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3年2学期
97話: 他校交流、セラフィオルへのご招待 ①
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楽しかった夏季休暇が終わり、秋と共に新学期が始まる。
とはいえ、前期までと何かが大きく変わるわけでもないので俺の関心は秋の楽しいイベントである他校交流会に向いていた。
去年一昨年はペア制度があったからペアだったクロードやルカとそれぞれ見学に行ったんだよね。だけど3年生はそういう縛りがないので基本的に1人での見学になる。誰かと行ってもいいんだけど、人と行くために同じ学校にするか、自分の行きたい学校を選ぶかはなかなかの悩みどころだ。それに加えて他校交流会の候補の学校数は物凄く多いのでどこに行きたいかを決めるのもなかなか大変。
そんな事を考えながら、俺が昼休みに教室で配られた候補の学校リストを眺めていると、担任のエミ先生から声をかけられた。
「フレン君、今いいかしら?話があるから、一緒に職員室に来てくれる?」
「え?わかりました……」
なんだろう、先生の声の調子からお小言とかじゃなさそうだけど全く心当たりがない。わざわざ職員室で話すほどの内容が全く想像できなくて俺はソワソワしながら彼女について歩く。
「セラフィオル女学院は知ってるかしら?」
「確か、あの有名なお嬢様学校ですよね?」
職員室について、早速エミ先生が話し始める。
セラフィオル女学院……この国のお金持ち学校の中でも、特に高貴なお嬢様しか入れないと言われているとにかく物凄い格式の高い学校だ。建物自体が国の文化遺産になっていて、それを見るためだけに観光に来る旅行客もいる。そして内部は完全に秘匿されていて生徒とその家族くらいしか中に入れないとかいう徹底ぶりらしい。俺も存在だけは知っているけれど、この浮世離れした噂以上のことは知らない。まさに秘密の花園とでもいうそこと俺になんの関係があるんだろう。
「実はね、そこからフレン君宛に他校交流の招待状が届いているのよ」
「ええー!?!?」
さっきも言ったけど、セラフィオル女学院は完全に外部から遮断された学校だ。だからそんな所から招待状が届くなんて想像もしてなかった。なんで俺に声がかかったの!?
「招待状の差出人はクリスフィア-セラフィオルさんという方なんだけど、心当たりはある?」
「え、クリスフィアさん?」
思わぬ所から出てきた彼女の名前に一瞬戸惑う。だけど、確かに彼女ならあそこに通ってそうだとは思った。というかセラフィオルってことはもしかして学校の関係者なのかな?とにかく物凄いお嬢様だって事は知ってるけど、その辺の話は踏み込んでいいかわからなかったから一切知らないんだよね。
俺は先生にクリスフィアさんとの関係を説明しつつ、招待状を受け取る。
「話はこれだけ。他校交流先の選択締め切りまでに決めて用紙を提出してね」
「わかりました」
先生に挨拶をして俺は職員室を後にする。思いもよらない話だったけど、まだ他校交流先は決めていなかったし、あのセラフィオルに入れる機会なんてそうそう無い。俺は教室に戻って早速招待状を開いてみることにした。
校章が箔押しされた高級感のあるそれは定型的な挨拶に始まり、今年の夏の出来事に関する謝罪とその御礼を込めて俺を学園祭に招待するといった内容だった。
今年の夏、彼女の所有するプライベートビーチで起こった海魔の暴走事件。俺はそれの解決に関して、前に彼女から御礼をするとの申し出があった事を思い出した。金銭的な御礼だと畏れ多いし、こういった内容の方が受け取りやすいと考慮してくれたんだろう。思慮深い彼女らしい気遣いだ。
国の文化財で、歴史があるセラフィオルへの招待なんて見ようによっては金銭的な物より価値がある。
俺はこの招待を受ける事にして、もう一つの考えなきゃいけない事に思いを馳せる。というのも招待状には招待の文章に続いて
『もしご一緒にお越しになりたい方がいらっしゃいましたら、どうぞ一名様までご同伴くださいませ』
という一文が付いていたからだ。人数に制限があるのはやっぱり学校の性質的に制約があるのかも。こんな凄い機会、俺だけが独り占めするのは勿体無いからこれは絶対に誰かと行きたい。
「どうせならクリスフィアさんと面識ある人の方がいいよね……」
