冴子の身体が私に覆いかぶさり、背中には冴子の豊な胸が押しつぶされるように密着する感触を覚えた。
偽竿はまだ抜かれていない。角度を変えたその先端がちょうど、私の最も感じる膣の前側に接触した。
「…それダメ……」
私の「ダメ」は冴子には必ずと言っていいほど無視される。いいと言っているようなものだと解釈されているのだろう。
冴子は私との身体の密着感を大事にするような動きで、わざとなのかぎこちなく腰を動かし私の感じる場所に偽竿の先端をコリコリと擦り当てて来た。
それ以上強く擦ったならば刺激が強くなり過ぎるという場所に、できる限り長く純粋な官能だけ拾えるようにと私を気遣っているようでもある。
「……んは、ぁ…っ」
上半身に感じる、主に冴子の体重による圧迫感で身動きが取れない。一方脚は比較的に自由に動かせるが、脚を軽くでも開けば膣肉も開くので、冴子の偽竿をより深くに導いてしまう事になる。
しかし意識に反して私は軽く脚を開き、可能な範囲で膝を曲げて腰とお尻を冴子の偽竿の動きに合わせて前後に揺らしていた。
「押さえつけられてるのに、自分で腰動かしてますよ…お姉さま」
冴子の声が耳のすぐ後ろから聞こえる。
ふと目を開ければ、冴子の長居黒髪が枕に落ちて私の顔の両脇に垂れて揺れていた。
私は無意識のうちにその匂いを買いで、冴子の存在を間近に感じ安堵感と高揚を覚える。
「……んん」
冴子の言葉を無視して私は腰を前後に動かし続けた。
それでも可動範囲はごくわずかなので刺激そのものに大した変化はない。
「…今日はもっと大きなモノでも良かったかもしれませんね」
「……っ、あ…ん」
冴子の手が、浮かせた瞬間の腰の下に潜り込んできて、私の秘部を前側から弄ぶ。
二か所同時の攻めに私の身体は痙攣し、程なく全身が脱力した。
そうすると冴子の手が私の身体とマットレスの間に挟まれるような状態になり、かえって前側の刺激が強くなる。
「…お姉さま、こっちまでヌルヌル」
「……」
わずかに残した状態で整えたアンダーヘアは愛蜜でしっとりと濡れ、それだけでは抱えきれず恥丘の方にまでぬめりが広がっているようだった。
「でも、シャワー浴びてもまたすぐヌルヌルになっちゃうんですよね、ここ…」
「…言わないで……」
「昼間軽くキスしただけでも、下着汚しちゃってましたし」
「……」
冴子の言う通りで、今やパンティライナーなしにはショーツを一日履いていられないぐらい、すぐ濡らすようになってしまった。
今朝は冴子に「ライナーを着けずにショーツを履いていて欲しい」と言われてそれに従ったのだが、何でもない時にも下着を汚してしまっていないか心配で、かえってそこの事ばかり考えていた。
そのような状態で休憩時間中に冴子に迫られ仕方なくキスだけと応じたのだが、事後にショーツの違和感を覚え、落ち着かないでいると冴子にスカートをまくり上げられショーツの染みを見咎められてしまったのだ。
念の為にと思って替えを持参しておいて良かったと心から安堵したものだ。
会話の間は動いていなかった偽竿が、またコリコリとGスポットを掻くように動き始める。
挿入されたままだったとは言え、一旦落ち着いた身体に再び官能の火が点くとそれはより速く身体中に燃え広がっていった。
「…あぁぁっ、あぁ…っ、あはぁ……ん」
小さな、さざ波のような絶頂が何度も押し寄せてきて、もう申告する暇すら与えてもらえない。
それが苦しいはずなのに、身体の内側はうねるように冴子から与えられる愉悦をもっともっとと欲しているようだった。
「凄い…お姉さま…いっぱいイッちゃってる…」
「冴子が……っぁぁ…あんっ、あっ」
「何度でもイって……お姉さま…っ」
言葉攻めする冴子としては極力冷淡な態度を保とうとしているはずなのだが、それでも言葉の合間に艶めかしい吐息が漏れてきて、それがまた私の中の悦びを一層高める事となる。
私はこくこくと頷く事しかできず、一気に高みへと駆け上がっていきながらも、変わらぬペースで同じ場所を刺激され続けている状況では絶頂してもなお、再びある程度の高みへと引き戻されていくような感覚に囚われ、思考が消し飛びそうになった。
まるで自分がただ官能に浸りひたすら絶頂させられるだけの無機物にでもなったような心境で。
