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第38話 スキルの謎
しおりを挟む3人に悲しそうな顔をさせたのが許せなかった。
別に恵んで欲しいという訳じゃない。
しっかりとお金を払い食事をする。
それを断った…服装だって、周りの人間と変わらない。
『豊穣の女神』も憎いが、それに同調するような人間を僕は嫌いだ。
虐めている人間も嫌いだが、それに同調して暴力を振るう取り巻きも同じだ…よ。
◆◆◆
「なんだ、1人で来たのか?1人でも駄目だ! スノードロップに食事は出せない!」
「豊穣の女神のせいだったりしますか?」
「まぁ、解っているなら早い!そうだ!」
やっぱりそうなんだな…
「そう、貴方の店は『豊穣の女神』に味方してスノードロップの敵になる?それで良い訳だね!」
「悪いな…これも商売だ!」
「そう解った…今からお前は敵だ…貧乏(ボンビー)」
「まさか、此処で暴れるのかい? 俺は一般人だ、手をだしたら捕まるぜ!」
「そんな事しない...神様が」
「馬鹿じゃねーの!豊穣の女神のパーティが祝福を受けている女神はパストル様という女神様だ!神の中でも神格が高いんだ、しかも豊穣の女神のクランは100人近く居る、そんな相手に1人でなにが出来るんだ?」
「そうですか? 僕の神様、雪乃様も僕もこれでも慈悲深いつもりです…困った事があったら言って下さいね…豊穣の女神と手を切る事で相談に乗りますからね」
「馬鹿じゃないのか? 豊穣の女神と縁を切る筈はないだろう!」
「そうですか…素敵な貧乏生活を」
同じように他にも昨日食事を断ったお店、全店に回って同じように宣言した。
◆◆◆
「豊穣の女神に困っているんですか…ですが冒険者ギルドではどうする事も出来ませんよ…」
冒険者ギルドで一応、相談をしてみた。
冒険者ギルドは中立で『冒険者同士の揉め事は自己責任』とういうルールがあるから、こう答えるのは解っていた。
「いえ、それは解っていますが、なにか解決する方法が無いかと思いまして」
「そうですね仲介に入る事は可能ですが、恐らくは無理だと思います…となると『パーティ戦』しかありません」
「パーティ戦?」
「はい、パーティやクランがルールを決めて戦う事ですね」
「うちのパーティは僕以外は戦闘は出来ないから無理ですね…」
「そうでもありません!お互いが上手く戦えるように調整しますから、それは問題ありません」
「それなら…」
結局、近々豊穣の女神の代表と話し合いをギルドが間に入ってして貰える事になった。
◆◆◆
『あははは、あぁ可笑しいね!今更気がついたのかい?』
「はい」
『ぼ~く~がぁ~翼くんにそんな酷い事する訳ないじゃないか?全くもう!』
この間、怒った時に気がついた事がある。
あの時、何かに目覚めてスキルの使い方に目覚めた気がした。
スキル:貧乏中(常時発動)
は自分が貧乏になるのではなく、自分が敵だとみなした者が貧乏になるスキルだったんだ。
僕が貧乏になるとしたらそれは加護を受けたからでスキルとかは関係ない。
それに清貧を基に常に貧乏を肝に銘じて生きて居るから『強制された物じゃない』
あくまで僕の意思で雪乃様への感謝からしている事だ。
「そうですね、僕の神様の雪乃様が僕が困るスキルなんて渡す訳がないですね」
『そうだよ!僕の翼くんにそんな酷い事をする筈がないじゃないか?確かに僕は魔物や魔族と戦うのに適した能力は無いよ!その代り、対人にはかなり有効な能力があるんだよ! 貧乏神だからね』
「そうですね」
『そうだよ!僕の能力は『貧乏』人を貧乏にする事にかけては僕を超える存在はいないよ! その気になれば王ですら数時間で無一文に出来るんだ、今回は相手が人なんだ、翼くん思う存分やっちゃえ!』
「よいんですか?」
『本来の僕は、貧乏神…僕を祀る人は『幸せな貧乏をあげるのさ』でも敵には『地獄のような貧乏を与える』それが僕なんだ…僕の翼くんやその仲間に手を出したんだ…やっちゃって良いんだよ!貧乏中(常時発動)じゃ死にはしないから大丈夫だ!』
豊穣の女神は解らないけど…
商売している人は絶対に僕や雪乃様を怒らせない方が良いと思うな。
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