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第40話 守るべき相手
しおりを挟むカイト達には3日後に後を追ってきて貰う事にして俺とレイラは先に旅立つ事にした。
今はもう、旅の道中だ。
「しかし、随分と大変だったね」
「まぁね……しかし女神は何故カイト達を勇者や聖女に選んだのだろう!? 冒険者にもっとまともな人が沢山居るのに……」
「それは此処だけの話にしないと不味いよ! 勇者は女神の使い。貴人扱いだからね」
「つい愚痴を言っちゃったけど、これはレイラにしか言わないから大丈夫だよ」
「それなら、ここだけの話だけどさぁ、その辺りは皆がおかしく思ってはいるよ! だって、過去の勇者の中にはオークに殺された者もいるし、聖女でもゴブリンに捕らわれて苗床になっていた人もいる。英雄でも野盗に殺された人もいる。弱い勇者や聖女もいれば性格に問題のあった人物も多い……女神が選ぶなら聖人(せいじん)の筈なのに、魔王討伐後に地位やハーレム、多額のお金を求める者もいる。 考えればおかしな事も多いよね」
俺が知っているだけでもカイトより強い存在も気高い存在も沢山いる。
何故、カイトなのか?
その必要性は解らない。
「性格面は兎も角、実力不足で負けるのは仕方が無いんじゃないかな?」
「そうかな? ちょっと努力すれば人の何倍も強くなるジョブやスキルを持っているんだよ? そう簡単に負けない筈。 魔族相手なら兎も角、オークやゴブリンに負けるのはよっぽどサボっているからじゃないかな? 多分だけど駆け出しの冒険者に勇者のジョブを与えたら、オーガなんて簡単に倒すと思うんだよ! それに本当に気高い存在なら、ゴブリンの苗床になる位なら死を選ぶと私は思うんだ」
確かにそうだよな。
カイトがたった数日頑張っただけで、あそこ迄変わるなら。
普通に努力している勇者がそんな序盤で負けるとは思えない。
「だったら……考えても解らないね。何を基準に女神は勇者を含む四職を与えるのかな」
「まぁ、それこそ神のみぞ知る。それだけだよ! 私達、凡人には解らないよね」
「そうだね」
確かに解る訳がない。
「それで、次の村に行っても、また面倒見る訳?」
「まぁね、今度は街じゃないからもっと不便だからね。ここで、少しずつ、俺のやっている仕事を覚えて貰って、あと二つくらい村や街を越えたらお別れかな」
多分、その位迄が俺の限界。
オーガが狩れる実力をつけ、そこで能力の向上は終わる。
はっきり言って『自分はかなり優秀』そう思う。
だが、それは一般人の範疇での事だ。
オーガが狩れても竜や魔族は絶対に狩れない。
そう考えたらその辺りが一緒に居られる限界だ。
そこでお別れ。
その後の事は『流石に知らない』
無事に魔王を討伐してくれれば良いけど……こればかりは運任せだ。
大体、魔王の情報は人間側には少ししか伝わって来てない。
今の魔王がどれ程強いのかよく解らない。
いざ、戦ってみないと解らない以上はどう転ぶか解らない。
「まぁ、その辺りが無難だね。恐らく私やリヒトがついていけるのはそこが限界。魔族とか相手に命からがら戦いとは思えないものね」
「そうだな……幼馴染ではあるが親友じゃない! 命を懸けてまで守りたい相手じゃない……勿論、陰ながら応援位はするけど、それ位かな」
「そうだね! 私にとって大切なのはリヒト、次が自分の命。それ以外は知り合いでも命なんて賭けられない。それで良いと思うよ」
俺はあくまで一般人なんだから守る相手は一人で良い。それ以外の相手は……助けられる時だけ助けるだけだ。
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