勇者パーティのサポートをする代わりに姉の様なアラサーの粗雑な女闘士を貰いました。

石のやっさん

文字の大きさ
22 / 60

第22話 勇者は死ぬ程努力しないと......

しおりを挟む

「リヒト、なんだか活動費が少ない気がするんだが……どうしてだ!」

支援金の支給日。

多分、冒険者ギルドで支給金を確認したのだろう。

偶然、街でカイトにあったら文句を言われた。

そりゃ、まだゴブリンしか倒してないんだから仕方が無いじゃないか。

「いや、今現在のカイト達はいっちゃなんだが、まだ成果を出していないんだから仕方ないだろう? まだゴブリンしか倒してないんだから」

「そりゃそうだが、もう少し何とかならないのか?」

「あのなぁ、報告書に嘘は書けない。相手は国や教会だから、嘘はすぐにバレる。実際に今回の報告書だと『カイト達勇者パーティはゴブリンに敗北して、冒険者に助けられ。引き篭もり中』と書くのが正しい。だが、それじゃあんまりだから、少しだけ作文して『勇者パーティはゴブリンと交戦、思った程の成果をあげられなかった為訓練中』そう報告書を書いたんだ。これが俺の出来る精一杯だった」

「そう……なのか?」

「あのな、ハァ~カイト、お前勇者だろう? 最強のジョブでちょっと努力するだけで、他の人間じゃ追いつけない力が手に入る。半分、成功への切符を手に入れているんだ。なんで努力しないの?」

「それが、リタは割と訓練や討伐に乗り気なんだが、マリアやリアが消極的で余り乗り気にならないんだ」

アホか。

「それなら、それで仕方ないが、なぜカイトだけでも訓練したり討伐しないんだ? 多分勇者のお前なら、凄いスピードで強くなるはずだぞ」

「そうだよな、それは分かっているんだけど……つい明日からで良いやって、先延ばししてしまうんだ」

「気持ちは分かるが、勇者パーティというのは世界が注目しているんだぞ! どこから報告が入るかわからない。もしヤル気がないなんて弱音を吐いたら、王や貴族、司教から怒られるんだ。言っておくが見限られたらもうおしまいだ。戦闘、私生活、少しは考えた方が良いぞ」

「ああっ、分かっているさ」

「それだけじゃない。早く強くならないと、皆から嫌われて何処にも住めなくなる」

「どういう事だ?」

「よいか? 勇者の旅は救世の旅。人々を救う旅でもあるんだ。その旅の中でオークやオーガ等に襲われている村や町を救う。助けてあげれば『勇者様ありがとう』となる。その反面、今みたいにサボっていると、村や町が滅んで『なんで勇者様来てくれなかったの』と生き残った人に一生恨まれる。そのうち、歩くだけで石をぶつけられるようになる事すらある。身内を魔物に殺された生き残りの人の恨みは深いからな」

「そんなの逆恨みじゃないか」

「違うな、努力しない勇者が悪い。誰もが羨む地位や特別扱いは、世界を平和にするから貰える特権。出来なかったら、責任を取らされる。当たり前だ」

「そんな、俺はどうしたら良いんだ!」

「知らないな。俺はただの冒険者。勇者パーティじゃない。それでももし、自分が勇者だったら……」

「勇者だったら……」

「死ぬ程努力する。それだけだ」

「それしか、ないのか」

「ないな……四職でもない俺は力になれないし、話は聞いてあげれるけど、所詮は一般人の俺に聞いてどうする! もし自分の人生を輝かせたいなら、頑張れ、それしか言えない」

「わかった」

勇者を羨む人は多いが、怠け者の俺は、そんな者にならなくて良かった。

本当にそう思うよ。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

俺の好きな人は勇者の母で俺の姉さん! パーティ追放から始まる新しい生活

石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。 ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。 だから、ただ見せつけられても困るだけだった。 何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。 この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。 勿論ヒロインもチートはありません。 他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。 1~2話は何時もの使いまわし。 亀更新になるかも知れません。 他の作品を書く段階で、考えてついたヒロインをメインに純愛で書いていこうと思います。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

たとえば勇者パーティを追放された少年が宿屋の未亡人達に恋するような物語

石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。 ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。 だから、ただ見せつけられても困るだけだった。 何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。 この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。 勿論ヒロインもチートはありません。 他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。 1~2話は何時もの使いまわし。 リクエスト作品です。 今回は他作品もありますので亀更新になるかも知れません。 ※ つい調子にのって4作同時に書き始めてしまいました。   

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

処理中です...