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22 君が消えて4
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試合終了後、里村夜見は衰弱しきってその場に倒れ込んだ。
それに驚いた2人の友達が、伊浜北高の保健室の場所を聞いて、両側で彼女を支えて連れて行った。
その途中で、彼女が両側の友達に言った。
「少し歩いていたらだいぶ体が楽になりました。ありがとうございます。保健室に行かなくても大丈夫です。」
「夜見。ほんとうに大丈夫。」
「ほんとうに大丈夫です。もう1人で歩けます。…今から、ある人に会いに行きたいのです。」
「はーん。伊浜北高の彼、今日夜見が一生懸命応援していたヒーローね。」
「それじゃ、がんばってね夜見。あなた今日、ほんとうに真剣に応援していたから。感動ものだったわ。」
2人の友人は彼女の元を去った。
彼女は再びグランドに向かってゆっくりと歩き始めた。多くの人がグランドのあちこちで、今日の試合の話しをしていた。
彼女が歩いて行こうとする先に、陽子が立っていた。
「夜見さん。今から神木君に会いに行くの。」
「そうですが。」
「少し聞きたいのだけれど。あなた、今日は不思議な力で神木君を助けてあげたでしょう。」
「不思議な力など使えません。ただ一生懸命に応援しただけです。」
「そうかな。応援席で立っていたあなたの表情には、鬼気迫るものがあったわ。そして今日は試合中、とても説明できないことが起こった。………それから神木君に聞いたわ。あなた『きさらぎ駅』から乗ってくるのね!」
そう言われた彼女は、とても悲しそうな絶望的な顔をした。
その表情を見た瞬間、陽子は話してしまったことを強く後悔したが、そこで止めるわけにはいかなかった。
「『きさらぎ駅』が現実に有るか無いかはどうでもいい。あなたにお願いがあるの。私が渡せなかったお守りを神木君に渡してくれる。」
陽子は彼女に近づき、無理矢理破魔神社のお守りを手渡した。
「このお守りは………。」
彼女は全て悟ったような顔をした後、彼女の姿が少しずつ消え始めた。
予想していた結果とはいえ、陽子は罪悪感に襲われた。
「夜見さん、ごめんなさい!!!。」
最後に彼女は笑顔になって、陽子に応えて姿を消した。
彼女が消えてしまった時の様子を陽子から聞いた後、彼は静かな声で言った。
「確かに鬼道か、それに近いオカルト的なことが全く関係ないとは言えなくなしました。でも、一つだけ確実なことは『夜見さん』、『里村夜見』という女の子はこの世に必ず存在するということです。」
「わかるわ。私も彼女のことはよく覚えている。だけど、彼女が消えた後、伊浜市立高校の生徒達に手当たり次第、彼女のことを聞いてみたの。彼女は一番の人気者で誰でも知っていたはずでしょう。ところが、誰も彼女のことを知らないの。誰に聞いても『里村夜見って誰?』という反応なの。」
「僕は彼女のことをほんの小さな子供の頃から知っていました。病院で子ぶたの人形を見つけて彼女に渡したら、泣き止んで笑ってくれました。きさらぎ駅から先頭車両で隣に座って、毎日いろいろなことを一杯話しました。…」
彼の目には涙が溜まっていたが、延々と言葉が続いた。
「神木君。」
陽子は彼の言葉を遮り、重要なことを言おうといた。
「きさらぎ駅で降りて彼女の家にも行ったのですよ、夜見さんのお母さんは夜見さんにそっくりで、びっくりするほど明るい方でした。DTLでアイスコーヒーを飲んだり、東鹿島の花火大会にも一緒に行って…。」
「神木君!!!」
陽子は今度、とても強い口調で彼の言葉を遮った。」
「あなたに伝えなければいけないことがあるの。」
「きさらぎ駅は無いのよ、過去から今までずっと。」
「そんなことはありません。僕は毎日、彼女ときさらぎ駅で。」
「早く着替えて、今から三州鉄道の伊浜駅に一緒に来て。」
2人は三州鉄道の切符売り場の上にある路線図を見ていた。
彼はきさらぎ駅がないか長時間じっと見ていた。しかし、記載されている18駅の中にはきさらぎ駅はなかった。
信じられなかった彼は、切符売り場の係員に聞いた。
「すいません。『きさらぎ駅』が路線図に記載されていないのですが、ここ数日の間に廃駅になったのでしょうか。」
