勇者パーティのサポートをする代わりに姉の様なアラサーの粗雑な女闘士を貰いました。

石のやっさん

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第36話 勇者覚醒

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「カイト達いる?」

「いつも通りです」

今日もまだ宿屋に居る。

なんで女神はカイト達を勇者に選んだんだ。

大きな声で言うと不敬罪になるから言わないけどな。

トントントン

いつも通りノックしてドアを開ける。

「なんだ!? 今日もやってないのか?」

「あのなぁ~ いつもいつもやっている訳じゃないぞ?」

「そうよ、なに言っているのかしら」

「僕をなんだと思っているんだい?」

「そうだよ」

そろそろ、本格的に飽きて来た頃だな。

幾らなんでも四六時中引き篭もってやっていれば飽きが来る。

此処からがある意味男女の関係の始まりだ。

何時でもやれる女と何時でもやれる男。

そうなれば、行為そのものの価値が下がる。

此処からは性欲じゃなくて『本物の愛』が無ければ虚しくなる。

実際にカイト達はこの爛れた生活を手に入れた為に王族や貴族との婚姻を手放した。

果たして今後、その事をどう考えるようになるのかは俺には解らない。

「それで? まだ討伐に行かないの? 昨日明日から頑張る。そう言ったよな!」

「いや、それがな……」

「まぁ良いや、それじゃ今日は俺と一緒に討伐にいこうか?」

本当に面倒くさい。

大体、俺は事務や手配みたいな雑用をサポートするだけの予定だったんだ。

それなのに、なんで此処まで面倒みないんといけないんだろうか?

書類を教会に届けたり、報告書を冒険者ギルドに届ける度に『どうにかしてくれませんか?』そういう目で見て来る。

とうとうこの間……『勇者様達をどうにかしてくれませんか? お礼なら教会から差し上げますから』と言われてしまった。

教会は勇者や聖女に優しいからカイト達には何も言わない。

だから、俺に言ってくる。

今回は懐柔策だが……このまま放置するとそのうち、俺に対して脅してくる可能性もある。

だから『頑張ってみます』それしか言えなかった。

「リヒトととか? いやだが……」

「え~と明日じゃ駄目かな?」

「ゴメン、今日は都合が悪いんだ」

「ごめんね」

「あのなぁ、俺はお前達みたいな超人じゃない。その俺が討伐出来るような場所での討伐だ! 絶対に安全だから、リハビリ兼ねてやってみようぜ……ほら、じゃないともういい加減に報告に困るんだよ」

「解ったよ」

全く解ったよじゃないよ。

俺だってこんな事したく無いが仕方ない。

こいつ等が悪いんだからな。

◆◆◆

「さぁついたぞ!」

「此処は洞窟じゃないか? 見た感じからして危ない気がするぞ」

「私達が、何回も危ない目にあった場所に似ているわ」

多分、それ以上に危ない場所だな。

「本当に僕、こんな場所で戦って大丈夫なの?」

多分、大丈夫だ。

「あの~本当に平気?」


「ああっ、大丈夫だ! 今のカイト達は自信を無くしているだけだ! だから、それを取り戻せば大丈夫だから、ほらこれでも飲んで頑張ってみろよ!」

そう言って俺は4人にポーションを差し出した。

「これはなんだ!」

「ポーションよね?」

「ポーションだよな!」

「ポーション、これを飲めって事?」

「そうだよ。これを飲めば大丈夫! これは精神をカバーする薬なんだ! これを飲めば興奮して戦闘欲が増す。だから、安心して戦う事が出来る……さぁ飲め!」

「「「「解った」」」」

このポーションの作り方はゼウスさんから教わったものだ。

ゼウスさんの話ではこれは元はタバコだったらしい。

傭兵などが戦争で恐怖で心を押しつぶされないように作られた物で、飲むと興奮して高揚感が増し、疲労すら感じなくなるそうだ。

但し、あまりに利用すると依存するようになるから、常時服用してはならない。

そう言われた。

飲んで暫く経つと明らかにカイト達の雰囲気が変わった。

「なんだ、この高揚感は! 今ならなんでも出来そうな気がする」

「うん、私は天才聖女! ゴブリン如きで苦戦なんかする存在じゃないのよ」

「あははははっ僕に斬れない物はない……全て斬ってやる」

「うふふふ、私が全て焼き尽くしてやるわ」

うん……目が可笑しいけど、ヤル気にはなったようだ。

「それじゃ、勇者カイト。洞窟に居る魔物は皆殺しだぁぁぁーー」

「「「「うぉぉぉぉーー」」」」

大丈夫だよな……このポーション。

ゼウスさん特製で特別に作り方を昔教わったんだけど……
まぁヤル気になったんだ良しとしよう。
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