でも今この瞬間だけは、本当にそうなれたらどれだけ幸せだろうと夢想してもいる。
「冴子……」
私は片手を伸ばし冴子の手を握ろうとした。
私の下腹部の下敷きになっていた冴子の手が抜き取られ、そのまま指を絡めるようにしながら私の手の甲に重ねられる。
指にはねっとりとした愛蜜が絡みついていて、わざとそれを私の指にまとわりつかせているような気もしたが、冴子の指はそれ以上いやらしく蠢く訳でもなく私の手に重ねられている。
手を触れ合わせられた事に安心したら、それによって更に身体が開いたようで膣内の感度も上がっていくようだった。
ずっと同じようなペースでコリコリと刺激され続けているGスポットは、絶え間なく神経を通じて私の脳内に官能という名の信号を送り続けている。
私はもう、この状況に抵抗しようとは思わない。
冴子に任せていればどこまででも行ける--そう信じてただ身体を明け渡すだけで良いのだ。
それだけで、私は真っ白に自分の存在が消えるような、エクスタシーを何度でも味わう事ができるのをわかっているから。
「あ…っ、あぁ…冴子……」
「……お姉さま、凄く…いやらしい、イく度に綺麗になっていくみたいで」
「何……言ってるの」
「本当ですよ?……だからもっとイかせたくなる」
「……」
「こっち、向いて……」
手は握ったまま一度身体が離れて、私は仰向けに寝かされる。
その時、もはや身体に引っかかっているだけになっていたサテンローブは冴子の手によって剥ぎ取られた。
全裸になり改めて冴子の身体と密着すると、冴子の汗と自分の汗が混じり合うような、何とも言えない感覚が、一瞬の違和感の後に強烈な一体感をもたらす。
「いきますよ…」
そうは言っても、よく知った動きが始まるだけなのにと頭では考えている。
しかしその、わかりきった動きに対して私は抵抗する術もなく毎回酷いぐらいに感じてしまうのだ。
「……」
もうすっかりその形になじんだ膣内に、再び偽竿が挿入されていく。
そうしながら冴子が身体を屈めて私の胸先と自分の乳首を触れ合わせるような態勢になった。
この、膣内を激しく穿たれる感覚と、かすめるような乳首同士の愛撫の繊細さに、いつも私はおかしなぐらいに感じてしまう。
冴子は惜しみなく、その愉悦を届けようとしているのだ。
「…冴子…っ」
こうなるともう、私はただ喘ぐか冴子の名前を呼ぶばかりになってしまう。他の言葉は忘れてしまったかのように。
知らず両脚が冴子の腰に絡みつき、冴子の動きに応じて自分も腰を揺らしていく。
手は冴子の首筋と背中に回して、しがみつくでもなく撫でるでもなく、緩慢な同さで冴子の身体を愛撫し続けた。
冴子にはハードな運動習慣などないはずなのに、どこにそんな体力があるのかと思わせるほどしつこいセックスができる。
それが若狭故のものなのか、それとも年齢を重ねても変わらない素質なのか、まだ私にはわからない。
「…お姉さまこっちの体位の方が、いやらしい動きしますよね」
「……」
冷静になればその通りで、冴子と向かい合っている今の体位の方が、積極的にはしたない恰好で冴子を受け入れている。
…でも、ここまでの間に散々、絶頂させられている状態ではそれがどの程度卑猥なものなのかもわからなくなっていた。
「……」
「…すみません、犯りますよ」
私はきっと、冴子を恨めしく見つめてしまったのだろう。いいからもっと、出し惜しみせずよこせと言いたげに。
冴子はそれを察して謝ったのだ。
「……はぁ、あんっ」
先ほどまでとは違い開き切った身体の奥深くまで、勢い良く偽竿が出し入れされていく。
錯覚とはわかりながらも胃の辺りにまで貫くような刺激が伝わってきて、私はそれまでとは別の新たな官能の海に投げ出されたような気分になった。
…それに、冴子が腰を打ち付ける度に大きな胸が揺れて、その先端が私の同じ場所にちょこんと触れて来るのが何とも言えず愛おしい。
そう思うのは、奉仕に終始しているはずの冴子の乳首が軽く勃起しているのがわかるから…なのかもしれない。
「冴子…冴子……」
全身で冴子を感じているはずなのに、深い絶頂の予感が訪れると、どこか怖くなるのは何故なんだろう。
何も言葉にせずとも、冴子は私の求めているものを察して施してくれる。それは今は深い深いキスだ。
