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第20話 風の誓い
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夜明けは静かな鈴の音で始まった。誰も鳴らしていないはずの鈴――銀花の群れが、露を吸い上げるときに立てる、ごく細い震え。
丘の斜面に座ったローザは、その音を胸の内側で受け止めるみたいに、掌を土へ伏せた。土は冷たい。でも、冷たさの奥に脈がある。ここが“眠る場所”で、同時に“生きる場所”だと、体のほうが先に思い出す。
「起きてる?」
風の入口の方向へ、つい声が漏れる。返事は、布が寝息で鳴る音――昔、彼が教えた合図だ。契印は熱を持たない。ただ、火の熾きのようにふっと温かい。〈いる〉。その一言のために、今日も全部を始められる。
背後で、草を踏む軽い足音。振り向くと、リアンがマントを肩に掛けて坂を上ってくる。頬が冷気で桃色に染まり、目には眠気の残光。
「ローザ様、雛が――また笑いました」
「“絶対”のやつ?」
「はい、“絶対”です。今日のは、笑いでした」
「よろしい。笑いは朝の仕事を軽くする」
冗談半分に言いながら立ち上がる。視界の端で、谷が大きく息をつくのが分かった。焦げた地面はもうほとんど見えない。畝は新しい筋を増やし、井戸の布は昨夜結び直したばかりで白い。集いの輪には、朝のスープの湯気が薄く立ちのぼる。遠くの段々畑でゲルが腕を回し、テオが少年たちに鍬の角度を示している。ミルドは杖で地を二度、静かに叩いた。合図の音。花園は、今日も正しく動き出す。
「領主さま!」
坂の下から声。王都の土の匂いを帯びた馬が数頭、石の道をゆっくり上ってきた。先頭にセシリア、後ろに学匠院の青年シオン、そして、初めて見る年配の男。衣は質素だが縫い目は良い。王都の役目を背負った者の所作で、彼は馬から降りた。
「“花園の領主”ローザ殿に拝謁を」
「どうぞ。朝食は薄いけれど、温かいわ」
冗談に、男の口元がわずかにほころぶ。
「温かいものを頂けるだけでありがたい。私は王都調整院のオルヴァンと申す。書を携えて参った。陛下の御意、……いや、御願いに近い」
「願い?」
「はい。“竜と人の契り”について、王都の書を改めたい。均すためではなく、守るために。王は老い、時代は変わる。新しい言葉が必要だ。……この地の“呼吸”を、書き残したい」
セシリアが目だけで小さく頷く。選ぶべき言葉を選んできた顔だ。ローザは腕を組まず、代わりに掌を広げた。
「見せられるのは、花と手と風だけ。それでよければ」
「それが欲しいのです」
集いの輪に座を用意し、蜂蜜をほんの少し溶かした温い茶を皆で飲む。オルヴァンは湯気の向こうで銀花の帯に目を細め、小さく息を吐いた。
「噂は聞いていたが、噂はいつも遅い。これは……奇跡というより、手順の積み重ねだな」
「奇跡は静かで、手順は賑やか。だいたい、いつも隣り合ってます」
「書にそう書こう」
雛が目を覚まし、リアンに抱かれて温室から現れた。掌二つ分の小さな銀が、朝の光を受けて薄く呼吸する。オルヴァンは無言で帽子を取り、深く頭を垂れた。敬意の角度が、正しい。
「名は?」
「まだ。名は重いから、背骨が育つのを待ってる」
「名を待つ。――それも書に記すべきことだ」
食後、ローザは丘を下り、王都の客を伴って花園を一巡した。畝では子どもたちが土の“目”を読む練習をし、井戸では輪番の子が布の結び目を確かめ、祈りの輪では老人たちが“眠りの火”を守る。石垣の口は昨日移したばかりで落ち着き、蜂蜜は薄く、咳は温かい湯で流す。オルヴァンは一つひとつを短く確かめ、シオンが汗を滲ませながら速い字で書き付ける。セシリアは風の通りを見て、時折オルヴァンの肩を小突いた。「そこ、“均す”じゃない。“ほどく”よ」と。
正午、短い会合。オルヴァンは羊皮紙の束を整えた。
「“領主”という呼び名について、王都で議論がある。あなたを“辺境領主”に再び任じ、年貢を――」
「要らない」
ローザは首を振った。
「いえ、違う。“要らない”じゃない。“形を変える”。年貢は穀物の一部じゃなく、冬の布と薬と職人を。ここに来て、手で渡して。書で送るのは半分まで」
「半分まで」
「半分は、手で」
