7 / 77
第一章 顔に傷がある女性を好きになりました
第6話 ヒロイン登場
しおりを挟むしかし、至れり尽くせりだな。
男だからって高級宿屋みたいな施設が食費も含んで無料なんて知らなかった。
最初、俺は宿屋に泊まっていたのだが、
「男性が泊った場合、色々と責任問題が生じるのよ!だから、そろそろ国営の男性保護施設に行くか、もう少し高級な宿屋に行って貰えるかな?」
という様な事があって俺は男性保護施設に行き、そこで暮らしている。
家賃が無料で食事も頼めば無料でルームサービスが届く。
その代り、部屋にはバインダーがあって、それを見る事が義務付けられている。
このバインダーには女性のデーターや住まいの場所が書いてあって、それを見て、見た証拠として丸をつけないとならない。
前の世界の出会いを求める施設に近い。
此処は本当に異世界なのか?
なんだか中世に近い生活だが、ファンタジー感が全くない。
ただ、何もしないのも嫌なので、一応俺は『冒険者』をしている。
◆◆◆
「理人さん、依頼が沢山入っていますよ! 今日は5件です。お好きな物を選んでください」
「はい…」
冒険者をしているのにファンタジー感が無いのかって?
『全くない』
だって、依頼の殆どが…
『一緒に買い物に付き合って欲しい』
『私達が守るから薬草の採取をして欲しい』
『家が汚くなってきたから掃除して欲しい』
『手料理食べさして』
『お話をして欲しい』
こんな感じなんだ。
これじゃ、冒険者とは言えない気がする。
「もう少し、その冒険者らしい仕事はありませんか?」
「はははっ、美少年に危ない仕事をやらせるような女は冒険者には居ないぞ! そうだよな!」
「確かにそうですが…ギルマスがなんで此処にいるんですか?」
「いやぁ~噂の美少年、理人くんを見にきたのさぁ~、何だったら、このギルドの受付やらない? 給料は弾むから」
「考えさせて下さい」
「そう?良い返事を待っているよ」
そういうと笑いながらギルマスは去っていった。
しかし、本当にこの世界の男は引き篭もりなんだな。
王城の中では見た物の、あそこを出てから今迄誰も見ていない。
それじゃ5つ全部受けます。
「流石は理人くん、凄いね」
「はははっ…まぁね」
半分意地で仕事をしているが、ほぼ女の子と遊んでいるだけでの毎日。
魔王討伐、そう言う名目で呼ばれた筈なのに…良いのかな?
まぁやらして貰えないんだから仕方がないよな。
◆◆◆
今日も依頼をこなして報酬を貰った。
あの内容で5件併せて金貨1枚…男ってだけで凄く優遇されている気がする。
それはそうと…この世界の女性は気のせいか可愛い子や美人が多い気がする。
女の子を上中下で分けちゃいけないけど…この世界には中の上位の女の子しか見た事が無い。
多分、気のせいじゃないと思う。
◆◆◆
報酬を貰い冒険者ギルドを後にしようとした瞬間…
そこだけ時が止まったような気がした。
長い茶髪の線が細い美女。
この世界には綺麗な女性が多いけど、彼女は別格。
漫画の冷酷残酷な美しい宇宙海賊、女宇宙海賊メーダルにかなり似ている気がする。
「うん? 少年、そう見ないでくれるか? 私だってこれでも女なんだ…多少は傷つくんだ」
これ程の美人は前の世界の芸能人ですら見た事が無い。
まるで絵画か漫画のヒロインが、その世界から飛び出した。
そう思えてならない。
話をしないと…
「いえ、余りに綺麗なのでつい見惚れてしまいました…すみません」
「はははっ、気を使う必要は無い! 女だてらに顔にこんな傷があるんだ、自分の身の程はわきまえている…気を使う必要は無い」
確かに右から左に斬られた傷が顔にある。
だが、それと同じ様な傷は女宇宙海賊メーダルにもある。
俺の好きなキャラクターは医者も海賊も侍も皆、顔に傷がある。
だから気にならない。
なんて言えば良いんだ。
誤解されたままじゃ嫌だな。
「その傷が良いんじゃですか! その傷がどうして出来たのかは解らない。だけど、その傷は逃げずに戦ったからこその傷だと思うんです…上手く言えませんが、その傷も素敵です」
「本当にそう思う? まぁ褒められて嫌な気はしないよ! 良かったら一杯、いや幾らでも奢るから飲まないか?」
「是非」
これ程の美女が誘ってくれる。
凄いなこの世界。
55
あなたにおすすめの小説
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
男が少ない世界に転生して
美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる