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第4章 婚約の行方
50.シュネーの花
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上まで登ると私の瞳にはさらに美しい世界が広がっていた。
「これは」
「これを貴方に見せたかったんだ」
私の視界には蒼く光る花が夜風に靡かれて揺らめいていた。辺り一面を花々が埋め尽くし、何とも幻想的な風景がそこにはあった。
「…こんなに美しい花があるのですね」
「これはシュネーの花です。」
「シュネー?」
「ノースジブル領でのみ見られる花で夜にしか花を咲かせないのです」
「夜だけ…」
私は公爵様にシュネーの花を教えて貰いながらこの幻想的な景色から目を離せずにいた。王都でも多くの美しい花を見てきたがこれ程までに美しさに心を打たれた花はなかった。
「シュネーの花は冬の訪れを知らせる花として知られています。」
「確かに今日も冷えますものね。もう冬が来るということなのですね。」
そう言うと公爵様は慌てたように自分の上着を脱いで私にそっとかけた。
「え?」
「気付かずに申し訳ありません。病み上がりの貴方を外に連れ出してしまったというのに…気遣いが足りませんでした。」
「そんな、病み上がりは公爵様も同じです。お体を冷やしていけませんよ。」
「…ありがとうございます。ですが私はノースジブルの寒さに慣れていますから。それに」
公爵様は少し言葉に詰まると少しずつ話を続けた。
「幼い頃はあばら家で寒さも厳しい場所に住んでいましたから。」
「え?そうなのですか」
「ええ。」
それ以上に公爵様は何も言わずにシュネーの花を眺めていた。公爵でありながらあばら家に住んでいたなんて私の知らない過去があるのだろう。そんなことを計りながら公爵様の物憂げな顔に惹かれてしまう。もっと彼のことを知りたいのに彼は一線を引いたかのように踏み込んでは来ない。
ー私は公爵様のことを知りたいんだ
不意に気付いてしまったこの感情に思わず胸が苦しくなった。
「シュネーの花は夜の内に咲き、朝になれば氷の花となってその冬の間は微動だにせずその場で生き続けるのです。」
「…そうなのですね」
公爵様は私の方を向くと真剣な面持ちで私を見た。
「貴方に話したいことがあります。聞いて頂けますか?」
「ええ」
そう言うと公爵様は静かに口を開いた。
「私が貴方に縁談を持ちかけたのは貴方を救いたかったからです」
「救いたかった?」
「…マグノリアはアンリゼット家の名を捨て、私の為、フロンティスの為に長い間尽くしてくれました。そのマグノリアの親族が不当な扱いを受けていることに腹立たしくなり、縁談を申し込みました。」
「…そうだったのですね。」
私は公爵様が放った言葉に胸が傷んだ。そうよね、こんなに年の離れた私を恋愛対象として見るような方ではないもの。分かっていたはずなのに胸の痛みは更に増していく。
「それに、ノースジブル領の人々も貴方が聖女として来てくれたから滅びずに済んだという人々もいるくらいです。それほど貴方は大切な存在なんです」
「…ありがとうございます」
マグノリア伯母様の親族だから縁談の話しを持ちかけたことが棘のように刺さって上手く話しを聞くことが出来なくなっていた。
「最初はそんな思いからだったのです。」
「え?」
「…貴方は聖女の頃から変わらずに真っ直ぐで慈悲深い。それは力を失っても変わっていなかった。…それに好奇心旺盛でよく笑う」
「…そんなに私は大層な人物ではないです」
私は公爵様から顔を背けると公爵様の大きな手が私の手を不意に包んだ。
「いいえ。貴方は本当に素晴らしい人です。それは誇るべきことだ。」
「…公爵様」
「失礼しました」と言うと咄嗟に公爵様は私の手を離した。それからまた言葉を紡いだ。
「私は『こんなに年の離れた男から縁談が来ても気は乗らない、貴方が別の誰かを好いてこの縁談を断ってもいい』と本気で思っていました。だけど、今は違います。」
「え」
夜風が少し強くなり、辺りのシュネーの花が大きく揺らめいだ。
「貴方が闇魔法で意識を失った時、本当に恐ろしかった。あの笑顔がもう見れないと思うと辛かった。それにその時、貴方への思いにはっきりと気づきました。私は貴方を大切な存在として思っていると」
「公爵様」
「…他の誰かが貴方の隣にいることも想像したくもありません。私は貴方のことが何よりも大切で愛しい。」
「そんな」
真剣な公爵様の美しい瞳に思わず吸い込まれそうになった。先ほどの棘が溶けてくかのように心が温かくなった。
「…不相応だとは分かっているのです。貴方から見たらこんな年の離れた男に好意を寄せられても迷惑かもしれません。」
「迷惑だなんて、思っておりません!」
私は思わず、大きな声で公爵様の言葉を遮った。
「迷惑だなんて思ったことがありません。私も公爵様のことが」
思わず口籠る。自分の気持ちを伝えるというのはこんなに勇気のいることなのだと初めて感じた。怖い、公爵様にしっかりとこの気持ちを届けられるかが。私は震えながらも続きの言葉を公爵様へ伝えた。
「公爵様のことをお慕いしています」
公爵様の瞳を見つめながら私の瞳からは思わず雫が溢れた。そんな様子の私を見て公爵様は静かに微笑んだ。
「…アリス嬢はノースジブルでシュネーの花がどんな時に使われているかご存知ですか?」
「え?」
「朝には氷となり佇む姿を永遠になぞらえて男性が女性に求婚する際に用いるのです」
「それって」
公爵様は私の前で跪くと、私の手を取った。
「アリス嬢、私と正式に婚約をして頂けませんか?」
