愛されない令嬢が時間を巻き戻して復讐したら、今度は全員が彼女に跪く世界に

タマ マコト

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第18話 旅人の青年

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 沈黙週間の四日目、王都は耳だけで会話していた。鐘は鳴らず、張り紙は消え、広場では人が自分の声で自分の用事を言う。風がひとつ吹けば、噂もひとつ飛ぶけど、今は飛距離が短い。空気が静かだと、言葉は重くなる。私は北の広場で椅子を一脚ずらし、聞き取り席の影に入った。

「宰相様、水路、直ったよ」

「よかった。次は泥の抜け道、順番を決めるね」

 短い言葉で次へ渡す。耳は使うけど、口は疲れさせない。そう決めて、四日目。昼の半分を過ぎたころ、広場の端で小さな騒ぎが起きた。騒ぎと呼ぶほどでもない。数人が目を向けた程度の「違う気配」。私の耳の内側が、ひょいと顔を上げる。

 黒でも白でもない外套。土の色に似た、旅の布。靴底に町の泥ではない砂が残っていて、歩幅は旅人の癖――踵から真っ直ぐ入って土踏まずで抜ける。若い男だ。髪は陽に焼けて、瞳は灰青。城門で止められずに広場まで入ったってことは、身元は通っている。もしくは、通る必要のない誰かの「紹介」を持っている。

 彼は列に並ばず、私の椅子から二歩離れた場所に立った。距離のとり方が、上手い。近くも遠くもない。「話すつもり」の距離。

「ここ、座っていい?」

 旅人は見取り図の机を覗き込まない。私を見る。まっすぐ。でも、刺さらない。私は指で隣の椅子を示した。

「どうぞ」

「ありがとう。待つの、嫌いじゃないけど、今日はあまり時間がないんだ」

「旅の予定?」

「いや、予定は風任せ。でも今日は、“言うべき先”が決まってて」

「言うべき先?」

「君」

 呼吸が一拍、ずれる。弁を軽く締め直す。怒りは糸、悲しみは霧、恐れは点。直す。均す。旅人は笑わない。笑う準備だけ、顔の筋肉に溜めて持っている。

「名前は?」

「リオン。町ごとに呼び名は変えるけど、今はそれで通してる」

「出身地は?」

「北の丘の向こう。雪が長い土地。君の王国の地図だと、余白の端」

「国籍は?」

「境目のほうが落ち着く」

 答えになっていないのに、嘘の湿りがない。私は椅子の背にもたれず、真ん中に座って彼を見た。視線の高さは同じ。彼はそれを確認してから、声を落とす。

「君の作る国は、美しい」

 広場の空気が、その一文に軽く揺れた。誰かがこちらを見、すぐ自分の用事に戻る。称賛は音を立てやすい。でも今の彼の声は、水面の上に落ちる羽根みたいに音が薄かった。私は「ありがとう」とは言わない。代わりに問いを一段深くする。

「どの部分が?」

「音の少なさ。通りの角に置かれた水。窓辺の白い布。夜に鳴らない鐘。――美しい形って、だいたい静かだ」

「中身は?」

「まだ途中。でも途中の美しさは、完成より好きだ」

 返しが滑らかすぎない。柔らかいのに、輪郭はある。私は机の端の紙に目を落として、ペン先で小さく点を打つ。誰かの言葉を、自分の中に留める儀式みたいな癖。

 彼は続ける。

「でもね、君の瞳は哀しい」

 砂利が一粒、心臓に当たったような手応えがあった。反射で視線が逸れそうになって、逸らさない。私は彼の目を見る。灰青。湖のそばの朝みたいな色。

「――哀しいって、どういう意味」

「晴れてるのに、波がない。向こう岸まで見える水面に、石を投げる人がいない目。……君は、救われたあとに残る“虚ろ”を自分で管理してる。上手いよ。上手いけど、哀しい」

 言葉の選び方が、旅人にしては正確だ。私は唇の内側を噛まずに、舌で一回触って落ち着きを確認する。「虚ろ」は私の言葉。彼が口にしていいかどうかは、本来、私が決める。なのに、彼は迷わず触れた。怒りは湧かない。驚きと、少しの居心地の悪さ。正確に痛い場所へ当てられたときの、あの感じ。

