131 / 131
番外編
番外編⑤エリオ君との放課後
しおりを挟む
5月半ばの放課後、俺はチアの自主練の前に図書館に寄っていくことにした。
最近寮に帰ったらずっと自主練してるから、部屋にいるとどうしても練習でのミスとかが気になって課題をやる気にならないんだよね。
放課後の図書館は人がまばらで机も空いてるし、適度に人の気配がして課題に集中しやすいから結構好き。
「どこに座ろうかな~ってあれ?エリオ君?」
適当に席を探して歩いていたらよく目立つ水色が目に入り俺は近寄って声をかけた。
「えっ先輩!?どうしてここに……?」
「課題やってから帰ろっかなって、エリオ君も勉強?」
「僕は明日の予習を少し……あとは調べ物もあったので……」
流石優等生。やっぱり予習とかちゃんとやるタイプなんだ。俺は予習とかしたことないから本当に凄いと思う。
「へー!偉いね、流石!ねぇ隣座って良い?」
「へっ!?……どど、どうぞ」
何故かちょっと挙動不審だったけど、エリオ君から了承をもらえたので俺は椅子を引き隣に腰掛ける。
「……か、課題ってどんなのなんですか?」
「種族学のレポート!前のやつがS評価だったから今回も頑張ろっかなって」
「へぇ……先輩ってあんまり勉強してなさそうなのに意外ですね」
「もー!エリオ君俺の事なんだと思ってるの?」
エリオ君からのなかなかな評価に俺はジト目で反論する。確かにペア授業でよく見られてる魔法や実技はあんまり得意じゃないから、そう見えてても仕方ないけどさ。
「俺、種族学は得意だから教えてあげよっか?」
まあ、こういう時はいじけたりしないで、あえて歳上としての余裕を見せるのが先輩ってものだよね。そう思い直して俺はオシャレ用の伊達メガネをかけてエリオ君に笑いかける。
「えっ!?せ、先輩……め、眼鏡!?」
「この間のエリオ君の真似ー!なんちゃって。どう?これなら勉強できそうに見えるでしょ?」
俺の先輩らしい一面を見たからか、エリオ君は急にそわそわとし始めた。こういう時は畳み掛けるのが一番なので、俺は立ち上がってエリオ君の後ろに回り込む。そのまま覗き込むようにして彼の手の甲に手を重ねて先輩ムーブを続けた。
「ほら、教科書開いて!エリオ君わからない所とかない?」
「……っ、てて、手!?」
「ん、何?よく聞こえないんだけど……」
「……っ!?!?!?」
返事がよく聞こえなかったからちょっと顔を近づけただけなんだけど、何故かエリオ君は見てわかるほど真っ赤になって固まってしまった。
「あれ、もしかして体調悪い?保健室連れて行こっか?」
「えっ、いや、あの……その違っ……」
最近体育祭の練習とか多いし、一年生は慣れてないから体調を崩してるのかも。それなら無理して勉強するより早く休んだほうがいいよね。
「立てる?運んだりはできないけど、俺荷物持つから……あ!そうだほら、手出して?」
「はっ、はい?……って、え!?!?」
俺は差し出されたエリオ君の手をぎゅっと握って引っ張る。やっぱり手もすごく熱いし熱があるのかも。こうしている間にも繋がった手から伝わる体温はどんどん熱くなっていく。これはちゃんと保健室で診てもらわないとね。
エリオ君の荷物を持ちながら、俺は保健室までの少し長い道のりを駆け足で進んでいく。5月半ばの放課後の時間はこうして慌ただしく過ぎていった。
最近寮に帰ったらずっと自主練してるから、部屋にいるとどうしても練習でのミスとかが気になって課題をやる気にならないんだよね。
放課後の図書館は人がまばらで机も空いてるし、適度に人の気配がして課題に集中しやすいから結構好き。
「どこに座ろうかな~ってあれ?エリオ君?」
適当に席を探して歩いていたらよく目立つ水色が目に入り俺は近寄って声をかけた。
「えっ先輩!?どうしてここに……?」
「課題やってから帰ろっかなって、エリオ君も勉強?」
