追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト

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第3話 「光の過信」

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 王城の正門が開くと、光はいつもより白かった。冬の陽は石畳をまぶしく洗い、旗は風に揺れて音を立てる。見世物のために磨かれた青い鎧、楽隊の小太鼓、花弁を撒く侍女。歓呼の波が石壁に跳ね返って、鳥が驚いて飛び立つ。

「新しき光の乙女に万歳を!」

 誰かが叫ぶと、言葉はあっという間に合唱へ変わる。白いローブの少女がゆっくり歩を進めた。淡金の髪は高い位置で束ねられ、額には細い光の冠。彼女は胸の前で指を組み、笑った。練習してきた笑顔。でも、練習でしか得られない種類の無垢もある。

「ミレイユ殿!」

 侍従が声を張り、王妃の座す階段へ導く。王妃リディアは玉座の陰影を味方にして立ち、唇の弧を完璧な角度で描いた。

「よく来たわ、光の才女」

「謹んで——お仕えいたします、王妃様」

 ミレイユは裾を持ち上げて膝を折る。周囲から小さな溜息。美しい所作は人を酔わせる。リディアにとって歓呼は香水。濃ければ濃いほど、判断は甘くなる。

「さっそくだけれど」と王妃。「三日後の祝祭で、王都全域の浄化儀礼を執り行いなさい。最近、空気が重いの。民は新しい光を見たがっているわ」

「御意。全力を尽くします」

「“全力”以上を期待するわ」王妃は笑う。「心のこもった、眩しいやつを」

 側で控える王太子レオンが、取り繕うように手を叩く。拍手は薄い。台本のページが風でめくれる音に似ている。だが拍手は拍手だ。ミレイユはそれを浴び、胸の奥で何かが膨らむのを感じた——幼いころから慣れ親しんだ膨張。称賛という膨張。彼女はずっと、褒められることで自分を測ってきた。

 あの田舎の礼拝堂。木の床、白いカーテン、母の祈る背中。彼女が初めて光を生んだ七歳の日、村人は「奇跡」と呼んだ。ちいさな手のひらに灯った光は、夕暮れの虫を驚かせ、母は泣いた。褒める涙。彼女は失敗を知らなかった。倒れた小鳥を両手で包むと、また目を開けた。目を開けなかった子もいた。でも、大人はそれを「十分よくやったね」と言った。彼女は、十分という言葉を成功だと思うように育った。

 その彼女が今、王都の中心にいる。目はまっすぐ、心はまっすぐ。問題は、その直線がどこへ向くのかを、誰もまだ知らないということ。

     ◇

 王城地下、中枢儀礼室。円形の大空間は冷えている。石の床に魔法陣が刻まれ、壁面には導管が蔦のように走る。配管は低く唸り、金属の体温を保っていた。これはセレスが整流網として再設計した心臓部——流れを静かに整え、余剰を逃がし、街の呼吸を均すための、目立たない美。

 ミレイユは陣の中央に立ち、光を呼吸する。足元から、細い光が一筋ずつ立ち上がる。彼女は手をかざし、目を閉じる。光は応える。彼女の光は“人に見える”光だ。滑らかで、あたたかく、観客に向けて角度がつく。美しい。それ自体は罪じゃない。

「ミレイユ殿」

 低い声。灰色のローブをまとった男が歩み寄る。機関師長グレイ——王都の導管と配圧を監督する、無口な職人だ。目の下の隈は古い。爪は短く、手の甲は傷だらけ。

「これは整流網の核です。セレス殿の設計で、祭祀の負荷を安全に捌く。……ここを、下手にいじるのは」

「“下手に”はいじりません」ミレイユは笑う。「“上手に”いじります」

 グレイは眉をひそめる。「増幅器をかませば、見栄えは上がる。だが強度は落ちる」

「見栄えは大事です。民は目で癒やされるんです」

「配圧は数字です」

「もちろん、数字も見ます」

 ミレイユは手を叩き、助手たちに水晶柱の設置を指示した。透明な塔が、陣の四方に立つ。内部には微細な鏡が組み込まれ、光が入れば千切りにして広場へ噴出させる。噴水のように、花火のように。王妃が望む“眩しいやつ”。