「……」
キスと同時に冴子の胸の双丘が私の胸と重なり、軽く潰れるように押し当てられる。
その時、唇で感じる以上に自分が女性と交わっているのだと強く実感した。
それと同時に冴子の腰は大きくうねるように動いて私の膣内を掻き回す。
刺激に翻弄され、重ねた唇の隙間から、思わず吐息と嬌声が漏れた。
「んは、はぁ…ん…っ」
自分でも呆れるぐらいに涎と愛蜜をだらだらと垂らしながら、今夜何度目かの絶頂を迎え、私は眠りに落ちていく。
冴子…また自分ばかりでゴメン、と心の中では謝罪するけど、もう言葉を発するエネルギーも残ってはいなかった。
私が確認できる範囲では、今夜冴子はまだ一度も絶頂していない。
だから冴子は私が眠った後、こっそり自慰してから眠るかもしれない。その事が一番申し訳なく思うのだけれど。
…だから、と言う訳ではないが、私は冴子を「放し飼い」する事にもう慣れ始めている。
一切嫉妬しないのかと言われればそうではないと思うけど、冴子がここまでのテクニックを習得し、更にはタフネスの面でも成長している中では、冴子の相手を複数人で務める事はむしろ自然体のようにも思い始めている。
おそらくそれはかなり異常な思考なのだが。
明日は…目覚めたらすぐに、例え短時間でも冴子に奉仕しよう。冴子が眠ったままでも構わないから。
もう、毎日のように聞き慣れてしまった、ベッドのきしみ音。
私は今うつ伏せに寝そべった状態で、背後から冴子の操る偽竿に貫かれている。
裸の身体にはワインカラーのサテンローブを羽織っているものの、紐はほどけて肩も露出し、乱れた状態でただ身体に引っかかっているだけという感じだ。
膝丈のローブの裾は、冴子の手によってお尻が丸出しになるようにめくり上げられている。
そして私は両腕を首の下で組み、枕に顔を埋めて冴子の執拗な攻めに堪えていた。
「ん、んく……ふぁ…」
冴子の腰の動きに合わせて、ベッドがギシギシという微かな音を立てるのは、今に始まった事ではない。ある時ふいにその音がするようになったと気付いて、それからもう半年ぐらいは経ったと思う。
別にいつも全く同じ位置で交わっているという事ではないにせよ、だからと言ってわざわざベッドの端っこで交わる事もしないから、結果的に毎回のようにそのきしみ音を聞いてしまう事になるのだ。
一般的には、音がするほどきしむようになったマットレスは買い替え時だと言われている。
でも普通に寝返りを打つだけなら、きしみ音はしない。
…あくまでもきしむのはこういう時だけなのだけれど、それがほとんど毎日ともなればそりゃ、マットレスも徐々にへたるというものだ。
この所は特に、やたらと激しい動きを続けるという訳でもなく、言ってしまえば地味と言うか、悪く言えば省エネ的に、裏を返せば一切無駄のない、そういう調子で冴子の攻めが凝縮というか、洗練されていると言うか、表現は難しいのだけれど、体力消耗をほとんど伴う事なく私は冴子の攻めであっという間に絶頂に到達するようになった。
冴子に言わせれば私の身体が感度を増しているのだという事だが、私はそれだけが理由だとは思っていない。
明らかに冴子のテクニックが熟達の域に達していて、私以上に私の身体の、特に内側については知り尽くしているといった風情で、まるで歯磨きでもするように淡々と私の身体に触れてくるけれど、それはいちいち、順序も含めて最速で私を絶頂まで導いていく。
今もそうだ。こうして寝たまま攻められる状況になる前に、私は既に二度深いエクスタシーを味わっている。
一度目はとろけるようなキスを受け止めながら冴子の指によって、そして二度目は偽竿を装着した冴子の上にまたがった状態で。
いずれも行為そのものは穏やかと言って良い程度の内容であるにも関わらず、私はその二回とも、ひどくはしたない嬌声をあげて達してしまった。
それに私が二度ほど絶頂する事で身体の緊張は完全に取れて、その次にはもう一段階深いエクスタシーへと続く官能のスイッチが開放されるという事を、冴子は心得ているようだ。
そして今は、私の視点では体力消耗の最も少ない体位である所の寝バックに移行して、物理的には閉じた膣肉に偽竿の摩擦を強く感じている。