私は公爵様の手に静かにもう片方の手を重ねた。
「ええ、喜んで」
シュネーの花々に見守られながら私達は思いを伝えあった。
「これは」
「これを貴方に見せたかったんだ」
私の視界には蒼く光る花が夜風に靡かれて揺らめいていた。辺り一面を花々が埋め尽くし、何とも幻想的な風景がそこにはあった。
「…こんなに美しい花があるのですね」
「これはシュネーの花です。」
「シュネー?」
「ノースジブル領でのみ見られる花で夜にしか花を咲かせないのです」
「夜だけ…」
私は公爵様にシュネーの花を教えて貰いながらこの幻想的な景色から目を離せずにいた。王都でも多くの美しい花を見てきたがこれ程までに美しさに心を打たれた花はなかった。
「シュネーの花は冬の訪れを知らせる花として知られています。」
「確かに今日も冷えますものね。もう冬が来るということなのですね。」
そう言うと公爵様は慌てたように自分の上着を脱いで私にそっとかけた。
「え?」
「気付かずに申し訳ありません。病み上がりの貴方を外に連れ出してしまったというのに…気遣いが足りませんでした。」
「そんな、病み上がりは公爵様も同じです。お体を冷やしていけませんよ。」
「…ありがとうございます。ですが私はノースジブルの寒さに慣れていますから。それに」
公爵様は少し言葉に詰まると少しずつ話を続けた。
「幼い頃はあばら家で寒さも厳しい場所に住んでいましたから。」
「え?そうなのですか」
「ええ。」
それ以上に公爵様は何も言わずにシュネーの花を眺めていた。公爵でありながらあばら家に住んでいたなんて私の知らない過去があるのだろう。そんなことを計りながら公爵様の物憂げな顔に惹かれてしまう。もっと彼のことを知りたいのに彼は一線を引いたかのように踏み込んでは来ない。
ー私は公爵様のことを知りたいんだ
不意に気付いてしまったこの感情に思わず胸が苦しくなった。
「シュネーの花は夜の内に咲き、朝になれば氷の花となってその冬の間は微動だにせずその場で生き続けるのです。」
「…そうなのですね」
公爵様は私の方を向くと真剣な面持ちで私を見た。
「貴方に話したいことがあります。聞いて頂けますか?」
「ええ」
そう言うと公爵様は静かに口を開いた。
「私が貴方に縁談を持ちかけたのは貴方を救いたかったからです」
「救いたかった?」
「…マグノリアはアンリゼット家の名を捨て、私の為、フロンティスの為に長い間尽くしてくれました。そのマグノリアの親族が不当な扱いを受けていることに腹立たしくなり、縁談を申し込みました。」
「…そうだったのですね。」
私は公爵様が放った言葉に胸が傷んだ。そうよね、こんなに年の離れた私を恋愛対象として見るような方ではないもの。分かっていたはずなのに胸の痛みは更に増していく。
「それに、ノースジブル領の人々も貴方が聖女として来てくれたから滅びずに済んだという人々もいるくらいです。それほど貴方は大切な存在なんです」
「…ありがとうございます」
マグノリア伯母様の親族だから縁談の話しを持ちかけたことが棘のように刺さって上手く話しを聞くことが出来なくなっていた。
「最初はそんな思いからだったのです。」
「え?」
「…貴方は聖女の頃から変わらずに真っ直ぐで慈悲深い。それは力を失っても変わっていなかった。…それに好奇心旺盛でよく笑う」
「…そんなに私は大層な人物ではないです」
私は公爵様から顔を背けると公爵様の大きな手が私の手を不意に包んだ。
「いいえ。貴方は本当に素晴らしい人です。それは誇るべきことだ。」
「…公爵様」
「失礼しました」と言うと咄嗟に公爵様は私の手を離した。それからまた言葉を紡いだ。
「私は『こんなに年の離れた男から縁談が来ても気は乗らない、貴方が別の誰かを好いてこの縁談を断ってもいい』と本気で思っていました。だけど、今は違います。」
「え」
夜風が少し強くなり、辺りのシュネーの花が大きく揺らめいだ。
「貴方が闇魔法で意識を失った時、本当に恐ろしかった。あの笑顔がもう見れないと思うと辛かった。それにその時、貴方への思いにはっきりと気づきました。私は貴方を大切な存在として思っていると」
「公爵様」
「…他の誰かが貴方の隣にいることも想像したくもありません。私は貴方のことが何よりも大切で愛しい。」
「そんな」
真剣な公爵様の美しい瞳に思わず吸い込まれそうになった。先ほどの棘が溶けてくかのように心が温かくなった。
「…不相応だとは分かっているのです。貴方から見たらこんな年の離れた男に好意を寄せられても迷惑かもしれません。」
「迷惑だなんて、思っておりません!」
私は思わず、大きな声で公爵様の言葉を遮った。
「迷惑だなんて思ったことがありません。私も公爵様のことが」
思わず口籠る。自分の気持ちを伝えるというのはこんなに勇気のいることなのだと初めて感じた。怖い、公爵様にしっかりとこの気持ちを届けられるかが。私は震えながらも続きの言葉を公爵様へ伝えた。
「公爵様のことをお慕いしています」
公爵様の瞳を見つめながら私の瞳からは思わず雫が溢れた。そんな様子の私を見て公爵様は静かに微笑んだ。
「…アリス嬢はノースジブルでシュネーの花がどんな時に使われているかご存知ですか?」
「え?」
「朝には氷となり佇む姿を永遠になぞらえて男性が女性に求婚する際に用いるのです」
「それって」
公爵様は私の前で跪くと、私の手を取った。
「アリス嬢、私と正式に婚約をして頂けませんか?」
私は公爵様の手に静かにもう片方の手を重ねた。
「ええ、喜んで」
シュネーの花々に見守られながら私達は思いを伝えあった。
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