愛されない令嬢が時間を巻き戻して復讐したら、今度は全員が彼女に跪く世界に

タマ マコト

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第19話 再生の花

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 春は、沈黙の王国にも音を戻す。夜明けの空気が少し甘く、石畳の隙間の湿りが薄く、城壁に沿った風が柔らかい。広場の白いテントは畳まれて、代わりに木の机が並ぶ予定表が貼られた。読み上げの夜まで、あと三日。私はその朝、政務の前に、久しぶりに庭へ出た。白薔薇の区画。三年前のあの夜、断頭台へ運ばれる前に「やり直す力を」と祈った場所。祈りは、聞こえたのか、聞こえなかったのか。結果だけが、ここにいる私を証明している。

 風が一枚、頬の温度を撫でた。土の匂い。まだ冷たい。白い杖の影――老司書フロレンスが、遅い散歩のついでに現れて、杖で土を軽くつつく。

「今年も、早い」

「種は撒いていないのに」

「撒いたのは、別のものだったろう。沈黙と、手順と、少しの優しさだ」

「優しさは、私の手順の中にあったかな」

「ある。自覚はあとで来る」

 杖の先の土が、ぷつりと膨らみ、まだ固い蕾がひとつ顔を出した。白いのに、少し灰がさす。布の花――旅人が結んだ灰色の折り花を、私はその根元に添えてある。紙片には短い字。〈君の目に、波を〉。波。波は、自分で起こすと決めた。

 私は膝をついて、土の温度を掌で確かめる。怒りは糸、悲しみは霧、恐れは点――“器”の弁を、いつものように整える。けれど、その朝は弁に手を置いたまま、ほんの少しだけ力を抜いた。糸が撚りをゆるめ、霧が濃さを変え、点がやわらかい粒に変わる。感情を魔力に変える術式は、刃にするためだけじゃない。温める火にもなる。凍ったものを解く火。許すための火。

「フロレンス」

「うむ」

「私、赦していいのかな」

「順番がある。まず、自分。次に、過去の自分を信じた手。最後に、過去の自分を傷つけた手。――順番を守れないなら、宰相の机に戻るべきだ」

「厳しい」

「紙のためだ。人のためにもなる」

 彼は銀の匙を一度だけ持ち上げ、そのまま懐に戻した。儀式のような合図。私は土に指を差し入れ、冷たさを指先で噛みしめる。三年前の春、私はここで祈った。愛を神に差し出し、やり直しの代価にした。愛の感覚は、確かに薄くなった。涙は凍った。代わりに、私の中には器用な冷たさができた。国を動かすための冷たさ。生き延びるための冷たさ。――でも今は、少しだけ温めてみたい。

「セレナ」

 背中に直線。カイルが、いつもより音を立てずに歩いてきた。鎧は着ていない。巡回図と、読み上げの夜の警備案。彼は紙束を脇に置き、私の横でしゃがむ。白薔薇の蕾を見て、短く言う。

「間に合ったな」

「何に」

「春に」

「……うん」

 彼は白薔薇と折り花の距離を測るように目を細め、「旅人の花か」と呟く。

「灰色は嫌い?」

「嫌いじゃない。土に似合う」

「旅に似合う」

 彼はそれ以上詮索しない。直線の男は、問うべきを問い、踏み込まぬべきに踏み込まない。私は息を一つ吸い、吐いて、決める。

「カイル」

「ん」

「今日、赦す」

 彼は頷きもしなかった。目だけで「続けろ」と言う。私は蕾から目を離さず、言葉を置く。

「自分を。――あの夜、泣きじゃくって、叫んで、みっともなく『助けて』と言えなかった私を、赦す。あの朝、首を差し出す前に神と取引した私を、赦す」

 言いながら、胸の奥で氷がひとつ割れる音がした。小さな音。静かな音。私以外には聞こえない音。

「次に、信じた手を。父の手。王妃の扇。ジェイルの針。……あなたの直線。全部、疑いも混ざっていたのを、赦す。疑った私も、赦す」

「最後は?」

 彼の声は低いが、急かさない。私は視線を上げず、蕾と折り花の間に小さな溝を見つめる。過去と今の境界みたいな溝。

「最後に、傷つけた手を。――アレンを。ミリアを。魔導師団の黒。王の署名。群衆の視線。石の冷たさ。檻の鍵。刃の音。それから、『陰謀者』と呼んだ全ての口」

 口に出して列挙したら、喉が熱くなった。怒りの糸が勝手に締まりそうになって、私は“器”の蓋を開け、糸を細くほどく。ほどきながら続ける。

「赦す。忘れないまま、赦す。赦しは免罪じゃない。私が私をこれ以上、縛らないための手順だ」

 カイルは短く息を吸い、吐いた。彼の膝に置かれた手が、ほんの少しだけ握られて、また開いた。直線の男の、直線じゃない仕草。私は笑いそうになって、やめる。笑いは角を丸くする。今は角を使う。角で、鎖を断つ。

