追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト

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第11話「帰還者たち」

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 朝の脈が二度鳴り、三度目の前。川面は薄灰で、岸の柳が細い指で風を梳く。広場の掲示板には、昨夜の祝祭の残り香がまだ張り付いていた。青い灯の脚は畳まれ、並んだ屋台の木口には、湿り気のある静けさが宿っている。そんな朝、彼らは戻ってきた。

 王妃派の貴族残党。馬具の飾りは外され、紋章は汚れた布で包まれ、しかし姿勢は真っすぐ、目の奥だけが乾いている。行列は音を立てない。音を奪う歩き方を、彼らはよく知っている。音を立てなければ、罪は細く見える——そう信じている歩幅だ。

「臨時評議会を、直ちに」

 先頭の男が帽子を取った。指の関節は白く、爪は光っていた。汚れているふりをして、汚れていない。彼の声は上質な紙の擦過音のように薄い。

 評議会の天幕の中、長机の上で砂時計がひっくり返される。配給、治安、衛生、土木、教育——五つの席に、五つの影。カミラが名簿を抱え、ヨエルが腕章を外し、バスクが杖を握り直す。私は端に座る。設計者の席。背は布、目の前は地図、耳は壁。

「議題は一つ、『王家復古』」

 やはり言った、と内側のどこかが乾いた笑いを一つ。男の口角は上がりすぎず、下がりすぎない位置に固定されている。「王があってこその秩序。王家の名のもとに、迅速な再建を。民の不安は“正統”で鎮まる」——台詞は古く、磨かれている。磨きすぎて、刃が見えない。

「正統はパンを焼かない」とヨエルが即答した。声は低く、だが迷いがない。「秩序は列で立つ。列に“王家”の名は要らない」

「若者の理想は美しい」男は笑う。「だが、外からの軍勢が門に来たとき、笛と紙で追い返せるか?」

「追い返せるまで、街を作る」ヨエルの言葉に拍手はない。拍手は不要だ。ヨエル自身がそれを知っている。

 バスクが咳払いをした。老魔導士の頬に、薄い影。彼は口を開き、閉じ、また開く。「……私は、王家の下で長く働いた。王権が“印鑑”として便利な場面は、たしかにある。だが——」言葉が躓く。躓きが、彼の古い癖を呼ぶ。保身の影が、瞳の底に薄く浮かぶ。王家の傘の下で濡れずに済んだ長い年月の記憶。濡れないことを、正しさと錯覚する癖。

 私は彼の横顔を見ない。代わりに、地図の心臓部、整流の節に耳を寄せる。奥底で、薄いカチ、と音がした。街の血脈のどこか、埋めた“種”が寝返りを打つ音。起動ではない。発熱でもない。ただ、まぶたが持ち上がる前の筋肉の動き。

——一つ、満たされた。

 “旧王権の復活宣言”。

 私は止めない。止める術はある。指先の一押しで、逆位相の薄膜を一枚起こせば、種のまばたきは眠りへ戻る。だが、今は見たい。見て、確かめる。街がこの“毒”にどれだけ耐えられるか。仕組みが人を守れるか。人が仕組みを選べるか。私は監視を選ぶ。怒りではなく、設計の選択として。

「バスク様」貴族の男が老魔導士へ身を寄せる。声の温度が一度だけ上がる。「あなたは賢明だ。宮廷での長年のご経験は、今こそ必要だ。“王の名において”——この言葉は、外への盾になる」

 バスクの喉が鳴った。彼は杖の先で床を二度突く。拍の合図。だが拍は、誰の歌にも合っていない。彼は私をちらと見、その視線をすぐ落とす。迷い。迷いは誠実の芽だが、芽はいつも風に折れやすい。

「王家の名は、もう使わない」とカミラが静かに言った。彼女は掲示板の前で千度以上、列の作法を言葉にした。丁寧な声は、人の焦りを減らす。「“王家の名のもとに優先”——その札を見て、列は壊れました。あの混乱を、私は忘れません」

「侍女風情が」と男は吐く。吐き捨てる音に、天幕の空気がわずかに冷えた。ヨエルが半歩出る。私の膝も、半分だけ前へ行く。だがそこで、バスクが杖を横に差し出し、二人の間を遮った。彼の掌が震えている。震えの粒は、恐怖だけではない。古い忠誠と、新しい責任の綱引き。綱は彼の骨を軋ませる。

「侍女“風情”という言葉は、ここでは無効だ」バスクの声が少し強くなる。「“評議会”は役割で座る。肩書きで座らない」

 貴族の男は眉をひそめ、短い沈黙のあとで笑った。「ならば、票を」

「票はない」と私は言った。「街は、票の前に“脈”で立つ。朝の脈、昼の脈、夕の脈。脈に合わせて動けない仕組みは、ここで剥落する」

「言葉遊びはいい」男は机に手を置く。「外には敵がいる。周りの領主は、お前たちの“青い灯”を“弱い灯”と呼んでいる。王の名を掲げれば、迷いは消える」

「迷いが消えるのは、危険の兆候です」とカミラ。彼女の目は澄んでいる。「迷っているほうが、街はゆっくり歩ける。ゆっくりが、正しい」

 貴族の背後、黒布で紋を隠した男たちが肩を動かす。膨らむ胸。空気の粒が乱れる。乱れは、拍手と喧騒の前兆だ。私は壁に耳を押し付け、街の心臓の音を拾う。——第七が、ほんの半音、下がった。微弱起動。毒は血へ薄く溶け出し、気づかない人の舌に金属の味を置く。気づくのは、たぶん私と、アシェルだけ。

