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8 きさらぎ駅下車、君の家へ2
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彼女が言った。
「もしかして、誰も私を見ないので不思議に思っていませんか。買いかぶりです。私のことを見つめてくれるのは神木君だけですよ。」
彼は反論した。
「夜見さんが視線に入れば、スルーするのは大変です。今日は輪をかけて、ターコイズグリーンのワンピースがとても似合っています。」
「仮に、そうであるとすれば不思議ですね。」
なぜか彼女に少し悲しげな表情が現われて、彼は不安になった。
急いで話題を変えた。
「夜見さんのお宅にはもう着きますか。」
「はい、後5分ほど歩く必要がありますが。」
「お料理をいただけるので、とても楽しみです。」
「神木君のお口に合うかどうかわかりません。今まで母親の料理を召し上がっていただいた皆様は、とても美味しいと言っていただけました。」
彼女が悔しそうな表情で言った。
「ほんとうは、私も母親に負けないくらい料理がうまいのですよ。…
…だけど、今日はどうしても母親が料理すると言い張るから任せました。そのかわり、神木君が何を食べてどういう表情をするか、しっかり見て覚えることにしました。男の子を料理の味で縛ることも、女の子には大切な武器ですから。」
「あの…、あんまり夜見さんに食べているところを見られると、意識が飛んで『ぼ-っ』としてしまうから、参考にならなくなります。」
「そうですか、せっかくのお料理が台無しになってしまいますね。今日は神木君が食べているところをあまり見ないようにします。そのかわり、これから食べている神木君を見るため、私と一緒にたくさん食事してくださいね。」
「………」
彼女のその言葉を聞いて、彼は意識が飛んで「ぼ-っ」としていた。
やがて、2人が歩く前方に大きな家の洋風な門が見えてきた。
その家には現代的な感覚が全くなく、かなり昔に流行ったスタイルで建てられたものだった。敷地には、今ではほとんど見ることがない倉も建っていた。
彼女の歩き方がゆっくりとしたスピードになり、洋風の門の前で止った。
「私の家はここです。周囲の家に比べると極端に時代遅れで、恥ずかしいですけれど。どうぞ、お入りください。」
彼女はそう言ったが、彼はひと目でその家が好きになった。
「そんなことありません。落ち着いた雰囲気のお家で僕は好きです。暮らしている方の優しい心を映しているようです。」
「ありがとうございます。」
門をくぐり玄関ドアに近づくと、ドアが開いて、中から背の高い女性が出てきた。女性を見て彼はすぐにわかった。
(夜見さんのお母さん。夜見さんにそっくり。)
その女性が挨拶した。
「神木信次さんですね。私は里村さき、夜見の母親です。今日はお越しいただき、ありがとうございます。」
「神木です。伊浜北高校の1年生で、夜見さんとは朝、三州鉄道で一緒に通学させていただいています。帰りは、夜見さんの高校と終わりの時間が微妙に違うので、時々一緒になります。」
彼が話している間、夜見の母親のさきは彼のことをじっと見ていた。夜見と同じように色白な顔で大きな美しい瞳だった。
そして母親は笑いながら話した。
「いつも夜見が言っていたとおりの方ですね。誠実で強い意思をもち、正しいと思ったことを必ずやり遂げる。優しい心をもち、常に他人の気持ちを考える。………それから、かなりのイケメン男子。」
「お母さん、私がお母さんだけに打ち明けていることを、ばらすのは止めてください。神木君、母親も私達と同じようにHSP(ハイリーセンシティブヒューマン)なんです。神木君が隠していることを感じ取ってしまから、十分に注意してくださいね。」
「もしかして、誰も私を見ないので不思議に思っていませんか。買いかぶりです。私のことを見つめてくれるのは神木君だけですよ。」
彼は反論した。
「夜見さんが視線に入れば、スルーするのは大変です。今日は輪をかけて、ターコイズグリーンのワンピースがとても似合っています。」
「仮に、そうであるとすれば不思議ですね。」
なぜか彼女に少し悲しげな表情が現われて、彼は不安になった。
急いで話題を変えた。
「夜見さんのお宅にはもう着きますか。」
「はい、後5分ほど歩く必要がありますが。」
「お料理をいただけるので、とても楽しみです。」
「神木君のお口に合うかどうかわかりません。今まで母親の料理を召し上がっていただいた皆様は、とても美味しいと言っていただけました。」
彼女が悔しそうな表情で言った。
「ほんとうは、私も母親に負けないくらい料理がうまいのですよ。…
…だけど、今日はどうしても母親が料理すると言い張るから任せました。そのかわり、神木君が何を食べてどういう表情をするか、しっかり見て覚えることにしました。男の子を料理の味で縛ることも、女の子には大切な武器ですから。」
「あの…、あんまり夜見さんに食べているところを見られると、意識が飛んで『ぼ-っ』としてしまうから、参考にならなくなります。」
「そうですか、せっかくのお料理が台無しになってしまいますね。今日は神木君が食べているところをあまり見ないようにします。そのかわり、これから食べている神木君を見るため、私と一緒にたくさん食事してくださいね。」
「………」
彼女のその言葉を聞いて、彼は意識が飛んで「ぼ-っ」としていた。
やがて、2人が歩く前方に大きな家の洋風な門が見えてきた。
その家には現代的な感覚が全くなく、かなり昔に流行ったスタイルで建てられたものだった。敷地には、今ではほとんど見ることがない倉も建っていた。
彼女の歩き方がゆっくりとしたスピードになり、洋風の門の前で止った。
「私の家はここです。周囲の家に比べると極端に時代遅れで、恥ずかしいですけれど。どうぞ、お入りください。」
彼女はそう言ったが、彼はひと目でその家が好きになった。
「そんなことありません。落ち着いた雰囲気のお家で僕は好きです。暮らしている方の優しい心を映しているようです。」
「ありがとうございます。」
門をくぐり玄関ドアに近づくと、ドアが開いて、中から背の高い女性が出てきた。女性を見て彼はすぐにわかった。
(夜見さんのお母さん。夜見さんにそっくり。)
その女性が挨拶した。
「神木信次さんですね。私は里村さき、夜見の母親です。今日はお越しいただき、ありがとうございます。」
「神木です。伊浜北高校の1年生で、夜見さんとは朝、三州鉄道で一緒に通学させていただいています。帰りは、夜見さんの高校と終わりの時間が微妙に違うので、時々一緒になります。」
彼が話している間、夜見の母親のさきは彼のことをじっと見ていた。夜見と同じように色白な顔で大きな美しい瞳だった。
そして母親は笑いながら話した。
「いつも夜見が言っていたとおりの方ですね。誠実で強い意思をもち、正しいと思ったことを必ずやり遂げる。優しい心をもち、常に他人の気持ちを考える。………それから、かなりのイケメン男子。」
「お母さん、私がお母さんだけに打ち明けていることを、ばらすのは止めてください。神木君、母親も私達と同じようにHSP(ハイリーセンシティブヒューマン)なんです。神木君が隠していることを感じ取ってしまから、十分に注意してくださいね。」
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