オルヴァンは笑った。
「王都にとっては難題だが……“半分”には強い。半分を積み重ねるのが、国家の仕事だと私は思っている」
「なら、同じ」
短い取り決めのあと、彼はふと丘の上を見た。
「ここに、言葉を置いて帰りたい」
「どうぞ」
彼は細い声で言った。
「――『滅びの果てに、愛が咲く』」
ローザは息を吸った。胸の奥で、熾きが明るくなる。〈聞いている〉。風が、彼女の頬を撫でた。
日が傾き、王都の客人たちが帰る支度を整える。門のところでセシリアが肩を寄せた。
「今日は“願い”が形になった。あなたが“半分”と言ってくれて助かった」
「私も半分しか持ってないから」
「半分の人が集まれば、たいてい回る。――また来る」
「待ってる」
馬の蹄が遠ざかるころ、花園は夕方の色をまとい始めていた。リアンが雛を寝かしつけ、テオが畝の端に小石を足し、ゲルが段々畑を見てうなずき、ミルドが杖で床をとんと鳴らして「終い」を合図。子どもたちが片付けの歌を小さく口ずさむ。日常の音が、花の鈴と混ざり合う。
ローザは丘に向かった。風が背を押す。上り切ると、遠くの山脈が紫に近い紺で眠っている。空は高く、雲は薄い。足元の銀花は、夕陽で色を溶かしながら、なお小さく呼吸していた。
「――ここに誓うね」
言葉を置く前に、胸の灯りが一度だけ強くなる。〈いる〉。合図は相変わらず、簡素で十分だ。
「あなたの眠るこの地で、私は生きていく。畝を増やし、井戸の布を替え、祈りの輪を“集い”として守る。孤児に文字を、年寄りに火を、病に薄い甘さを、悲しみに座る場所を。……愛は滅びない。形を変えて、手の中に残る。私はそれを、“手順”にする。忘れられないように」
風がひとつ、丘を渡った。髪が持ち上がり、耳もとで小さな音がした。薄い鱗が擦れる音――いや、そう聞こえただけだろう。けれど、聞こえた。彼女は微笑んで続ける。
「書も、変える。王都の“均す”に、ここの“ほどく”を足す。あなたが憎んだ言葉を、少しずつ、ましにする。嘘の中で試された愛は、いま、ここで“約束”に変わる。私は約束を灯りにして、道をつくる。手で。毎日」
足元の銀花が、風に沿ってさざ波のように揺れた。露が跳ね、ひとつがローザの甲に触れる。冷たくて、気持ちがよい。遠くで寄宿舎の窓に灯がともり、温室の布が寝息の音で鳴った。リアンが台所の片付けをしているカチャリという音、テオの笑い声、ゲルの低い返事、ミルドの杖。全部、ここにある。
「――ありがとう」
最初は彼へ。次に土へ。最後に、自分へ。言葉は三つに分けると、ほどけにくい。
そのときだった。丘の上の風が、ふいに向きを変えた。銀花の間に、細い何かが舞い降りる。光はない。ただ、光った記憶の形。ローザは手を上げ、そっと受け止めた。薄く、軽い。鱗だ。銀の、ほんの欠片。触れると、消えそうなほど繊細なのに、掌の真ん中で確かな重さを持っている。
胸の契印が、熾火の色でふっと灯る。〈ありがとう、ローザ〉
息が詰まり、そしてほどけた。涙は出ない。もう泣き方を知っているけれど、今は泣く番ではない。笑う番だ。彼女は鱗を額に当て、花の上にそっと戻した。落ちた場所から、銀花がひとつ、音もなく開く。開いた花弁が、風に合わせて小さく頷いた。
「うん。こちらこそ。……ありがとう」
丘を降りる道、ローザの足跡に沿って新しい銀が灯る。夜の底へ続く細い道は、昨日より少しだけ太い。集いの輪では、子どもたちが布団にもぐり、誰かが古い子守歌を歌っている。温室では雛が丸くなり、時折り小さく鼻を鳴らす。寝息の音で風の入口が応える。〈いる〉。それで十分だ。
部屋に戻り、手帳を開く。今日の三つを書く。
〈一、王都の“願い”を半分受ける。二、畝と石の口、まし。三、丘で鱗――ありがとう。〉
ペンを置くと、窓の隙間を風が通り、灯りがゆらりと揺れた。熾火に息を吹きかけるときの、あのやさしい揺れ。ローザは灯りを落とし、暗闇の中で掌を胸に重ねる。灯りは内側に移り、静かに燃える。外では銀花の鈴が細く鳴り、遠くの森の影が夜の色に深まっていく。
「おやすみ。明日も、“まし”にする」
返事は、風。丘の上から、砦の屋根から、温室の布から、井戸の水面から。たくさんの「おやすみ」が行き来し、夜はやわらかい。愛は滅びない。形を変えて、ここにいる。ここで、咲き続ける。ローザは目を閉じ、その確かさを抱えて眠りに落ちた。銀の鱗が、夢の中でもう一度だけ、ありがとう、と囁いた気がした。