「旅人が宰相の目を評するなんて、礼儀知らずだね」

「礼を言ってくれって意味じゃない」

「じゃあ、なんのため」

「確認。――君が“虚ろ”を嫌っていないかどうか」

「嫌ってない。使ってる」

「うん。そう聞けて、安心した」

 軽い吐息。私の胸の鈴は鳴らない。鳴らないけど、重さが一つ増えた。私は話題を横へずらす。

「王都には何日」

「三日。今日が最後」

「短い滞在だね」

「長居すると、良し悪しが混ざる。俺はまだ、君の国を“美しい”まま持っていたい」

「逃げるの、上手い?」

「生き延びるのが上手い、と言いたい」

 会話が水面を滑って進む。深すぎないのに、浅くない。私は彼が置いていく言葉の形を、頭の中で並べながら、自分の声の温度を少し下げる。

「二つ、聞かせて。――どういう国が、君にとって“美しくない”?」

「音が多すぎる国。命令で埋める国。『名』ばかり呼び上げる国。あと、復讐のためにだけ動いている国」

「最後、耳が痛い」

「もう違うと思うけど」

 彼はあっさり言う。私は喉の奥の筋肉がわずかに緩むのを感じた。二つ目。

「じゃあ、君が旅をやめる日は来る?」

「たぶん。誰かの“食卓の音”が気に入ったら」

「食卓の音?」

「椀が卓に触れる音。木椀なら“とん”、陶器なら“こん”。パンを割る音、スープをすする音。誰かが誰かに『あついよ』って言う声。……そういう音のそばで寝られるなら、旅をやめる」

 静かな広場に、食卓の音のイメージがぽつんと落ちた。私は反射的に蜂蜜の薄いスープを思い出して、笑いそうになる。笑いかけて、やめる。笑いは角を丸くする。仕事中は、角がいる。

「城の食堂、静かすぎるね」

「うん。君が静かにしたんだ」

「そう」

「でも、読み上げの夜があるって聞いた。君が“音を戻す”準備をしてる」

 噂は早い。誰から聞いたの、と問う前に、彼が答える。

「銀の匙の人から」

「フロレンス?」

「名前は聴いてない。匙の持ち方が綺麗な人」

 彼の言葉は、時々やたら具体的だ。私の内側の弁が勝手に一段ゆるむ。危ない。危なくない。判断を保留したまま、私は短く頷いた。

「今夜は来ないの?」

「今夜は、別の約束がある。東の門の外で」

「誰と」

「風と」

 胡散臭い。だけど、嫌いじゃない。彼はそれ以上、自分を飾らない。飾らない代わりに、私を見る。

「君、今朝、蜂蜜の薄いスープを飲んだ?」

「どうして」

「歩き方が、いつもより“救われてる”。体の中心が、ほんの少し温かい歩幅」

 観察されるのは嫌いじゃない。嫌いじゃないけど、今は痛い。私は視線を落として、卓の角を一度撫でた。旅人は、その仕草を待つみたいに黙る。沈黙が、気持ちの良い厚みに膨らんだ。

「……礼を言う」

「なにに?」

「言葉の角度に」

「角度は、君が選んだ」

「そうね」

 彼は立ち上がらず、背もたれに指をかけるだけで姿勢を変えた。「もう一つだけ、勝手を言っていい?」

「どうぞ」

「君の“虚ろ”が、国の形に似すぎないようにして」

「似すぎると、何が起きる?」

「国が、君の泣き方しか覚えなくなる」

 喉の奥の空気が冷える。彼の目は穏やかで、脅しの鋭さはない。警告でもない。お願いでもない。ただの観察から出た一文。だからこそ、効く。

「気をつける」

「うん。君は気をつける人だ」

 そこまで言って、彼はやっと笑った。笑うと年齢が少し下がる。少年の笑い。旅を始める前の顔を、まだ中に持っている人の笑い方だ。

「ところで」

「なに?」

「君の鈴、合図以外で鳴ったこと、ある?」

 私は懐の鈴に触れず、答えだけ置く。

「最近、一回」

「誰の言葉で」

「……友人」

「直線の人?」

「直線の人」

 彼は「いいね」と小さく呟き、立ち上がった。動きに無駄がない。旅で削られた身体。私は起立しない。首だけで見送る。

「明日、君は忙しい?」

「毎日、忙しい」

「じゃあ、今日、さよなら」

 彼は広場の外側へ一歩、二歩。振り返らない。振り返らずに右手だけを上げた。開いた手のまま、一回、二回。――引き返す合図。笑ってしまう。胸の鈴は鳴らないのに、手順は身体に染みている。