 グレイは唇を噛んだ。「回折鏡は干渉を起こす。周波数が重なれば——」

「調整します」彼女は軽く言う。「私、光が得意ですから」

 その言い方は、彼にとって苛立つほど無垢だった。得意、不得意。ここは好き嫌いでいじる場所じゃない。彼はセレスと何度もこの部屋に立った。セレスはまず黙って聴いた。壁の音、床の振動、管の鳴き。数字に落とす前に、その“歌”を聴いた。ミレイユは歌を聴く前に歌う。

「王妃様がお越しです!」

 扉が開き、香の匂いとともに一団が入ってきた。王妃リディアは白狐の襟巻きをまとい、微笑の角度を変えない。レオンが後に続き、侍従が記録板を携えている。

「どう?」王妃は一望し、瞳を細める。「とても美しいじゃない」

「まだ仮設です、王妃様」とグレイ。「安全率の確認が——」

「安全、安全って、あなたたちはいつもそれね」リディアは手扇で空気を切る。「民が求めているのは数字じゃないの。希望よ」

「希望は、灯が消えた時いちばん必要になります」とグレイは静かに言った。「消えない灯を作るには——」

「うるさいわ、職人風情が」王妃の笑みは崩れない。「私が命じたの。眩しくして、と。ねえ、ミレイユ」

「はい。王妃様の御意に」

 レオンが言いにくそうに口を開く。「母上……一応、危険が——」

「あなたも“心がない”と断言された女の側に立つの?」リディアの鋭い視線。レオンは口をつぐむ。王妃はミレイユへ向き直る。「任せるわ。王の御前で、王都全体を光で洗礼なさい」

「承りました」

 王妃のかかとが鳴り、一団は退出していく。扉が閉まる音は高く、きっぱりしていた。グレイは額に手を当てた。現場は、今日も政治に負ける。

「機関師長さん」ミレイユは首を傾げる。「そんな顔、しないでください。ちゃんとやります」

「“ちゃんと”の中身を聞きたい」

「整流網の心臓に、歩留まりの良い拡散器を直列。外周に光学結界を展開。余剰は——」

 ミレイユは言い淀んだ。余剰は。セレスなら、外側へ逃がすための山腹バイパスを語っただろう。ミレイユの設計図には“余剰”の欄が白い。彼女の人生には、余剰という概念が薄かった。褒められるとき、余剰は不要だ。すべてを光に変えて、見せる。それが彼女の誇りであり、呪いでもある。

「余剰は——」彼女は笑顔でごまかした。「無駄を出さない設計にしたいんです」

「無駄と余裕は違う」

「違います。でも、無駄はやっぱり無駄です」

 グレイは肩を落とした。言葉は届かない。届かないからといって、手を止めるわけにもいかない。彼は助手に配圧計の追加を指示し、配管のフランジを増し締めさせる。ボルトは嘘をつかない。締まっているか、いないか。数字は残酷だが、誠実だ。

 ミレイユは魔法陣の中央で両手を広げ、試験点灯を始めた。薄い光が立ち、柱の内部で千切れ、壁に飛沫のように散る。地下室の天井が白く照らされ、誰かが息を呑む。美しい。拍手が起こる。助手たちは嬉しそうに顔を見合わせ、グレイは配圧計の針を睨む。針がわずかに震え、戻る。震えの幅は許容内だ。今は。

「素敵です、ミレイユ様」

「ありがとう。もっと明るく」

 彼女は力をほんの少し足す。針が、また震える。戻る。許容内。彼女は自分の胸もまた、小さく震えて戻るのを感じた。褒められる準備が、からだの中に生まれている。誰かに見せたい。誰かに、よかったねと言ってほしい。彼女は子どもの頃と変わらない。大きくなったのは舞台だけ。

     ◇

 控室。鏡が並び、白い照明が顔色を均一にする。化粧係がミレイユの頬に薄く色を足し、髪に白い花を挿す。彼女は鏡越しに自分を見つめ、微笑む練習をする。角度、歯の見せ方、目尻の下げ方。