「『きさらぎ駅』?そのような駅は三州鉄道にはございません。」
それに驚いた2人の友達が、伊浜北高の保健室の場所を聞いて、両側で彼女を支えて連れて行った。
その途中で、彼女が両側の友達に言った。
「少し歩いていたらだいぶ体が楽になりました。ありがとうございます。保健室に行かなくても大丈夫です。」
「夜見。ほんとうに大丈夫。」
「ほんとうに大丈夫です。もう1人で歩けます。…今から、ある人に会いに行きたいのです。」
「はーん。伊浜北高の彼、今日夜見が一生懸命応援していたヒーローね。」
「それじゃ、がんばってね夜見。あなた今日、ほんとうに真剣に応援していたから。感動ものだったわ。」
2人の友人は彼女の元を去った。
彼女は再びグランドに向かってゆっくりと歩き始めた。多くの人がグランドのあちこちで、今日の試合の話しをしていた。
彼女が歩いて行こうとする先に、陽子が立っていた。
「夜見さん。今から神木君に会いに行くの。」
「そうですが。」
「少し聞きたいのだけれど。あなた、今日は不思議な力で神木君を助けてあげたでしょう。」
「不思議な力など使えません。ただ一生懸命に応援しただけです。」
「そうかな。応援席で立っていたあなたの表情には、鬼気迫るものがあったわ。そして今日は試合中、とても説明できないことが起こった。………それから神木君に聞いたわ。あなた『きさらぎ駅』から乗ってくるのね!」
そう言われた彼女は、とても悲しそうな絶望的な顔をした。
その表情を見た瞬間、陽子は話してしまったことを強く後悔したが、そこで止めるわけにはいかなかった。
「『きさらぎ駅』が現実に有るか無いかはどうでもいい。あなたにお願いがあるの。私が渡せなかったお守りを神木君に渡してくれる。」
陽子は彼女に近づき、無理矢理破魔神社のお守りを手渡した。
「このお守りは………。」
彼女は全て悟ったような顔をした後、彼女の姿が少しずつ消え始めた。
予想していた結果とはいえ、陽子は罪悪感に襲われた。
「夜見さん、ごめんなさい!!!。」
最後に彼女は笑顔になって、陽子に応えて姿を消した。
彼女が消えてしまった時の様子を陽子から聞いた後、彼は静かな声で言った。
「確かに鬼道か、それに近いオカルト的なことが全く関係ないとは言えなくなしました。でも、一つだけ確実なことは『夜見さん』、『里村夜見』という女の子はこの世に必ず存在するということです。」
「わかるわ。私も彼女のことはよく覚えている。だけど、彼女が消えた後、伊浜市立高校の生徒達に手当たり次第、彼女のことを聞いてみたの。彼女は一番の人気者で誰でも知っていたはずでしょう。ところが、誰も彼女のことを知らないの。誰に聞いても『里村夜見って誰?』という反応なの。」
「僕は彼女のことをほんの小さな子供の頃から知っていました。病院で子ぶたの人形を見つけて彼女に渡したら、泣き止んで笑ってくれました。きさらぎ駅から先頭車両で隣に座って、毎日いろいろなことを一杯話しました。…」
彼の目には涙が溜まっていたが、延々と言葉が続いた。
「神木君。」
陽子は彼の言葉を遮り、重要なことを言おうといた。
「きさらぎ駅で降りて彼女の家にも行ったのですよ、夜見さんのお母さんは夜見さんにそっくりで、びっくりするほど明るい方でした。DTLでアイスコーヒーを飲んだり、東鹿島の花火大会にも一緒に行って…。」
「神木君!!!」
陽子は今度、とても強い口調で彼の言葉を遮った。」
「あなたに伝えなければいけないことがあるの。」
「きさらぎ駅は無いのよ、過去から今までずっと。」
「そんなことはありません。僕は毎日、彼女ときさらぎ駅で。」
「早く着替えて、今から三州鉄道の伊浜駅に一緒に来て。」
2人は三州鉄道の切符売り場の上にある路線図を見ていた。
彼はきさらぎ駅がないか長時間じっと見ていた。しかし、記載されている18駅の中にはきさらぎ駅はなかった。
信じられなかった彼は、切符売り場の係員に聞いた。
「すいません。『きさらぎ駅』が路線図に記載されていないのですが、ここ数日の間に廃駅になったのでしょうか。」
「『きさらぎ駅』?そのような駅は三州鉄道にはございません。」
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