ここまでの絶頂によって太腿の間にまで垂れた愛蜜に塗れた偽竿が、秘部を出入りする感触も艶めかしい。
ギシギシというベッドのきしみ音よりも、むしろ偽竿と愛蜜が絡む水音の方がうるさいぐらいだ。
そして枕に顔を埋めているとは言え、私の嬌声も決しておとなしいものではない。
もう十分感じて、満たされているというのにどうしてこうも媚びるような声がこぼれてしまうのだろうか。
「あ、……あっ、あんっ…」
一定のリズムを刻むような冴子の動きに対して、何故だか時折強烈な官能を覚える瞬間があり、その時には思わず背中が反ってしまう。
そうすると自然と口を塞ぐ枕が外れて、艶めかしい喘ぎはクリアに寝室に響いて冴子の耳にも、私の耳にも明確に届いてしまうのだ。
「…冴子、それ……いいよ…あ、あぁっ」
「お姉さま、凄い…溢れてきて…」
周期通りであれば、あと2日ほどで生理が始まるからだろうか。私自身今日は一段と貪欲になっている気がする。
「あ……っ、また…イキそう……」
「…もうですか……今日はイキまくり、ですね」
「今日も」と言うべき所を冴子は忖度して言い換えているのだろう。
私はあえて偽竿の動きを緩めて焦らされても構わないと思ったが、今夜冴子はそうはしないようだ。
同じペースで偽竿を操り、更にそこからは時折一層奥を穿つような動きも加え始める。
「あふ…っ、あぁ……」
「……」
自分の嬌声に耳が慣れてくると、むしろベッドのきしみ音は自分の耳にはよく聞こえるようになる。
でもそこに意識を集中すると、今している事が偽竿を用いたセックスなのだという事をむしろ客観的に認識する感じになって、かえって羞恥心を刺激されるばかりになるのだ。
…その事をわかっていながら何故そういう意識の転換を繰り返してしまうのか、自分でも不可解だ。
シーツを汚すのが嫌で、身体の下には薄手のバスタオルを敷いてあるものの、この小刻みな動きの繰り返しで徐々にずれて来ているような気もするし、今日は殊更愛蜜がだらだらと溢れてきている感じがするので、この薄手のタオル一枚でそれを受け止め切れるかどうかもだんだん心配になってくる。実際の所は案外大丈夫なものだけれど。
そうして一瞬冷静になった直後にいきなりそれは襲って来た。
「あぁっ……、っちゃうっ」
全身の感覚としては何もかも明け渡すようなものだと言うのに、膣肉だけは偽竿にすがるように収縮していき、冴子の身体を逃がすまいとするかのようだ。
「…お姉さま」
冴子の身体が私に覆いかぶさり、背中には冴子の豊な胸が押しつぶされるように密着する感触を覚えた。
偽竿はまだ抜かれていない。角度を変えたその先端がちょうど、私の最も感じる膣の前側に接触した。
「…それダメ……」
私の「ダメ」は冴子には必ずと言っていいほど無視される。いいと言っているようなものだと解釈されているのだろう。
冴子は私との身体の密着感を大事にするような動きで、わざとなのかぎこちなく腰を動かし私の感じる場所に偽竿の先端をコリコリと擦り当てて来た。
それ以上強く擦ったならば刺激が強くなり過ぎるという場所に、できる限り長く純粋な官能だけ拾えるようにと私を気遣っているようでもある。
「……んは、ぁ…っ」
上半身に感じる、主に冴子の体重による圧迫感で身動きが取れない。一方脚は比較的に自由に動かせるが、脚を軽くでも開けば膣肉も開くので、冴子の偽竿をより深くに導いてしまう事になる。
しかし意識に反して私は軽く脚を開き、可能な範囲で膝を曲げて腰とお尻を冴子の偽竿の動きに合わせて前後に揺らしていた。
「押さえつけられてるのに、自分で腰動かしてますよ…お姉さま」
冴子の声が耳のすぐ後ろから聞こえる。
ふと目を開ければ、冴子の長居黒髪が枕に落ちて私の顔の両脇に垂れて揺れていた。
私は無意識のうちにその匂いを買いで、冴子の存在を間近に感じ安堵感と高揚を覚える。
「……んん」
冴子の言葉を無視して私は腰を前後に動かし続けた。
それでも可動範囲はごくわずかなので刺激そのものに大した変化はない。
「…今日はもっと大きなモノでも良かったかもしれませんね」
「……っ、あ…ん」
冴子の手が、浮かせた瞬間の腰の下に潜り込んできて、私の秘部を前側から弄ぶ。
二か所同時の攻めに私の身体は痙攣し、程なく全身が脱力した。
