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3年2学期
112話: 文化祭、波乱の学園演劇とライブ①
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文化祭の朝は穏やかに始まった。
今年は学園演劇には出ないし、チアライブは本番前の練習時間に集まればいいから午前中は空いている。今回はチケット制だから呼び込みの必要もないしね。
俺はクロードと一緒に文化祭を回る約束をしているので、今から合流する予定。忙しい四年生も流石に文化祭と演習は重ならないようになってるみたい。
「クロードおはよう!準備できた?」
「おはようフレン。ああ、そろそろ行こうか」
この間話した時はちょっと変だったけど、今朝のクロードは普段と変わりない。あの時はやっぱり疲れてたのかもしれない。
「どこを回るんだ?」
「えっとねー、うちのクラスでやってる喫茶店と、友達の所のハーブティー飲みたい!あとは一年生がやってるクレープが美味しいんだって!」
「わかった。順番にいこうか」
そう言って優しく笑う顔はいつもの幼馴染のクロードで、その懐かしさも感じる態度に安心して隣に並ぶ。
「クロードはどこ見たい?」
「俺は事前情報を見てないからな……、フレンと歩きながら行きたい場所を決める事にするよ」
「わかった!あ、そうだこれ、クロードにもあげるね」
俺はそう言いながら携帯を操作してメッセージアプリを開く。
「電子チケット?何の出し物だ?」
「学園演劇!俺エリオ君とルカから貰っちゃって2枚あるんだよね。リハーサル凄かったし、クロードと見れたらなって」
エリオ君からは直接送られてきて、ルカからは何とガネマル経由で送られてきたんだよね。ルカは携帯持ってないから代理でってのはわかるけど、わざわざガネマルに頼んで送ってくれるなんて少しびっくりした。それだけ劇を見て欲しかったのかな?
「ルカもエリオ君も最初は出るの嫌がってたんだけど、今は凄く頑張ってるから応援しに行こ?」
「あ、ああ。そうだな……」
学園演劇は午後の演目だし、チアライブの出番はそれよりも遅い。だから、午前中は目一杯文化祭を楽しめるわけで、俺は今からとてもワクワクしていた。
◇
「えーっ、全部の的に当てるなんて無理すぎない?」
俺が今挑戦してるのは友達が入ってる魔法研究会の的当てゲームだ。教室内の魔法で動く的を制限時間内に全て落としたら景品がもらえるってやつなんだけど、動きが早すぎて全然当たらない。
「簡単にクリアされたら困るからねー。参加者全然いなくて暇してたし、きてくれて良かったよ。はいこれ参加賞」
「はいはいどうも。それにしても難易度高すぎない?あーあ、学食チケット欲しかったなー」
今回の景品は学食の10枚チケット。これがあったら仕送りを貯金できるから、冬月祭のプレゼント予算に余裕が出るんだけど、そう甘くはないみたいだ。
「この的を落とせばいいのか?」
「あ!クロードも挑戦してみる?」
俺の隣で眺めていたクロードが教室内を見回してそう呟く。あんまりこういうのに参加してるの見た事ないけど、興味あるのかな?
「えっ、クロード先輩!?ちょっと待っててくださいね……難易度調整しないと」
「ちょっと、それ狡くない?」
「だってそうしないと無理じゃん!」
いくらクロードが有名人だからって、難易度マックスにするのは普通にズルじゃないかな?さっきまでと違って的の動きが目に見えないんだけど。友達のナチュラルな不正に抗議してる俺の横で、クロードは特に気にしてない様子で準備をしている。
「クロード先輩が何かやるって!」
「今日学校来てるの?どこ?」
そうしているうちに、話を聞きつけた生徒達がクロードを見に集まってくる。
「それじゃあスタートです!1分経ったら止めますから……って嘘!?何でもう全部的落ちてるんですか!?フレン今の見た??」
「えっ!?」
スタートの合図が聞こえたと同時にクロードの方から強い風圧が来た。俺がそれに目を瞑っている間に的が全部落ちていて、俺も何が起きたか全くわからなかった。
「これでクリアでいいか?」
「えっと、は、はい……景品をどうぞ」
驚いてる俺達をよそに、当のクロードは特に何でもないという様子で景品を受け取っている。俺を含めた集まった観客は皆ぽかんとしていた。
クロードは彼らに話しかけられる前に俺を連れて素早く教室を出たからその後のことはよくわからない。だけど結果として集客の手伝いにはなったから魔法研究会的にも良かったんじゃないかな?