丘の斜面に座ったローザは、その音を胸の内側で受け止めるみたいに、掌を土へ伏せた。土は冷たい。でも、冷たさの奥に脈がある。ここが“眠る場所”で、同時に“生きる場所”だと、体のほうが先に思い出す。
「起きてる?」
風の入口の方向へ、つい声が漏れる。返事は、布が寝息で鳴る音――昔、彼が教えた合図だ。契印は熱を持たない。ただ、火の熾きのようにふっと温かい。〈いる〉。その一言のために、今日も全部を始められる。
背後で、草を踏む軽い足音。振り向くと、リアンがマントを肩に掛けて坂を上ってくる。頬が冷気で桃色に染まり、目には眠気の残光。
「ローザ様、雛が――また笑いました」
「“絶対”のやつ?」
「はい、“絶対”です。今日のは、笑いでした」
「よろしい。笑いは朝の仕事を軽くする」
冗談半分に言いながら立ち上がる。視界の端で、谷が大きく息をつくのが分かった。焦げた地面はもうほとんど見えない。畝は新しい筋を増やし、井戸の布は昨夜結び直したばかりで白い。集いの輪には、朝のスープの湯気が薄く立ちのぼる。遠くの段々畑でゲルが腕を回し、テオが少年たちに鍬の角度を示している。ミルドは杖で地を二度、静かに叩いた。合図の音。花園は、今日も正しく動き出す。
「領主さま!」
坂の下から声。王都の土の匂いを帯びた馬が数頭、石の道をゆっくり上ってきた。先頭にセシリア、後ろに学匠院の青年シオン、そして、初めて見る年配の男。衣は質素だが縫い目は良い。王都の役目を背負った者の所作で、彼は馬から降りた。
「“花園の領主”ローザ殿に拝謁を」
「どうぞ。朝食は薄いけれど、温かいわ」
冗談に、男の口元がわずかにほころぶ。
「温かいものを頂けるだけでありがたい。私は王都調整院のオルヴァンと申す。書を携えて参った。陛下の御意、……いや、御願いに近い」
「願い?」
「はい。“竜と人の契り”について、王都の書を改めたい。均すためではなく、守るために。王は老い、時代は変わる。新しい言葉が必要だ。……この地の“呼吸”を、書き残したい」
セシリアが目だけで小さく頷く。選ぶべき言葉を選んできた顔だ。ローザは腕を組まず、代わりに掌を広げた。
「見せられるのは、花と手と風だけ。それでよければ」
「それが欲しいのです」
集いの輪に座を用意し、蜂蜜をほんの少し溶かした温い茶を皆で飲む。オルヴァンは湯気の向こうで銀花の帯に目を細め、小さく息を吐いた。
「噂は聞いていたが、噂はいつも遅い。これは……奇跡というより、手順の積み重ねだな」
「奇跡は静かで、手順は賑やか。だいたい、いつも隣り合ってます」
「書にそう書こう」
雛が目を覚まし、リアンに抱かれて温室から現れた。掌二つ分の小さな銀が、朝の光を受けて薄く呼吸する。オルヴァンは無言で帽子を取り、深く頭を垂れた。敬意の角度が、正しい。
「名は?」
「まだ。名は重いから、背骨が育つのを待ってる」
「名を待つ。――それも書に記すべきことだ」
食後、ローザは丘を下り、王都の客を伴って花園を一巡した。畝では子どもたちが土の“目”を読む練習をし、井戸では輪番の子が布の結び目を確かめ、祈りの輪では老人たちが“眠りの火”を守る。石垣の口は昨日移したばかりで落ち着き、蜂蜜は薄く、咳は温かい湯で流す。オルヴァンは一つひとつを短く確かめ、シオンが汗を滲ませながら速い字で書き付ける。セシリアは風の通りを見て、時折オルヴァンの肩を小突いた。「そこ、“均す”じゃない。“ほどく”よ」と。
正午、短い会合。オルヴァンは羊皮紙の束を整えた。
「“領主”という呼び名について、王都で議論がある。あなたを“辺境領主”に再び任じ、年貢を――」
「要らない」
ローザは首を振った。
「いえ、違う。“要らない”じゃない。“形を変える”。年貢は穀物の一部じゃなく、冬の布と薬と職人を。ここに来て、手で渡して。書で送るのは半分まで」
「半分まで」
「半分は、手で」
オルヴァンは笑った。
「王都にとっては難題だが……“半分”には強い。半分を積み重ねるのが、国家の仕事だと私は思っている」
「なら、同じ」
短い取り決めのあと、彼はふと丘の上を見た。
「ここに、言葉を置いて帰りたい」