「僕は明日の予習を少し……あとは調べ物もあったので……」
流石優等生。やっぱり予習とかちゃんとやるタイプなんだ。俺は予習とかしたことないから本当に凄いと思う。
「へー!偉いね、流石!ねぇ隣座って良い?」
「へっ!?……どど、どうぞ」
何故かちょっと挙動不審だったけど、エリオ君から了承をもらえたので俺は椅子を引き隣に腰掛ける。
「……か、課題ってどんなのなんですか?」
「種族学のレポート!前のやつがS評価だったから今回も頑張ろっかなって」
「へぇ……先輩ってあんまり勉強してなさそうなのに意外ですね」
「もー!エリオ君俺の事なんだと思ってるの?」
エリオ君からのなかなかな評価に俺はジト目で反論する。確かにペア授業でよく見られてる魔法や実技はあんまり得意じゃないから、そう見えてても仕方ないけどさ。
「俺、種族学は得意だから教えてあげよっか?」
まあ、こういう時はいじけたりしないで、あえて歳上としての余裕を見せるのが先輩ってものだよね。そう思い直して俺はオシャレ用の伊達メガネをかけてエリオ君に笑いかける。
「えっ!?せ、先輩……め、眼鏡!?」
「この間のエリオ君の真似ー!なんちゃって。どう?これなら勉強できそうに見えるでしょ?」
俺の先輩らしい一面を見たからか、エリオ君は急にそわそわとし始めた。こういう時は畳み掛けるのが一番なので、俺は立ち上がってエリオ君の後ろに回り込む。そのまま覗き込むようにして彼の手の甲に手を重ねて先輩ムーブを続けた。
「ほら、教科書開いて!エリオ君わからない所とかない?」
「……っ、てて、手!?」
「ん、何?よく聞こえないんだけど……」
「……っ!?!?!?」
返事がよく聞こえなかったからちょっと顔を近づけただけなんだけど、何故かエリオ君は見てわかるほど真っ赤になって固まってしまった。
「あれ、もしかして体調悪い?保健室連れて行こっか?」
「えっ、いや、あの……その違っ……」
最近体育祭の練習とか多いし、一年生は慣れてないから体調を崩してるのかも。それなら無理して勉強するより早く休んだほうがいいよね。
「立てる?運んだりはできないけど、俺荷物持つから……あ!そうだほら、手出して?」
「はっ、はい?……って、え!?!?」
俺は差し出されたエリオ君の手をぎゅっと握って引っ張る。やっぱり手もすごく熱いし熱があるのかも。こうしている間にも繋がった手から伝わる体温はどんどん熱くなっていく。これはちゃんと保健室で診てもらわないとね。
エリオ君の荷物を持ちながら、俺は保健室までの少し長い道のりを駆け足で進んでいく。5月半ばの放課後の時間はこうして慌ただしく過ぎていった。
10
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
先輩たちの心の声に翻弄されています!
七瀬
BL
人と関わるのが少し苦手な高校1年生・綾瀬遙真(あやせとうま)。
ある日、食堂へ向かう人混みの中で先輩にぶつかった瞬間──彼は「触れた相手の心の声」が聞こえるようになった。
最初に声を拾ってしまったのは、対照的な二人の先輩。
乱暴そうな俺様ヤンキー・不破春樹(ふわはるき)と、爽やかで優しい王子様・橘司(たちばなつかさ)。
見せる顔と心の声の落差に戸惑う遙真。けれど、彼らはなぜか遙真に強い関心を示しはじめる。
****
三作目の投稿になります。三角関係の学園BLですが、なるべくみんなを幸せにして終わりますのでご安心ください。
ご感想・ご指摘など気軽にコメントいただけると嬉しいです‼️
転生したが壁になりたい。
むいあ
BL
俺、神崎瑠衣はごく普通の社会人だ。
ただ一つ違うことがあるとすれば、腐男子だということだ。
しかし、周りに腐男子と言うことがバレないように日々隠しながら暮らしている。
今日も一日会社に行こうとした時に横からきたトラックにはねられてしまった!