「セレス」低い声。アシェルが天幕の端に立っていた。炭の粉が髪に残り、掌は洗ったばかりの水で濡れている。彼は誰より先に私の横顔を見た。見る、ではない。見張る。支えるために、見張る。

「止めないのか」

「止めない」

「理由を」

「見たい」

「危ない」

「知ってる」

 会話は短剣だ。鞘から出した瞬間、互いに血の匂いを嗅ぐ。アシェルの目は怒っている。怒りに甘さはない。炉の火が高く上がる前の、青い底の熱。

 貴族の男は話を続ける。「復古は、懐古ではない。王家の下で“透明”を続ければいい。“王の名において透明”」——熟練の矛盾。透明に、影を重ねる。

「“王の名”をつけた瞬間、透明は透明じゃなくなる」と私は言う。「“誰の名でもない仕組み”でなければ、列は曲がる」

「なら、名を借りない。王は顔だけだ」

「顔だけが、いちばん危ない。笑う顔は、最強の武器」

 天幕の外、昼の脈が鳴る。広場で青い灯が短く明滅し、人の足音が流れを変える。市場は持ち直し、子どもたちが手を振り、誰かがパンを割る音がした。街は、生きている。生きている街は、毒を薄める力を持つ。だが、種は待つ。条件が揃う日を、静かに待つ。

「投票を——」貴族の男が言いかけたとき、ヨエルが机の端を叩いた。音は鋭いが、怒りではない。合図。

「投票じゃない」ヨエルは手のひらを上げ、広場を指した。「“脈に合わせて動けるかどうか”。それだけだ。王家を呼ぶなら、脈に合わせて王を呼べるのか? 朝の配給に“王の列”をつくるのか? 夜の便所掃除に“王の枠”をつくるのか?」

 天幕の布が、風で外に膨らむ。外の音が一瞬近づき、すぐ遠ざかる。貴族の男は目を細め、「話にならない」と吐いた。吐いた唾は、自分の靴に落ちた。

 バスクが立った。今度は背骨がまっすぐ、杖の音がはっきりしている。「私は……」長い息。「……私は、君(セレス)を恐れていた。王の廊下で、君が壁に耳を当てるのを“奇癖”と呼んだ。違った。君の奇癖のおかげで、今ここに音がある。——だが私は同時に、外の剣の音も知っている」

 彼は貴族の男のほうへ向き直り、静かに首を振る。「“王家復古”は、いま、ここでは唱えない。唱えた言葉は仕組みを壊す。仕組みが壊れれば、剣の音はもっと近くなる。……私は保身のために言っているのではない。街の保身のために言っている」

 保身という言葉を、自分で口にする老魔導士。その言葉が持つ粘りの悪さを、彼は知っている。だから敢えて舌に乗せ、噛み砕いて見せた。噛み砕けば、飲み込める。飲み込めば、血になる。

「では、王家はどこに」貴族の男。

「外に」カミラが即答した。「外に、等距離に。私たちが呼ぶまで、門の外に」

 天幕の空気が、わずかに澄んだ。黒布の男たちが顔を見合わせ、何人かは唇を噛み、何人かは鼻で笑い、何人かはうつむいた。うつむいた者の靴が、土を掴む。掴んだ土は、彼の体重を分け合う。分け合える者は、戻ってこれる。笑った者は、帰り道を失う。

 私は壁に耳を戻す。第七の半音は、まだ低いまま。種は目を細め、周囲の温度を測っている。すぐには動かない。動かないように私は織った。遅い毒は、街の免疫を学習させる。学習できなければ、それまでだ——という冷酷を、私は骨の奥で疼痛として引き受けている。

「セレス」アシェルの声。近い。私は横顔だけを彼に向ける。

「俺は反対だ」彼の言葉は短く、重い。「“王家”も、“静かな毒”も。毒に頼って仕組みを守るの、嫌いだ。嫌いだから、今はお前の横にいる」

「矛盾してる」

「人間は、矛盾で立つ」

 私は笑いかけ、笑いきれず、目だけで謝った。謝るという行為は、骨の弁を一つ開く操作に似ている。開けば、血が流れ、熱が移る。熱は痛みを和らげるが、怒りを薄める。薄まるのが怖い。怖いから、私は半分だけ開けた。