そうすると冴子の手が私の身体とマットレスの間に挟まれるような状態になり、かえって前側の刺激が強くなる。
「…お姉さま、こっちまでヌルヌル」
「……」
わずかに残した状態で整えたアンダーヘアは愛蜜でしっとりと濡れ、それだけでは抱えきれず恥丘の方にまでぬめりが広がっているようだった。
「でも、シャワー浴びてもまたすぐヌルヌルになっちゃうんですよね、ここ…」
「…言わないで……」
「昼間軽くキスしただけでも、下着汚しちゃってましたし」
「……」
冴子の言う通りで、今やパンティライナーなしにはショーツを一日履いていられないぐらい、すぐ濡らすようになってしまった。
今朝は冴子に「ライナーを着けずにショーツを履いていて欲しい」と言われてそれに従ったのだが、何でもない時にも下着を汚してしまっていないか心配で、かえってそこの事ばかり考えていた。
そのような状態で休憩時間中に冴子に迫られ仕方なくキスだけと応じたのだが、事後にショーツの違和感を覚え、落ち着かないでいると冴子にスカートをまくり上げられショーツの染みを見咎められてしまったのだ。
念の為にと思って替えを持参しておいて良かったと心から安堵したものだ。
会話の間は動いていなかった偽竿が、またコリコリとGスポットを掻くように動き始める。
挿入されたままだったとは言え、一旦落ち着いた身体に再び官能の火が点くとそれはより速く身体中に燃え広がっていった。
「…あぁぁっ、あぁ…っ、あはぁ……ん」
小さな、さざ波のような絶頂が何度も押し寄せてきて、もう申告する暇すら与えてもらえない。
それが苦しいはずなのに、身体の内側はうねるように冴子から与えられる愉悦をもっともっとと欲しているようだった。
「凄い…お姉さま…いっぱいイッちゃってる…」
「冴子が……っぁぁ…あんっ、あっ」
「何度でもイって……お姉さま…っ」
言葉攻めする冴子としては極力冷淡な態度を保とうとしているはずなのだが、それでも言葉の合間に艶めかしい吐息が漏れてきて、それがまた私の中の悦びを一層高める事となる。
私はこくこくと頷く事しかできず、一気に高みへと駆け上がっていきながらも、変わらぬペースで同じ場所を刺激され続けている状況では絶頂してもなお、再びある程度の高みへと引き戻されていくような感覚に囚われ、思考が消し飛びそうになった。
まるで自分がただ官能に浸りひたすら絶頂させられるだけの無機物にでもなったような心境で。
でも今この瞬間だけは、本当にそうなれたらどれだけ幸せだろうと夢想してもいる。
「冴子……」
私は片手を伸ばし冴子の手を握ろうとした。
私の下腹部の下敷きになっていた冴子の手が抜き取られ、そのまま指を絡めるようにしながら私の手の甲に重ねられる。
指にはねっとりとした愛蜜が絡みついていて、わざとそれを私の指にまとわりつかせているような気もしたが、冴子の指はそれ以上いやらしく蠢く訳でもなく私の手に重ねられている。
手を触れ合わせられた事に安心したら、それによって更に身体が開いたようで膣内の感度も上がっていくようだった。
ずっと同じようなペースでコリコリと刺激され続けているGスポットは、絶え間なく神経を通じて私の脳内に官能という名の信号を送り続けている。
私はもう、この状況に抵抗しようとは思わない。
冴子に任せていればどこまででも行ける--そう信じてただ身体を明け渡すだけで良いのだ。
それだけで、私は真っ白に自分の存在が消えるような、エクスタシーを何度でも味わう事ができるのをわかっているから。
「あ…っ、あぁ…冴子……」
「……お姉さま、凄く…いやらしい、イく度に綺麗になっていくみたいで」
「何……言ってるの」
「本当ですよ?……だからもっとイかせたくなる」
「……」
「こっち、向いて……」
手は握ったまま一度身体が離れて、私は仰向けに寝かされる。
その時、もはや身体に引っかかっているだけになっていたサテンローブは冴子の手によって剥ぎ取られた。
全裸になり改めて冴子の身体と密着すると、冴子の汗と自分の汗が混じり合うような、何とも言えない感覚が、一瞬の違和感の後に強烈な一体感をもたらす。
「いきますよ…」
そうは言っても、よく知った動きが始まるだけなのにと頭では考えている。