目が覚めるとそこは俺が好きなゲームの中で!?
俺は推し同士の絡みを眺めていたいのに、なぜか美形に迫られていて!?
「俺は壁になりたいのにーーーー!!!!」
俺の異世界先は激重魔導騎士の懐の中
油淋丼
BL
少女漫画のような人生を送っていたクラスメイトがある日突然命を落とした。
背景の一部のようなモブは、卒業式の前日に事故に遭った。
魔王候補の一人として無能力のまま召喚され、魔物達に混じりこっそりと元の世界に戻る方法を探す。
魔物の脅威である魔導騎士は、不思議と初対面のようには感じなかった。
少女漫画のようなヒーローが本当に好きだったのは、モブ君だった。
異世界に転生したヒーローは、前世も含めて長年片思いをして愛が激重に変化した。
今度こそ必ず捕らえて囲って愛す事を誓います。
激重愛魔導最強転生騎士×魔王候補無能力転移モブ
最可愛天使は儚げ美少年を演じる@勘違いってマジ??
雨霧れいん
BL
《 男子校の華 》と呼ばれるほどにかわいく、美しい少年"依織のぞ"は社会に出てから厳しさを知る。
いままでかわいいと言われていた特徴も社会に出れば女々しいだとか、非力だとか、色々な言葉で貶された。いつまでもかわいいだけの僕でいたい!いつしか依織はネットにのめり込んだ。男の主人公がイケメンに言い寄られるゲーム、通称BLゲーム。こんな世界に生まれたかった、と悲しみに暮れ眠りについたが朝起きたらそこは大好きなBLゲームのなかに!?
可愛い可愛い僕でいるために儚げ男子(笑)を演じていたら色々勘違いされて...!?!?
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。
春雨
BL
前世を思い出した俺。
外の世界を知りたい俺は過保護な親兄弟から自由を求めるために逃げまくるけど失敗しまくる話。
愛が重すぎて俺どうすればいい??
もう不良になっちゃおうか!
少しおばかな主人公とそれを溺愛する家族にお付き合い頂けたらと思います。
初投稿ですので矛盾や誤字脱字見逃している所があると思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。
※(ある日)が付いている話はサイドストーリーのようなもので作者がただ書いてみたかった話を書いていますので飛ばして頂いても大丈夫です。
※度々言い回しや誤字の修正などが入りますが内容に影響はないです。
もし内容に影響を及ぼす場合はその都度報告致します。
なるべく全ての感想に返信させていただいてます。
感想とてもとても嬉しいです、いつもありがとうございます!
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
初めての感想なの拙いところが多いと思いますが失礼します!
みんなが抱えている種族や思春期から生まれる問題や悩みに心を奪われ更新されているところまで一気に読んでしまいました!特にフレンの悩みが私は好きでそれに対するジンの悪い誘い?が大好物でした!ありがとうございます!!そしてフレンがみんなに心開くことができる日が来るといいなと思っています!
素晴らしい作品をありがとうございます!これからも頑張ってください!!
ミミさんありがとうございます!
この物語に目を止めていただきありがとうございます!その上素敵な感想までいただけてとても嬉しいです。まだまだ物語は途中ですがここまで書いた甲斐がありました!
フレンの悩みはずっと書きたかったこと、そしてジンとの関わりは私も書いていてとても楽しいのでそう言っていただけて凄く嬉しいです。
種族が違うそれぞれの子達が、関わりあって、少しずつ関係が変わっていく、そんな物語をこれからも書いていきたいと思います!
これからもフレン達の行く末を、ミミさんのペースで見守っていただけると嬉しいです☺️