「緊張なさいますか?」と侍女。

「少し。たぶん、楽しみのほうが大きい」

「王妃様は、ミレイユ様のことをとても信頼しておいでです」

 侍女の言葉は飴みたいに甘い。ミレイユはそれを舌で溶かして飲み込む。甘いものは、時に栄養になる。時に毒になる。今は、栄養だと思いたい。

 扉がノックされ、レオンが顔を出す。彼は笑顔を作るのが苦手だ。作ろうとしているのはわかるのに、いつも途中でやめる。

「調子はどうだい、ミレイユ」

「最高、とは言いません。けど、よくできると思います」

「僕にできることはあるか」

「王妃様を……すこし、落ち着かせてください。光が強すぎると、人は目を閉じてしまうから」

 レオンは意外そうに瞬いた。彼女がそんなことを言うとは思わなかったのだろう。ミレイユは口元で笑った。彼女の中には、計算がないわけじゃないのだ。ある。ただ、計算の先に“拍手”が置かれているのが、彼女の弱さだ。

「わかった。僕も、できる範囲で」

「ありがとう、殿下」

 レオンが去ると、鏡の中のミレイユが一瞬だけ表情を消した。目は——疲れていた。けれど、それすらも舞台装置の一つに変換してしまう柔らかさが、彼女にはある。疲れている私、でも頑張る私。拍手の準備はできている。

     ◇

 地下へ戻る途中、廊下の曲がり角で、灰ローブの老人とすれ違った。宰相代行のバスク。いつも本に顔を突っ込んでいるのに、現場の音をよく覚えている珍しい官僚だ。彼は足を止め、ミレイユのローブを一瞥して言った。

「君は、セレス殿の後任か」

「はい。ミレイユと申します」

「セレス殿は“無能”と言われたそうだが、私はそうは思わぬ。彼女は——冷たいが、街に対しては誠実だった」

「誠実、ですか」

「誠実は、時に拍手が少ない」バスクは苦く笑う。「君は拍手をもらう天才だろう。拍手は音が大きい。だが、配管の唸りは拍手に負けてはいけない」

「……気をつけます」

「気をつける、か。若い者はすぐにそんな言葉を使う。気をつけるなら、まず“余裕”を作ることだ。余剰を嫌うな」

 老爺はそれだけ言い、歩み去る。ミレイユはしばし立ち尽くし、掌を見つめた。光が小さく生まれ、消える。余裕。余剰。無駄。——違う。違うのはわかるのに、言葉が具体に落ちない。彼女の脳裏で、また拍手が鳴る。拍手はいつだって具体だ。だから、救いがたい。

     ◇

 再び中枢儀礼室。助手たちは柱の角度を微調整し、グレイは第三配圧計を取り付けていた。彼は独り言の癖がある。「針は嘘をつかない。お前のことは信じる」針に向かって言うのが常だ。

「本点灯、いくわよ」

 ミレイユは深呼吸を一つ、二つ。陣の境界の文様が青白く輝き、配管の唸りが半音だけ上がる。彼女の指が空を描き、光が生まれる。柱はそれを受け、千切って、壁へ投げる。壁はさらに反射して、導管へ返す。返ってくる光の位相が、入口の位相とわずかにずれる。装飾的な“きらめき”は、その位相ずれから生まれる。美しい。だが、美しさは実務にとってたいてい、不具合の別名だ。

「メーター!」グレイが叫ぶ。

「規定内、ただし——」

 助手が顔をしかめる。「微小な唸り、出てます。第三ハーモニクス」

「第三は悪くない。第五は?」

「第五、微増」

「第七?」

「第七、……出ました」

 グレイは舌打ちした。奇数の上のほうは、嫌な音を連れてくる。柱の内部で、鏡の一枚がかすかに鳴いた。耳のいい助手が顔を上げる。「今の、聞こえました?」

「何も」ミレイユは笑って首を振る。「問題はないわ」

 彼女の耳にも、音は届いていた。薄い金属の悲鳴。けれど、それは“見せる光”には不要な音だ。不要だと思えば、脳は音量を下げる。訓練された舞台人の防御反応。彼女はその防御で自分を守り、同時にそれで現場の“歌”を消してしまう。

「もう少し、明るく」

「待て!」グレイの声が鋭い。「このままでは——」

「王妃様は“眩しく”と仰ったの」

「眩しくて目を閉じたら、誰も見ない」

 短い静寂。ミレイユはほんの一瞬、迷った。迷いは誠実の芽だ。だが、その芽はいつも拍手の靴で踏まれる。彼女は指をわずかに上げた。

「二割、増幅」

 光が膨らむ。柱の鏡が光を噛み砕く。壁が白く焼け、天井の模様が昼のように浮かび上がる。配圧計の針が一目盛り上がり、震える。戻る。——戻る、が、震えが長い。グレイは歯を食いしばった。