そうなると候補は夏に一緒に出かけたメンバーになる。だけど、ルカとエリオ君はペア同士だから同じ交流先じゃないといけないので人数制限的に無し。となると同伴者候補は自ずとカイに絞られる。
それに、カイはこの間の夏星祭で俺が声をかけなかったのを気にしてたから、それもあって俺はカイを誘う事に決めた。まあ、カイがもう他の学校に決めてたらこの話はなくなるんだけど、その時はその時だよね。
とはいえ、前期までと何かが大きく変わるわけでもないので俺の関心は秋の楽しいイベントである他校交流会に向いていた。
去年一昨年はペア制度があったからペアだったクロードやルカとそれぞれ見学に行ったんだよね。だけど3年生はそういう縛りがないので基本的に1人での見学になる。誰かと行ってもいいんだけど、人と行くために同じ学校にするか、自分の行きたい学校を選ぶかはなかなかの悩みどころだ。それに加えて他校交流会の候補の学校数は物凄く多いのでどこに行きたいかを決めるのもなかなか大変。
そんな事を考えながら、俺が昼休みに教室で配られた候補の学校リストを眺めていると、担任のエミ先生から声をかけられた。
「フレン君、今いいかしら?話があるから、一緒に職員室に来てくれる?」
「え?わかりました……」
なんだろう、先生の声の調子からお小言とかじゃなさそうだけど全く心当たりがない。わざわざ職員室で話すほどの内容が全く想像できなくて俺はソワソワしながら彼女について歩く。
「セラフィオル女学院は知ってるかしら?」
「確か、あの有名なお嬢様学校ですよね?」
職員室について、早速エミ先生が話し始める。
セラフィオル女学院……この国のお金持ち学校の中でも、特に高貴なお嬢様しか入れないと言われているとにかく物凄い格式の高い学校だ。建物自体が国の文化遺産になっていて、それを見るためだけに観光に来る旅行客もいる。そして内部は完全に秘匿されていて生徒とその家族くらいしか中に入れないとかいう徹底ぶりらしい。俺も存在だけは知っているけれど、この浮世離れした噂以上のことは知らない。まさに秘密の花園とでもいうそこと俺になんの関係があるんだろう。
「実はね、そこからフレン君宛に他校交流の招待状が届いているのよ」
「ええー!?!?」
さっきも言ったけど、セラフィオル女学院は完全に外部から遮断された学校だ。だからそんな所から招待状が届くなんて想像もしてなかった。なんで俺に声がかかったの!?
「招待状の差出人はクリスフィア-セラフィオルさんという方なんだけど、心当たりはある?」
「え、クリスフィアさん?」
思わぬ所から出てきた彼女の名前に一瞬戸惑う。だけど、確かに彼女ならあそこに通ってそうだとは思った。というかセラフィオルってことはもしかして学校の関係者なのかな?とにかく物凄いお嬢様だって事は知ってるけど、その辺の話は踏み込んでいいかわからなかったから一切知らないんだよね。
俺は先生にクリスフィアさんとの関係を説明しつつ、招待状を受け取る。
「話はこれだけ。他校交流先の選択締め切りまでに決めて用紙を提出してね」
「わかりました」
先生に挨拶をして俺は職員室を後にする。思いもよらない話だったけど、まだ他校交流先は決めていなかったし、あのセラフィオルに入れる機会なんてそうそう無い。俺は教室に戻って早速招待状を開いてみることにした。
校章が箔押しされた高級感のあるそれは定型的な挨拶に始まり、今年の夏の出来事に関する謝罪とその御礼を込めて俺を学園祭に招待するといった内容だった。
今年の夏、彼女の所有するプライベートビーチで起こった海魔の暴走事件。俺はそれの解決に関して、前に彼女から御礼をするとの申し出があった事を思い出した。金銭的な御礼だと畏れ多いし、こういった内容の方が受け取りやすいと考慮してくれたんだろう。思慮深い彼女らしい気遣いだ。
国の文化財で、歴史があるセラフィオルへの招待なんて見ようによっては金銭的な物より価値がある。
俺はこの招待を受ける事にして、もう一つの考えなきゃいけない事に思いを馳せる。というのも招待状には招待の文章に続いて
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という一文が付いていたからだ。人数に制限があるのはやっぱり学校の性質的に制約があるのかも。こんな凄い機会、俺だけが独り占めするのは勿体無いからこれは絶対に誰かと行きたい。
「どうせならクリスフィアさんと面識ある人の方がいいよね……」
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