「宣言は以上」

「了解」

「証人、あなたでよかった」

「俺も」

 それで、儀式は終わった。終わった瞬間、庭の空気がすっと軽くなる。風が、白薔薇の蕾の縁を撫でる。ふくらみが、わずかに緩む。音はしない。けれど、朝が一ミリ進むのが、はっきりわかる。

 私は立ち上がり、土を払い、折り花の位置を少しだけずらして、蕾の影が花に落ちるように置いた。影が、灰色の上に柔らかく沈んだ。

「読み上げの夜、最初に読むのは白薔薇の絵にする」

「子どもの絵か」

「うん。『昔と今を並べた絵』」

「いい選び方だ」

 彼は紙束を持ち直し、警備の線を指でなぞる。「入口を三つ、“扉”を二つに見せて、実際は四つ。導線に余白を作る。人は、余白があると優しくなる」

「余白、ね」

「お前の“虚ろ”と似てる」

「似すぎないように気をつけて、って言われた」

「誰に」

「旅人に」

「灰青の目か」

「うん」

 カイルはそれ以上言わず、立ち上がる。「政務が待ってる」

「そうだね」

「蜂蜜の薄いスープ、昼にもう一度」

「自分で作る」

「半分、もらう」

「一口」

「交渉は今日も下手だ」

「直線だから」

 私たちは庭を出た。廊下の影は春の角度で短く、砂時計の音は小さく、書記の筆は軽い。宰相の机に座る前に、私は一枚、白い紙を引いた。上に小さく書く。

〈赦しの順番 自分→信じた手→傷つけた手〉

 紙を伏せ、仕事に入る。流路の切り替え、監査手順の固定、読み上げの夜の準備。数字は嘘をつかない。人は嘘をつく。数字は冷たい。人は温かい。両方を並べて、国はやっと呼吸をする。

 昼、食堂。塩だけのスープではなく、蜂蜜をひとさじ。フロレンスの匙で、正確に。湯気の匂いは薄く、舌先でうっすら甘い。口に含むと、喉の奥の張りがほどける。カイルがやってきて、黙って向かいに座る。椀を卓に置く音が“とん”。旅人が言っていた“食卓の音”。私は、器の内側で何かが波打つのを、はっきり感じた。波は、もう怖くない。使い方を知ったから。

「午後は?」

「工房視察。薄い影布の常設と、読み上げの夜の灯り」

「同行は?」

「要らない。……いや、三分の一だけ来て」

「三分の一?」

「全部来ると、直線が重い」

「了解。三分の一」

 彼は椀を空け、「読む夜に備えて声を温めろ」とだけ言って去った。直線の助言。声を温める。私は喉に手を当て、小さく「ありがとう」と言ってみた。音が、ここちよい温度に落ちる。

 工房街。親方の指は相変わらず黒く、見習いの背中はまっすぐ。薄い影布の織りは順調で、術式の結び目は美しい。「読み上げの夜では、この布を空に張る。声の揺れを拾い、余韻を増やす」。親方は頷き、「音にも布がいるのか」と笑った。

「布があると、泣く人の音が綺麗に流れる」

「泣くのかい」

「泣くと思う。私も、たぶん」

 親方はそれを聞いて、手を止めないまま言った。「泣く宰相は、珍しいね」

「珍しいほうが、続くなら、珍しいままでいい」

「続けるほうが難しい」

「だから、薄い布で支える」

 夕刻、城へ戻る前に、私はもう一度だけ白薔薇の庭に寄った。蕾は朝より膨らみ、軽く色づいている。白の中に柔らかい光が混じる。私は腰を下ろし、折り花に触れて向きを変えた。灰の角度を、太陽のほうへ。

