愛されない令嬢が時間を巻き戻して復讐したら、今度は全員が彼女に跪く世界に

タマ マコト

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第12話 沈黙の取引

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 夕暮れの鐘が三つ、王都の屋根をやわらかく叩いた。私は書斎の扉を閉め、机の引き出しから懐の鈴と“器”を取り出す。怒りは糸、悲しみは霧、恐れは点――弁を所定の位置に置く。今日だけは、言葉が刃になる。余計な震えは許されない。

「セレナ」

 ノックは一度。直線の男、カイル・ハーランド。入ってきたとたん、部屋の空気が整理される。彼の存在は、いつもそういう効果を生む。私は椅子を勧めず、窓際まで歩いた。

「ここから先の話、報告書には書けない。書かなくていい。ただし――覚えて」

「覚える。俺の頭は紙より丈夫だ」

「約束して。今日、あなたは“護衛”じゃなく“証人”になる。私と王妃、そして……私とあなたの」

「取引か」

「うん。“沈黙”の」

 カイルは眉をわずかに動かし、口を結ぶ。私は深呼吸を一回、弁を微調整してから言った。

「――私、処刑された。三年前の未来で」

 部屋の音が一段落ちた。彼の瞳孔がわずかに開く。私は逃げない。視線を外さず続ける。

「断罪の舞踏会のあと、王宮広場で。私は『私の言葉が真実だと知る日が来る』って言って、刃が落ちる直前に“声”を聞いた。神か何か知らない。ただ問われたの。『やり直したいか』。私はうなずいた。――気づいたら、春だった。三年前の。契約の代価に、私の『愛』を全部差し出した。だから私は冷たい。冷たくしてないと、回路が焼けるから」

 彼は沈黙を選んだ。選んだ沈黙は、否定の代わりではない。聞くための沈黙だ。私はそれに甘えず、もう一段深く踏み込む。

「私の目的は“復讐”じゃない。“構造の改修”。腐敗の匂いは王の足元から、禁環の毛羽立ちは魔導師団の内側から。全部、燃やせば早い。でも、燃やせば殿下も民もいっしょに焼ける。だから私は“影”を使う。静かな切断で、床を張り替える」

「……信じる」

 短い。けれど、彼の声はまっすぐで重い。私はつい口端が緩みそうになり、慌てて戻す。

「本当に? 笑わない?」

「笑う理由がない。俺は、“お前が断頭台を前に背筋を立てる顔”を知っている。嘘じゃつけない顔だ」

 肺の奥で固まっていた氷が、少し軋んで割れた。音を出さないよう、私は“器”に指を添える。

「ありがと。――じゃあ、取引の内容に入る。相手は二つ。ひとつは王妃。もうひとつは魔導師団の“黒評議”側。レオン・ヴァイスは窓口。こちらが差し出すのは、『禁環の鍵穴の位置』『導線の図』『影布の薄さの乱れの記録』。見せるのは王妃経由だけ。公開はしない。その代わり、向こうに飲ませる条件は三つ」

 指を三本、静かに立てる。

「一、禁環の停止。西壁からの導線を切ること。儀器の撤去と“場”の修復。二、“声の重さ”――意識を傾ける術の廃止を誓約書に。違反したら王妃の監察に直行。三、レオン個人の“処分”は内部で完結。代わりに、団は殿下の公務補助から一歩下がる」

「……名を晒さない」

「晒さない。いまは。面子を残せば、彼らは“沈黙”を選ぶ。沈黙は、止血に効く」

「弱腰に見える」

「短期ではね。長期では違う。面子を残すことで、団内の“理性側”がこちらに寄る。敵を丸ごと敵にしない。分ける。切るのは“技術”と“流路”。人は最後」

 カイルは腕を組み、短く考えてからうなずいた。

「条件、俺も乗る。だが俺にも条件がある」

「なに?」

「四つ。――一、お前は“鍵穴”に一人で近づかない。必ず鈴を鳴らすか、俺を呼ぶ。二、撤退の規則を明文化する。危険三回の合図が来たら、必ず戻る。三、復讐に直結する判断は、夜明けまで保留する。熱い頭で決めるな。四つ目は……」