「クロード相変わらず凄いね。俺動き見えなかったよ」
「一気に落とした方がやりやすそうだったからな。そうだ、フレンこれ」
「え?」
理論はよくわからなかったけど、クロードがそう言うならそうなのかな?なんて思ってたら学食チケットを手渡される。
「これ、クロードの景品じゃん。いいの?」
「俺は実習で殆ど学校に来ないからな。フレンの方が使う機会が多いし貰ってくれ」
あまりにスマートな渡し方から、俺はある考えに思い至ってクロードに問いかけた。
「……もしかして、俺が景品欲しがったから参加してくれたの?」
「フレンの友達の出し物がどんなものか気になっただけだよ」
「そう?でもありがと!」
そう言って笑うクロードの優しさに俺は笑顔でお礼の言葉を返す。これで冬月祭の予算はかなり確保できるし、今年のクロードへのプレゼントは奮発しちゃおうかな。
今年は学園演劇には出ないし、チアライブは本番前の練習時間に集まればいいから午前中は空いている。今回はチケット制だから呼び込みの必要もないしね。
俺はクロードと一緒に文化祭を回る約束をしているので、今から合流する予定。忙しい四年生も流石に文化祭と演習は重ならないようになってるみたい。
「クロードおはよう!準備できた?」
「おはようフレン。ああ、そろそろ行こうか」
この間話した時はちょっと変だったけど、今朝のクロードは普段と変わりない。あの時はやっぱり疲れてたのかもしれない。
「どこを回るんだ?」
「えっとねー、うちのクラスでやってる喫茶店と、友達の所のハーブティー飲みたい!あとは一年生がやってるクレープが美味しいんだって!」
「わかった。順番にいこうか」
そう言って優しく笑う顔はいつもの幼馴染のクロードで、その懐かしさも感じる態度に安心して隣に並ぶ。
「クロードはどこ見たい?」
「俺は事前情報を見てないからな……、フレンと歩きながら行きたい場所を決める事にするよ」
「わかった!あ、そうだこれ、クロードにもあげるね」
俺はそう言いながら携帯を操作してメッセージアプリを開く。
「電子チケット?何の出し物だ?」
「学園演劇!俺エリオ君とルカから貰っちゃって2枚あるんだよね。リハーサル凄かったし、クロードと見れたらなって」
エリオ君からは直接送られてきて、ルカからは何とガネマル経由で送られてきたんだよね。ルカは携帯持ってないから代理でってのはわかるけど、わざわざガネマルに頼んで送ってくれるなんて少しびっくりした。それだけ劇を見て欲しかったのかな?
「ルカもエリオ君も最初は出るの嫌がってたんだけど、今は凄く頑張ってるから応援しに行こ?」
「あ、ああ。そうだな……」
学園演劇は午後の演目だし、チアライブの出番はそれよりも遅い。だから、午前中は目一杯文化祭を楽しめるわけで、俺は今からとてもワクワクしていた。
◇
「えーっ、全部の的に当てるなんて無理すぎない?」
俺が今挑戦してるのは友達が入ってる魔法研究会の的当てゲームだ。教室内の魔法で動く的を制限時間内に全て落としたら景品がもらえるってやつなんだけど、動きが早すぎて全然当たらない。
「簡単にクリアされたら困るからねー。参加者全然いなくて暇してたし、きてくれて良かったよ。はいこれ参加賞」
「はいはいどうも。それにしても難易度高すぎない?あーあ、学食チケット欲しかったなー」
今回の景品は学食の10枚チケット。これがあったら仕送りを貯金できるから、冬月祭のプレゼント予算に余裕が出るんだけど、そう甘くはないみたいだ。
「この的を落とせばいいのか?」
「あ!クロードも挑戦してみる?」
俺の隣で眺めていたクロードが教室内を見回してそう呟く。あんまりこういうのに参加してるの見た事ないけど、興味あるのかな?
「えっ、クロード先輩!?ちょっと待っててくださいね……難易度調整しないと」
「ちょっと、それ狡くない?」
「だってそうしないと無理じゃん!」
いくらクロードが有名人だからって、難易度マックスにするのは普通にズルじゃないかな?さっきまでと違って的の動きが目に見えないんだけど。友達のナチュラルな不正に抗議してる俺の横で、クロードは特に気にしてない様子で準備をしている。
「クロード先輩が何かやるって!」
「今日学校来てるの?どこ?」
そうしているうちに、話を聞きつけた生徒達がクロードを見に集まってくる。
「それじゃあスタートです!1分経ったら止めますから……って嘘!?何でもう全部的落ちてるんですか!?フレン今の見た??」
「えっ!?」
スタートの合図が聞こえたと同時にクロードの方から強い風圧が来た。俺がそれに目を瞑っている間に的が全部落ちていて、俺も何が起きたか全くわからなかった。
「これでクリアでいいか?」
「えっと、は、はい……景品をどうぞ」
驚いてる俺達をよそに、当のクロードは特に何でもないという様子で景品を受け取っている。俺を含めた集まった観客は皆ぽかんとしていた。
クロードは彼らに話しかけられる前に俺を連れて素早く教室を出たからその後のことはよくわからない。だけど結果として集客の手伝いにはなったから魔法研究会的にも良かったんじゃないかな?
「クロード相変わらず凄いね。俺動き見えなかったよ」
「一気に落とした方がやりやすそうだったからな。そうだ、フレンこれ」
「え?」
理論はよくわからなかったけど、クロードがそう言うならそうなのかな?なんて思ってたら学食チケットを手渡される。
「これ、クロードの景品じゃん。いいの?」
「俺は実習で殆ど学校に来ないからな。フレンの方が使う機会が多いし貰ってくれ」
あまりにスマートな渡し方から、俺はある考えに思い至ってクロードに問いかけた。
「……もしかして、俺が景品欲しがったから参加してくれたの?」
「フレンの友達の出し物がどんなものか気になっただけだよ」
「そう?でもありがと!」
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