「どうぞ」
彼は細い声で言った。
「――『滅びの果てに、愛が咲く』」
ローザは息を吸った。胸の奥で、熾きが明るくなる。〈聞いている〉。風が、彼女の頬を撫でた。
日が傾き、王都の客人たちが帰る支度を整える。門のところでセシリアが肩を寄せた。
「今日は“願い”が形になった。あなたが“半分”と言ってくれて助かった」
「私も半分しか持ってないから」
「半分の人が集まれば、たいてい回る。――また来る」
「待ってる」
馬の蹄が遠ざかるころ、花園は夕方の色をまとい始めていた。リアンが雛を寝かしつけ、テオが畝の端に小石を足し、ゲルが段々畑を見てうなずき、ミルドが杖で床をとんと鳴らして「終い」を合図。子どもたちが片付けの歌を小さく口ずさむ。日常の音が、花の鈴と混ざり合う。
ローザは丘に向かった。風が背を押す。上り切ると、遠くの山脈が紫に近い紺で眠っている。空は高く、雲は薄い。足元の銀花は、夕陽で色を溶かしながら、なお小さく呼吸していた。
「――ここに誓うね」
言葉を置く前に、胸の灯りが一度だけ強くなる。〈いる〉。合図は相変わらず、簡素で十分だ。
「あなたの眠るこの地で、私は生きていく。畝を増やし、井戸の布を替え、祈りの輪を“集い”として守る。孤児に文字を、年寄りに火を、病に薄い甘さを、悲しみに座る場所を。……愛は滅びない。形を変えて、手の中に残る。私はそれを、“手順”にする。忘れられないように」
風がひとつ、丘を渡った。髪が持ち上がり、耳もとで小さな音がした。薄い鱗が擦れる音――いや、そう聞こえただけだろう。けれど、聞こえた。彼女は微笑んで続ける。
「書も、変える。王都の“均す”に、ここの“ほどく”を足す。あなたが憎んだ言葉を、少しずつ、ましにする。嘘の中で試された愛は、いま、ここで“約束”に変わる。私は約束を灯りにして、道をつくる。手で。毎日」
足元の銀花が、風に沿ってさざ波のように揺れた。露が跳ね、ひとつがローザの甲に触れる。冷たくて、気持ちがよい。遠くで寄宿舎の窓に灯がともり、温室の布が寝息の音で鳴った。リアンが台所の片付けをしているカチャリという音、テオの笑い声、ゲルの低い返事、ミルドの杖。全部、ここにある。
「――ありがとう」
最初は彼へ。次に土へ。最後に、自分へ。言葉は三つに分けると、ほどけにくい。
そのときだった。丘の上の風が、ふいに向きを変えた。銀花の間に、細い何かが舞い降りる。光はない。ただ、光った記憶の形。ローザは手を上げ、そっと受け止めた。薄く、軽い。鱗だ。銀の、ほんの欠片。触れると、消えそうなほど繊細なのに、掌の真ん中で確かな重さを持っている。
胸の契印が、熾火の色でふっと灯る。〈ありがとう、ローザ〉
息が詰まり、そしてほどけた。涙は出ない。もう泣き方を知っているけれど、今は泣く番ではない。笑う番だ。彼女は鱗を額に当て、花の上にそっと戻した。落ちた場所から、銀花がひとつ、音もなく開く。開いた花弁が、風に合わせて小さく頷いた。
「うん。こちらこそ。……ありがとう」
丘を降りる道、ローザの足跡に沿って新しい銀が灯る。夜の底へ続く細い道は、昨日より少しだけ太い。集いの輪では、子どもたちが布団にもぐり、誰かが古い子守歌を歌っている。温室では雛が丸くなり、時折り小さく鼻を鳴らす。寝息の音で風の入口が応える。〈いる〉。それで十分だ。
部屋に戻り、手帳を開く。今日の三つを書く。
〈一、王都の“願い”を半分受ける。二、畝と石の口、まし。三、丘で鱗――ありがとう。〉
ペンを置くと、窓の隙間を風が通り、灯りがゆらりと揺れた。熾火に息を吹きかけるときの、あのやさしい揺れ。ローザは灯りを落とし、暗闇の中で掌を胸に重ねる。灯りは内側に移り、静かに燃える。外では銀花の鈴が細く鳴り、遠くの森の影が夜の色に深まっていく。
「おやすみ。明日も、“まし”にする」
返事は、風。丘の上から、砦の屋根から、温室の布から、井戸の水面から。たくさんの「おやすみ」が行き来し、夜はやわらかい。愛は滅びない。形を変えて、ここにいる。ここで、咲き続ける。ローザは目を閉じ、その確かさを抱えて眠りに落ちた。銀の鱗が、夢の中でもう一度だけ、ありがとう、と囁いた気がした。
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