「四つ目は?」

「生き延びるのを、先に置け」

 喉が痛む。涙腺は動かない。契約で凍っている。なのに、痛みだけが生々しい。

「……約束はできない」

「願いだ。覚えておけ。今じゃなくていい。いつかでいい」

「覚える。忘れない」

 私は鈴を握り、音を立てずに重さだけ確かめた。軽い。なのに、落ちない。落とせない。

「行こう。王妃のところへ。最初の“沈黙”は、あの人から」



 王妃の私室。扇の骨が一度鳴り、私たちに席が勧められる。私は図を出さない。言葉で、点と線と“凹み”を並べた。西壁、導線、鍵穴、“声の重さ”。王妃は一言だけ言う。

「交換条件は?」

「禁環の停止・撤去・修復。術の廃止誓約。団の一歩後退。公表はしない。ただし、違反時は即時公開」

「よろしい。仲介は私がする。あなたは影に」

 王妃の視線がカイルへ滑る。「護衛殿、あなたは?」

「証人になります。彼女の条件を記録し、違反時は騎士団として動く」

「堅いのね」

「直線ですから」

 王妃が口元だけで笑い、扇を裏返した。「夜、レオン・ヴァイスを呼ぶ。誰にも知られずに、ここで。あなたたちは屏風の陰に」

 私は頭を下げ、“器”を掌で温めた。今夜の言葉は短く、鋭く。血を出さずに骨を折る。それが“沈黙の取引”。



 夜、王妃の私室は灯りを減らし、屏風に影を落としていた。私は影布を二枚、扇のように広げ、屏風の裏に張る。微光は使わない。言葉の圧で充分だ。カイルは壁に背を預け、剣は持っていない。持っていないことが、今日の合図だ。

 レオン・ヴァイスが入ってくる。礼は美しい。王妃は挨拶も短く、椅子に指先で触れて座らせた。

「本題だけ。――殿下の居室、禁環の起点は西壁。導線は二本、寝台の足元で交差。目的は“声の重さ”。あなたの携行器具は検査の顔をした加害装置。違う?」

 レオンの笑顔が一秒遅れて揺れ、すぐ整う。「推測の域では」

「証拠は十分。だが、公にはしない。いまは。――交換の条件を飲みなさい」

 王妃の声は静かで、刃だった。レオンは薄く息を飲む。彼は賢い。賢い者は、沈黙の意味を理解する。

「……条件を」

「禁環の停止・撤去・修復。術の廃止誓約。団の公務から一歩下がる。違反時は、団の名前ごと王都に晒す」

「……誰が、それを」

 王妃は扇を叩かない。代わりに私を見ずに言った。「記録している者がいる」

 屏風の陰で、カイルが一枚の紙に簡潔な文を記す。私の胸の鈴が、鳴らないまま重い。レオンの視線が屏風の端に流れ、すぐ戻る。

「殿下のためです。王家のためでも」

「その表現は、あなた方の内部でのみ通じる。――王家のために王太子の心を曲げるのは、反逆の定義に足る」

「……王妃殿下は、厳しい」

「床を張り替えるには釘が要るの」

 沈黙。部屋は音を吸い、外の風鈴の音さえ届かない。レオンが目を閉じ、ゆっくり開く。

「わかりました。条件を飲む。ただ、二つだけ」

「言って」

「撤去と修復の“手順”はこちらに任せてください。拙速は“場”を壊す。――もう一つ、公務からの後退は“名目上”。現場の補助は継続したい。殿下の安全確保のために」

 私は屏風の陰から一歩出た。王妃も止めない。レオンの琥珀の目が、わずかに見開かれる。私は微笑まない。

「手順は任せる。ただし“期限”を切る。三日。三日で“毛羽立ち”が消えなければ、次は“光”でやる。公務の件は、王妃の監察の下、限定的に。殿下の“声”に関わる場からは外れて」