「ミレイユ殿、余剰の逃がし口を——」

「逃がしたら、弱く見えます」

「弱く“見える”のが怖いのか、弱く“なる”のが怖いのか」

 問いは鋭かった。ミレイユは答えられない。答えられない自分に気づき、微笑んでごまかす。微笑みは万能薬だ。万能薬は、万能じゃない。

「本番までに、もっと安全にします。今日はこれで」

 点灯を落とし、光が引いていく。地下室はまた冷える。鏡の内部で、誰にも聞こえない薄い余韻が震えて消えた。グレイは壁に手を当て、耳を寄せる。壁は固い。だが固い壁ほど、長く歌う。嫌な歌だ。燃えないのに、焼ける歌だ。

     ◇

 夜。王都の空は晴れ、星は薄い。城の尖塔の上で、王妃は外衣に身を包み、街の灯を眺めていた。彼女の横顔は美しく、そして——満ち足りている。虚栄が満ちると、人は眠る。眠っている間に、世界は別の向きへ動く。

「あの子は使えるわ」とリディアは侍女に言う。「心があって、見せ方を知っている」

「はしたない輩も、すぐ静かになりましょう」

「そう。人は眩しければ黙るの」

 賛同の笑い。風が襟巻きを撫でる。遠くで、導管がかすかに鳴いた。王妃は聞かない。聞くべき音は拍手だけ。これは王にとって致命的な難聴だ。耳が贅沢に慣れすぎた。

     ◇

 その頃。山裾の鍛冶工房。焚き火は灰の下で赤く、セレスは横たわったまま目を開けた。遠雷。遠くの底で、薄い“第七”が鳴った。彼女の琥珀の瞳が、わずかに硬くなる。指先が毛布をひとつ摘まみ、離す。

「聞こえる?」

 暗闇に向かって囁く。誰も答えない。彼女は目を閉じ、胸の奥に小さな弁を作動させる想像をした。開け、閉める。開け、閉める。三日。三日——。

     ◇

 翌朝、地下。グレイは独断で逃し弁の再点検を始めていた。部下が青ざめる。「勝手に変えたと知られたら、首が——」

「構わん。首は替えが利くが、街は一つだ」

 彼は扉の影で小さな祈りを捧げる。宗教心はない。ただ、習慣として祈る。現場の祈りは、たいてい物理だ。ボルトが緩みませんように。針が嘘をつきませんように。人が見栄を優先しませんように。

 そこへミレイユが現れた。肩に朝を乗せ、目の下に薄い疲れ。彼女は明るく言う。

「おはようございます、機関師長さん。今日も光りましょう」

「光るのは良い。眩しくしすぎるな」

「わかってます」

「“わかってます”は、何回めだ」

「何回めでも、言います」

 彼女は微笑み、陣に立つ。純粋は、時に最悪の盾だ。悪意がないから、指摘が刃に変わる。刃を向けるほうが悪者になる。だから誰も、強くは止めない。彼女は悪くない。——そう、誰もが思いたい。思いたい気持ちが、配管の中で泡立ち、やがて泡は連なって流れを塞ぐ。

「この国を、もっと明るく」

 ミレイユは囁き、光を上げた。柱の鏡が歌い、壁が眩暈を起こす。配圧計の針が、ふと、ほんのふと——戻りきらなかった。グレイは見た。見たが、彼女は見なかった。彼女の耳は拍手の残響で塞がれていた。耳に良い音は、危険な音を消す。光の過負荷は、音から始まる。誰もが、そこを見落とす。

 王城の外では、準備の太鼓が鳴る。市場ではランタンの紐が結ばれ、子どもたちが鈴を鳴らして走る。空は今日も冷たい。冷たい空は、光をよく通す。だから、眩しさはいつもより強く見える。強く見えることと、強いことは違う。それを区別できる人間は少ない。区別できる人間は、たいてい嫌われる。セレスのように。

 地下の壁が、わずかに歌った。誰も拍手しない歌。誰も、まだ、気づかない歌。ミレイユは微笑み、王妃は満足げに窓辺で紅茶を傾け、レオンはため息を飲み込み、グレイは針を見つめ、山裾でセレスは眠らずに目を閉じていた。

 光は、過信されていた。過信された光ほど、暗闇を深くするものはない。三日の時計は、静かに進む。針は、嘘をつかない。
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