「リオン」

 呼び止めるつもりはなかったのに、名前が出た。彼は足を止めたが、振り向かない。背中に言葉を落とす。

「君の“食卓の音”、いつか、城にも置けるかな」

「置ける。……君が“並んで食べる”って言えたら」

 彼はそう言って、手をひらひらと振り、今度こそ消えた。人の海ではなく、薄い空気の中へ。残るのは砂の匂いと、灰青の残像。

 私は椅子に座り直し、紙に小さく書いた。

〈君の作る国は美しい。でも君の瞳は哀しい〉

 抜き出しで書くと、大げさでどこか気障だ。けれど、今はそれでいい。文字は後で削れる。削った跡が残れば、それが私の傷の地図になる。

 夕刻、城へ戻る。王妃の私室で短い報告。彼女は扇で影を作り、問う。

「今日の“耳”はどうだった?」

「穏やか。ひとつ、旅人の声」

「旅人?」

「余白の人。言葉の角度が良かった」

「惚れた?」

「惚れない。刺さらない。でも、残る」

 王妃は目だけで笑い、「残る言葉は、刃になる」と短く言った。「使い方に気をつけて」

「はい」

 廊下に出ると、直線の男が壁にもたれていた。カイル。彼は私の顔を見て、すぐ言う。

「蜂蜜、効いたな」

「見てた?」

「見てない。歩幅でわかる」

「似たことを言われた気がする」

「誰に」

「旅人」

「どんな男だ」

「外套が土の色。目が灰青。笑うと少年」

「危ないか」

「危なくない。今は」

「……今は、か」

 カイルは短く息を吐き、私に紙片を渡した。〈沈黙週間・五日目:東門外の野営に“耳”〉。私がリオンの言葉を思い出して目を細めたのを見て、彼は問いを飲み込む癖を発動させた。助かる。

「夜警の線、俺が引く」

「お願い。……ねえ、カイル」

「ん」

「私、国に“食卓の音”を戻したい」

「戻す」

「急がないよ」

「急がないやり方を、急いで決める」

「あなたのそういうところ、好き」

 言ってから、頬が熱くなる。言葉の置き間違い。カイルは瞬きもせず、「知ってる」とだけ言った。救われた。私も、少し笑う。

 夜、執務室。“器”の蓋を開け、怒りと悲しみと恐れを指で並べる。そこに、今日拾った言葉をそっと置く。虚ろは、嫌っていない。使っている。だから、形が整う。旅人の言葉は紙の角に挟み、就寝前の儀式に一行足す。

一、旅人リオン。観察の角度、穏やかに鋭い。
二、「美しい」と「哀しい」を同時に置く声。効く。
三、国の虚ろが私の虚ろに似すぎないように。食卓の音を計画に入れる。

 窓を開けると、沈黙の王国に、遠い笛の音が一つ、かすかに乗った。門外の野営からだろう。リオンの音かもしれないし、違うかもしれない。どちらでもいい。私は鈴を掌で転がし、鳴らさないまま重さを確かめて、目を閉じた。

 翌朝、広場の白いテントに、見慣れない花がひとつ結び付けられていた。白でも赤でもない、薄い灰の花。布で折られた、旅の花。タグに短い字。

〈君の目に、波を〉

 私は笑わず、泣かず、ただ花を指で返して光を変えた。波は自分で起こす。石は、自分で投げる。沈黙の五日目が始まる。私は耳を整え、歩幅を決める。虚ろは、私の器の中で働く兵だ。兵を使って、私はもう少しだけ、美しく、哀しくない国を作る。リオンの言葉は、奥に残ったまま。消えないまま、静かに動力になっていく。

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