「……令嬢は、容赦がない」

「容赦は燃料になる。いまは火を嫌う」

 レオンは立ち上がり、深く礼をした。「三日で終わらせます。殿下に“重さ”はかけない。――沈黙を、感謝します」

「感謝はいらない。違反しないで。鈴は三回鳴らさないと、私は戻らないから」

 レオンは意味を測りかねた顔をして、王妃に視線を流す。王妃はただ扇を裏返した。取引は成立。沈黙という名の契約書が、ここに一枚敷かれた。



 廊下に出た途端、膝が少し笑った。カイルがすかさず肩に手を置く。重さは最小限、温度は適温。私は頷き、歩幅を合わせた。

「終わったな」

「第一段階だけ。三日、見張る。――あなたの条件、忘れてない。ひとりで鍵穴に近づかない。危険三回で戻る。夜明けまで考える。生き延びるを先に置く」

「覚えてるなら十分だ」

「でも、ひとつは今夜破るかもしれない」

「どれだ」

「夜明けまで保留。……殿下に“真実”の一部だけ、今夜伝える。あなたに言った『やり直し』は、殿下には言えない。でも、“今の危険”は知らせる」

「付き添う」

「来ないで。私が殿下の目を見て話す。第三者の影が映ると、言葉の角度が曲がる」

 彼は短く息を呑み、すぐ頷く。「鈴を」

「鳴らすよ」



 殿下の居室。西壁の影布は静かに息をしている。私は扉を閉め、アレンと向かい合った。彼は紙を手にしていたが、机に置いた。

「レオンは帰った。王妃から聞いた。条件は飲んだらしい」

「三日ですべてやめさせる。殿下の足元にかかっていた“見えない重さ”は、今夜から薄くなる」

「重さ……ああ、なるほど。最近、決断したあとに少しだけ“後悔の残り香”があった。あれか」

「それは殿下のせいじゃない」

「君の言葉は、正しくて、優しい」

「優しくない。実務」

 彼は笑った。笑いは音。音は少しだけ私の氷を溶かす。私は目を伏せ、呼吸を四拍に戻す。

「殿下。危険は王宮の内側にある。魔導師団の“技術”が、“忠誠”の衣を着て近づいている。私は“沈黙”で一度切った。――でも、また来る。来るたびに切る。床が張り替わるまで」

「君の刃は、君の体に刺さらないか」

「刺さらないように、鈴を持ってる。……殿下、お願いがある」

「なんでも」

「私が“戻れ”の鈴を三回鳴らしたら、その場で私を呼び戻して」

「俺に?」

「殿下の“声”は、術がなくても重いから」

 彼は目を見開き、すぐにうなずいた。「わかった。……君は、怖いほど強い」

「怖いほど弱いから、強く見せてるだけ」

 言ってから、胸の奥が軋んだ。彼の前でこういう言葉を使うのは、反則に近い。私は話を切り上げ、礼をして部屋を出た。扉が閉まる直前、彼が小さく言った。

「生きてくれ」

 心臓が一拍、強く打った。私は返事をしなかった。返事をすると、鈴が鳴る気がした。



 廊下の角で待っていたカイルが、何も聞かずに歩き出す。私は並ぶ。彼は視線を前に置いたまま、低く言った。

「取引は成功だ。三日見張る。四日目に“光”の用意」

「うん」

「……セレナ」

「なに」

「復讐より、君自身を守ってくれ」

 その一言だけで、胸中の氷が軋む。ひびが広がる音が、耳の内側で生々しく響く。私は立ち止まらず、言葉を探し、選び、削って、置いた。

「――約束はしない。でも、鈴は持ってる」

「それで、今はいい」

 扉の前、彼は短く指を上げた。開いた手のまま、一回、二回。引き返す合図。私は頷き、懐の鈴を指で押さえた。鳴らない。鳴らさない。けれど、重さは確かにある。

 “沈黙の取引”は、始まったばかりだ。私は影の角度を測り直し、三日の時計を胸に掛けた。燃やさない。凍らせない。冷たさで、終わらせる。その途中で、もしも私の氷が、ほんの少しだけ溶けたとしても――鈴がある。戻る道は、まだ消していない。

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