しかしその、わかりきった動きに対して私は抵抗する術もなく毎回酷いぐらいに感じてしまうのだ。
「……」
もうすっかりその形になじんだ膣内に、再び偽竿が挿入されていく。
そうしながら冴子が身体を屈めて私の胸先と自分の乳首を触れ合わせるような態勢になった。
この、膣内を激しく穿たれる感覚と、かすめるような乳首同士の愛撫の繊細さに、いつも私はおかしなぐらいに感じてしまう。
冴子は惜しみなく、その愉悦を届けようとしているのだ。
「…冴子…っ」
こうなるともう、私はただ喘ぐか冴子の名前を呼ぶばかりになってしまう。他の言葉は忘れてしまったかのように。
知らず両脚が冴子の腰に絡みつき、冴子の動きに応じて自分も腰を揺らしていく。
手は冴子の首筋と背中に回して、しがみつくでもなく撫でるでもなく、緩慢な同さで冴子の身体を愛撫し続けた。
冴子にはハードな運動習慣などないはずなのに、どこにそんな体力があるのかと思わせるほどしつこいセックスができる。
それが若狭故のものなのか、それとも年齢を重ねても変わらない素質なのか、まだ私にはわからない。
「…お姉さまこっちの体位の方が、いやらしい動きしますよね」
「……」
冷静になればその通りで、冴子と向かい合っている今の体位の方が、積極的にはしたない恰好で冴子を受け入れている。
…でも、ここまでの間に散々、絶頂させられている状態ではそれがどの程度卑猥なものなのかもわからなくなっていた。
「……」
「…すみません、犯りますよ」
私はきっと、冴子を恨めしく見つめてしまったのだろう。いいからもっと、出し惜しみせずよこせと言いたげに。
冴子はそれを察して謝ったのだ。
「……はぁ、あんっ」
先ほどまでとは違い開き切った身体の奥深くまで、勢い良く偽竿が出し入れされていく。
錯覚とはわかりながらも胃の辺りにまで貫くような刺激が伝わってきて、私はそれまでとは別の新たな官能の海に投げ出されたような気分になった。
…それに、冴子が腰を打ち付ける度に大きな胸が揺れて、その先端が私の同じ場所にちょこんと触れて来るのが何とも言えず愛おしい。
そう思うのは、奉仕に終始しているはずの冴子の乳首が軽く勃起しているのがわかるから…なのかもしれない。
「冴子…冴子……」
全身で冴子を感じているはずなのに、深い絶頂の予感が訪れると、どこか怖くなるのは何故なんだろう。
何も言葉にせずとも、冴子は私の求めているものを察して施してくれる。それは今は深い深いキスだ。
「……」
キスと同時に冴子の胸の双丘が私の胸と重なり、軽く潰れるように押し当てられる。
その時、唇で感じる以上に自分が女性と交わっているのだと強く実感した。
それと同時に冴子の腰は大きくうねるように動いて私の膣内を掻き回す。
刺激に翻弄され、重ねた唇の隙間から、思わず吐息と嬌声が漏れた。
「んは、はぁ…ん…っ」
自分でも呆れるぐらいに涎と愛蜜をだらだらと垂らしながら、今夜何度目かの絶頂を迎え、私は眠りに落ちていく。
冴子…また自分ばかりでゴメン、と心の中では謝罪するけど、もう言葉を発するエネルギーも残ってはいなかった。
私が確認できる範囲では、今夜冴子はまだ一度も絶頂していない。
だから冴子は私が眠った後、こっそり自慰してから眠るかもしれない。その事が一番申し訳なく思うのだけれど。
…だから、と言う訳ではないが、私は冴子を「放し飼い」する事にもう慣れ始めている。
一切嫉妬しないのかと言われればそうではないと思うけど、冴子がここまでのテクニックを習得し、更にはタフネスの面でも成長している中では、冴子の相手を複数人で務める事はむしろ自然体のようにも思い始めている。
おそらくそれはかなり異常な思考なのだが。
明日は…目覚めたらすぐに、例え短時間でも冴子に奉仕しよう。冴子が眠ったままでも構わないから。
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https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/734700789
作者ツイッター: twitter/minori_sui
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