異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!

石のやっさん

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第一章 顔に傷がある女性を好きになりました

第9話 『頑張れ女の子』

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此処は異世界なのかも知れないが…思っていたのと全然違う。

少なくとも『男』であれば、争いと無縁で暮らせる。

なんだか凄い世界だな。

まぁ良いや。

凄く楽しいから。

しかし、何故か友達になってからミムに会わないんだけど?

どうしたのかな?

ミムを少し街で探してみたら…居た。

「お~い!ミム」

「あっ、お兄ちゃん…」

ミムは俺の顔を見ると走って逃げようとした。

「おい、ミムどうしたんだ」

まだミムは子供だ、俺が走れば追いつける。

追いついた俺はミムの手を掴んだ。

「お兄ちゃん…離して…うっうっグスッ…うわぁぁぁぁ~ん!」

ミムは周りも気にしないで大きな声で泣き始めた。

「おい…」


「なにアレ! 男に構って貰って泣いて、なに様のつもりなのかしら」

「あ~あ薄汚いガキが男の前で泣いて…死ねばよいのに」

「男を困らすなんて馬鹿じゃないの?」

可愛い子が泣いて居るのに辛辣な声しか聞こえて来ない。

「あの…なんで泣くんだよ…俺の事が嫌いにでもなったのか?」

「ううん…ヒクッグスグス…うっうっ…だって折角お兄ちゃんと友達になれたのに…お金が無いから会えないんだもん…ミム貧乏だからうわぁぁぁぁーーん」

暫くミムが泣き止む迄待って話がようやく聞けた。

ミムの話しでは、この世界では『女は男に貢いでなんぼ』そういう考えが強いそうだ。

デート代は全部女が払うのは当たり前。

しかも、デートして貰ったら謝礼金を払うのがマナーなんだそうだ。

まして『友達』にまでなったら大体銀貨3枚(約3万円)を1回のデートで払うのが相場らしい。

「そう? 俺はミムと話すのは楽しいから謝礼金は要らないよ!奢るのだってその辺の屋台で充分だよ」

お金には困ってない。

『デート代も俺が出す』それをいうとミムを傷つけそうだから、それは言わなかった。

「ほんとう? それならミムでも大丈夫かな? ミム頑張って銀貨1枚溜まったから…デートしてくれる?」

「喜んで」

お金を使わせるのも悪いし、俺が出すのも不味そうだったので…屋台の串焼きとジュースを買って貰い…その辺の広場でおしゃべりをした。

気がつくと夕方になっていた。

「バイバイお兄ちゃん」

「うん、バイバイ」

ただ、話をしていただけでミムは嬉しそうだ。

『頑張れ女の子』

頭の中にそんな言葉が浮かんだ。

この世界、男には天国だけど…女の子は辛いな。


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