 評議会は結論を出した。——“王家復古”を採らない。宣言もしない。名を掲げない。復古派の提案は、保留ではなく却下。言葉を明確にして、掲示板に貼る。誰でも見える位置。誰にでも読める文。青い透明化の層をかけ、声でも流す。読めない人に届くように。届かないふりをする耳を、少しだけ塞ぐように。

 天幕を出ると、光は白かった。青い灯は消え、代わりに薄い陽が路面の砂に混じる。貴族の列は長くなく、肩は固く、背中は空を見上げず、地面だけを見て歩く。地面は誰にでも同じ硬さだ。硬さに勝てるのは、靴の底だけ。靴を選ぶ自由は、彼らにもある。選べばいい。選ばなければ、靴擦れができる。

「セレス」

 アシェルが呼ぶ。近すぎる距離。私は振り返らず、川のほうへ歩く。彼は付いてくる。靴音が、私の拍に合わせて調整される。

「監視だけ、って顔だ」

「うん」

「止めることも、できた」

「うん」

「止めないことで誰かが傷ついたら」

「私が受ける」

「全部は受けられない」

「全部を受けるつもりはない」

「なら、どれを受ける」

「“私しか知らない部分”」

「ずるいな」

「ずるいわ」

 川辺に立つ。水は灰の記憶を少しだけ薄め、石の間で泡を作る。泡はすぐ消える。消えるたび、音が柔らかくなる。私は膝を折り、指を水に浸す。冷たさが骨に上がる。骨は反射で火を上げる。火は青いまま、静かに噛む。

「王家復古、という言葉を街がどれだけ拒否できるか、見たいの」と私は言う。「“拒否する筋力”は、仕組みを使えば鍛えられる。鍛えられないなら、どのみち折れる」

「実験台に、街を乗せるな」

「実験台に乗ってるのは、いつだって街」

「……正直でいい」

 彼は隣にしゃがみ、水を掬い、手の甲へ落とす。水は鉄の匂いをほんの少し運ぶ。彼は眉をひそめ、私を見る。私は頷く。——種の金属味。微弱。街はまだ、飲み込める。

「バスクは?」

「揺れてる。でも、戻ってくる」

「保身の匂い、した」

「した。でも、本人が嗅いでた。自分の臭いを嗅げる人は、戻ってくる」

 遠くで子どもの笑い。近くで鍋の蓋。背後で掲示板に新しい紙が貼られる音。私は目を閉じ、街の脈と自分の拍を合わせる。合いすぎないように。合いすぎると、街と私の境界が薄くなる。境界が薄くなると、怒りが流れ出る。流れ出た怒りは、誰かの喉を焼く。

「なあ、これ、どこへ向かってる?」アシェルがまた言う。問いは同じ。彼の目は私の横顔の空洞を測っている。

「——“まあよし”の手前」と私は笑って、かわす。「北北東、かもしれない」

「また、それか」

「好きな言葉」

「俺は、お前の“かもしれない”を信じる。信じた上で、反対もする」

「面倒な男」

「面倒を飼うには、青い灯がちょうどいい」

 彼が笑い、私は笑い、笑いは水に落ちて泡になり、消えた。そのとき、街の奥で、薄いカチ、とまた音がした。種の寝返り。聞こえたのは、たぶん私だけ。私は止めない。止めないで、点検のルートを頭に描く。弱い場所、強い場所、弁の位置、井戸の負圧。設計者の祈りは、段取りだ。祈りは道具じゃない。段取りは、道具だ。

 天幕のほうから、バスクの声。「——“王家復古”の提案は却下。掲示済み。外への使者には、“門の外で待て”と伝えた」彼の声に、老いの影はあるが、保身の匂いは少ない。匂いは、水に少し溶けた。

 私は立ち上がり、アシェルと共に広場へ戻る。人々の眼差しが、またこちらに集まる。救い手の色。私はその色に、距離を置き続ける。置くことに、罪悪感を感じないように矯正する。私は神じゃない。神の真似はしない。私は計算された方便。方便で街を守り、毒で街を試し、怒りで自分を支える。

 掲示板の紙が風に鳴った。青い透明層の上で、文字が読み上げられる。「王家復古——却下。名は掲げない。列は続く。脈に合わせよ」。人の顔が、少しずつ、安堵と不安の間の“まあよし”に落ちていく。まあよしは、生き延びるための一時的な天気予報。私はそれを好む。

「セレス」横でアシェルが言う。「お前の横顔、さっきより少しだけ埋まってる」

「何で?」

「責任、ってやつ。空洞に合う骨だ」

 私は答えず、青い灯が畳まれた跡に足を置いた。地面は固い。固さは裏切らない。裏切らないものの上に、私は街の次の線を一本足した。細く、しかし消えない線。誰の名でもない線。条件の鎖と同じくらい、執念深い線。

 帰還者たちは、風に背を押されるように門へ向かった。風は彼らの背に冷たく、街の頬にやさしい。毒は静かに、歌は静かに、朝は静かに——それぞれの速度で、進んでいく。私は監視を続ける。止める時のために。止めない時のために。どちらにも折れられるように、骨の折り目をもう一度確認しながら。
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