勇者パーティのサポートをする代わりに姉の様なアラサーの粗雑な女闘士を貰いました。

石のやっさん

文字の大きさ
51 / 60

第51話 勇者カイトSIDE 犠牲①

しおりを挟む

まさか、両方とも居たのか。

深く潜っていくと……オークキング、オークジェネラルが居た。

しかもそれだけじゃない。

オークナイトまでいやがる。

まるでオークの王国みたいだ。

途中から隠密行動をとっていたから、相手は気がついていない。

俺達か気がつかれないようにヒソヒソ声で話す。

『どうする? 引くかやるか? これは危ない話だ。皆の意見を聞きたい』

『これを野放しにしたら、大変な事になるわ。 やらない選択は無いわ』

『そうだね、これは野放しに出来ないね』

『正直、怖い……だけど逃げる選択は無いよ』

正直に言えば体が震えている。

俺が死ぬ分には構わない。

だが、俺のパーティは俺を除き女だ。

死より辛い事が負ければ待っている。

実際に前にゴブリンに遅れをとって危なかった事がある。

だが……それでも俺達は勇者パーティだ。

ヤルしかない。

仲間が腹を括った。

それならば、俺が臆病になっている場合じゃない。

俺は……勇気ある者。

勇者なのだから!

『リタ、今回はリアとマリアを守っていてくれ』

『リアは後方支援で攻撃魔法』

『マリアは待機、もし誰かが負傷したら回復にまわってくれ! 俺が突っ込むから!』

俺は剣を構えそのままオークの群れに突っ込んでいった。

「キサマドコカラアラワレタ、コロセ」

オークキングが俺に気がついて命令を下してきた。

「フッ、ニンゲンガ、コノニンズウニカテルトオモッテイルノカ」

オークジェネラルが高笑いしているのが解る。

「ワタシガキリステテヤロウ」

オークナイトが自信満々に俺を斬ると言ってきた。

確かに女三人を含む四人パーティだから甘く見たんだな。

だが、俺は勇者だ!

冒険者じゃない。

オークを前にしたからか、心がたかぶった。

目の前のオークを斬り伏せ、すぐに次のオークに向かう。

俺がオークを斬っている間にも、後ろからファイヤーボールが飛んでいき、近くのオークが燃えていく。

ほぼ固定砲台となったリア、それを守るリタ。

この布陣は鉄壁で崩せない。

自分でも驚くほどに体が動く。

オークを数体斬り殺した先に、そいつが居た。

「オレハオークノキシ……ジンジョウニショウブダ」

「これほどの人数相手に戦って居るのに今更だ! オークは只の害獣だ!」

「ソウカ……ナラバシネ」

だが、今の俺にはオークナイトの剣ですら、ゆっくりに見えた。

オークナイトの剣を弾き、そのまま首を斬りに行く。

「ギャァァァァーーッ」

断末魔の声をあげてオークナイトの首を斬り落とした。

その間も、俺の後ろからはファイヤーボールがオークの群れに降り注ぐ。

オークは瞬く間に数を減らしていき、オークキングとオークジェネラル……その周辺のオーク以外既に死んでいた。

「ハァハァ、残りはお前達だけだ……」

「フッハハハハハ」

オークキングが笑った気がした。

「……?」

「コレデモオマエハキレルノカ……デキナイダロウ」

残ったオークたちは、裸の女を大きな木の盾に括りつけていた。

「なっ……」

そうか、オークは人間の女を苗床にしている。

それを使ってきたのか……

ヤバいな、リアが動揺してファイヤーボールを止めている。

まだまだ沢山のオークが居る。

リタも動揺している。

「助けて……助けて……」

「いやぁぁぁぁーー助けて」

苗床になっていたせいか、女は皆壊れているようだ。

不味いな。

後方で戦っている俺の仲間は『女』だ。

「グハハハハッ……ケンヤツエヲステロ、コノジョウタイデタタカエマエ」

ヤバいな。

このままじゃ、リタが剣を捨てようとしている。

「ごめんね……助けてあげれなくて」

心から女に謝った。

此処で俺が剣を捨てても、彼女達は助からない。

ただ、俺の幼馴染三人が苗床になり、俺が死ぬだけだ。

勘違いしちゃいけない。

「豚野郎! 地獄に落としてやる!」

そう叫び、盾をよけながら斬った。

だが、オークは狡猾だった。

俺の太刀筋に盾を持ってくる。

「そんな……ぐふっ……」

そのまま斬るしかない。

間違っちゃいけない。

これしか方法が無いんだ。

「キサマタチハ、オナジニンゲンヲギセイニスルノカ」

俺に対して、女の盾が意味をなさないと解るとオークたちは盾を手放した。

人一人縛り付けた盾は重いのだろう。

「此処までの事をしたんだ……お前等は絶対に許さない! 全員皆殺しだーー」

◆◆◆

「ハァハァ、ゼイゼイ」

オークジェネラルやオークキングも含み。

全員を斬り殺した。

一人目の女性を斬った時にオークたちは女を括りつけた盾を投げ捨てたから……犠牲者は1人だけですんだ。

「ゴメン」

斬り捨てた女の子1人の死体に手を合わせた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

俺の好きな人は勇者の母で俺の姉さん! パーティ追放から始まる新しい生活

石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。 ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。 だから、ただ見せつけられても困るだけだった。 何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。 この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。 勿論ヒロインもチートはありません。 他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。 1~2話は何時もの使いまわし。 亀更新になるかも知れません。 他の作品を書く段階で、考えてついたヒロインをメインに純愛で書いていこうと思います。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

たとえば勇者パーティを追放された少年が宿屋の未亡人達に恋するような物語

石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。 ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。 だから、ただ見せつけられても困るだけだった。 何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。 この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。 勿論ヒロインもチートはありません。 他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。 1~2話は何時もの使いまわし。 リクエスト作品です。 今回は他作品もありますので亀更新になるかも知れません。 ※ つい調子にのって4作同時に書き始めてしまいました。   

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

処理中です...