「――過去を許す」

 誰にも向けず、ゆっくり言う。言葉が土に落ちて、匂いが少し変わる。冷たさがやわらぐ。蕾が、指の温度に合わせるみたいに、ほんのわずかほどけた。私はその小さな変化に、ほっとする。赦しは、効果が目に見えにくい。だから、花のように遅くて具体的なものに寄りかかる。卑怯だろうか。実務的だろうか。どちらでもいい。私には花が必要だ。

 背後で小さな足音。ジェイルが、息を弾ませて現れる。手には束ねた紙と、布に包んだ何か。

「セレナ様! 読み上げの夜の順序案、できました。最初に白薔薇の絵、次に井戸端新聞の子たち、最後は“無名の帳”から三篇。――それと、これ」

「なに?」

「旅人が置いてった笛。東門で拾ったって衛兵が。多分、彼の」

 細い笛。木の香り。口に当てる部分の滑らかさから、長く使われたのがわかる。私は耳に当てるだけで、音は出さない。音は、夜に出す。夜は、涙と相性がいいから。

「ありがとう」

「あと、王妃からメモ。『宰相、泣くなら舞台の端で。中央は殿下に』」

「了解」

 ジェイルは真顔で頷き、すぐに笑った。「いい春ですね」

「うん。いい春」

 彼が去り、庭に再び静けさが戻る。私は立ち上がり、笛を懐にしまい、蕾に軽く礼をした。読み上げの夜、花が間に合うかどうかは、風次第。間に合わなくてもいい。蕾のままでも、意味はある。

 その夜。広間には影布が張られ、灯りは弱く、客席は低い。読み上げの夜のリハーサル。声の響きを確かめるだけの小さな準備。王妃は扇を閉じ、アレンは端の席に座り、カイルは見えない扉を確認し、私は舞台の端に立つ。音響の職人が合図をして、私は一度、息を吸った。

「――昔と今を並べる」

 声は、思ったより柔らかく出た。影布が音を受け、天井へ薄く返す。私は、白薔薇の絵を掲げない。手の中にあるだけ。絵の子の名前は、読み上げの夜まで守る。彼/彼女の音が最初に空を泳ぐように。

 最後に、笛を胸の前に持ち、吹かずに、ただ重さを確かめる。軽い。落ちない。落とせない。胸の鈴と同じ重さ。合図じゃない音の可能性。旅人の灰青の目が、脳裏の奥で淡く光る。彼は言った。「君の瞳は哀しい」。今日、私は少しだけ、その言葉に反論できる気がする。哀しさは残っている。けれど、哀しさだけじゃない。温かさと、空白と、波。全部が同居している。

 舞台から降りると、カイルが短く言った。

「声、いい」

「温めたから」

「続けろ」

「続ける」

 歩き出す前に、私は舞台を振り返る。影布が、花びらの裏みたいに柔らかく見えた。白薔薇の蕾は、きっと明日、もっと開く。開いたら、私は過去にもう一度、指を伸ばして「ありがとう」と言うつもりだ。あの日の私へ。やり直す力を、怖がりながら選んだ私へ。赦しは、未来のための作業。国を整える手順のひとつ。涙が出ても、紙は波打たない。フロレンスがそう言って、匙を貸してくれた。

 春の夜気は、城の角を丸くする。私は懐の笛と鈴を確かめ、ゆっくりと歩く。跪く世界の前に、まず自分が膝から立ち上がること。赦しは、立ち上がるための関節油だ。明日、庭に行く。花の開き具合を確かめる。読み上げの夜に、最初の一行を誰に読んでもらうか、もう一度決める。国は動いている。私も動いている。冷たく、静かに、そして少しだけ、温かく。

 白薔薇の茎は、風に合わせてしなり、蕾は音もなく膨らむ。私は目を閉じて、胸の中で小さく唱える。

「――過去よ、ありがとう。私は、許す」

 返事はない。けれど、土の匂いが一歩、近づいた。翌朝、庭に出たとき、白薔薇は一片だけほどけていた。白い、やわらかな舌のような花弁。私はそれを見て、笑いも泣きもしない。ただ、うなずいた。再生の花は、約束どおり、時を知っている。私も、そちら側へ歩いている。続きは、読み上げの夜で。そこで私は、初めて過去を許した声で、国に向かって話すつもりだ。並んで、歩くために。

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