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意識
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話が収束した後、呆然としている那月はその「なつ」がこちらに振り向き歩いてくる間、しばらくボーッとしてしまっていた。
帰ろうと歩き出した「なつ」は彩世との話に満足したのか、意気揚々とこちらへ近付いてくる。
「……ん?あれ、君さっきの…?」
「っ!!!あ」
那月がいることを目に見えて分かる距離まで近付いた時、2人はハッとして一瞬身構えた。よく考えれば、こんな電柱に隠れて立っている男子高校生なんて怪しさしかない。
「…あ、え、えっ、あの」
それに、さっきのやり取りが頭にこびり付いているしこんな怪しい状態を見られたせいで、頭の中はダブルの混乱状態。那月はそれを振り切るように鞄を抱えて思い切り走り出した。
「え、ちょっと……?って、行っちゃった……」
一一一やばいやばいやばい、隠れてるの見られた!!!いや、待ってそこじゃない!あの人は誰なんだ?先輩とどういう関係の人?あのやり取りはなに!?
息が切れても全力で走り続け、何とか最寄り駅まで辿り着くことができた。小刻みに呼吸を繰り返しながら、額の汗を拭う。
「…っか、はぁはぁ、もう、」
一一一こんなに人のこと気にするなんて、やっぱりおかしい。今日ずっとそんな感じだ…変だ…。
那月は息を整え改札を通り、さっきの光景を思い返した。あの見たことない彩世の不穏な空気感と表情、「なつ」と呼ばれた金髪男子の姿。そしてただの友達ではなさそうな会話と手の握り方。
「…すごいな、触れるなんて」
顔は合わせていないが、やっと彩世と会話ができるようになった那月にとって男に触れるなんてことは、夢のまた夢のように感じる。
あの幼少期以降、男はもちろんだが基本自分から他人に意図的に触れることはなくなっていた。仲のいい明衣でさえ触れるといっても軽く気にならない程度で、あんな手の握り方はしない。
長くそんな経験が無いせいで、人に濃厚に触れる気持ちも感覚も、どんなものか分からない。
一一一あれ、どんな感覚なんだろう。ドラマとかで見たことあるような、学校とか街にいるカップルもやってた気がする。いや見たことはあるけど、自分には絶対無理だと思ってたから何とも思わなかった…。
一一一何とも思わなかったのに…なんで、なんで今はこんなに心臓ドキドキしてるんだろう…。顔が熱くてなかなか冷めない…。
「…なんか変、、いやだ、」
帰ろうと歩き出した「なつ」は彩世との話に満足したのか、意気揚々とこちらへ近付いてくる。
「……ん?あれ、君さっきの…?」
「っ!!!あ」
那月がいることを目に見えて分かる距離まで近付いた時、2人はハッとして一瞬身構えた。よく考えれば、こんな電柱に隠れて立っている男子高校生なんて怪しさしかない。
「…あ、え、えっ、あの」
それに、さっきのやり取りが頭にこびり付いているしこんな怪しい状態を見られたせいで、頭の中はダブルの混乱状態。那月はそれを振り切るように鞄を抱えて思い切り走り出した。
「え、ちょっと……?って、行っちゃった……」
一一一やばいやばいやばい、隠れてるの見られた!!!いや、待ってそこじゃない!あの人は誰なんだ?先輩とどういう関係の人?あのやり取りはなに!?
息が切れても全力で走り続け、何とか最寄り駅まで辿り着くことができた。小刻みに呼吸を繰り返しながら、額の汗を拭う。
「…っか、はぁはぁ、もう、」
一一一こんなに人のこと気にするなんて、やっぱりおかしい。今日ずっとそんな感じだ…変だ…。
那月は息を整え改札を通り、さっきの光景を思い返した。あの見たことない彩世の不穏な空気感と表情、「なつ」と呼ばれた金髪男子の姿。そしてただの友達ではなさそうな会話と手の握り方。
「…すごいな、触れるなんて」
顔は合わせていないが、やっと彩世と会話ができるようになった那月にとって男に触れるなんてことは、夢のまた夢のように感じる。
あの幼少期以降、男はもちろんだが基本自分から他人に意図的に触れることはなくなっていた。仲のいい明衣でさえ触れるといっても軽く気にならない程度で、あんな手の握り方はしない。
長くそんな経験が無いせいで、人に濃厚に触れる気持ちも感覚も、どんなものか分からない。
一一一あれ、どんな感覚なんだろう。ドラマとかで見たことあるような、学校とか街にいるカップルもやってた気がする。いや見たことはあるけど、自分には絶対無理だと思ってたから何とも思わなかった…。
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「…なんか変、、いやだ、」
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