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授業が終わり寮に戻った私はエマに愚痴っていた。
「お姉様が突然現れて驚いたよ…。それに思いっきり爪立ててきたから…。痛かったよ…。お姉様にあんなに握力あったなんて驚きだよ…。」
「まぁ、あのキャロットお嬢様ですからね。何もできないと思いますよね?でもキャロットお嬢様は昔から力が強いんですよ?使用人の中では有名な話なんですけどね?」
「え?知らないよ?何その話?」
「カルサイト侯爵や侯爵夫人の前では、か弱いお嬢様を演じられていますが、昔から使用人が言うことをきかなかったら目の前でリンゴを握りつぶすんですよ。そして、【リンゴの次ぎはお前をこうする】って脅してくるんですよ。皆潰されたくないので、キャロットお嬢様がおかしな行動をしていても誰も見て見ぬフリをするんです。まぁ、アンリお嬢様が養子に出た事が分かったら落ち着かれるんじゃないですか?知りませんけど…。」
お姉様…リンゴ潰せるんだ…。
そんな特技あったなんて知らなかったや…。
私の部屋にドレスや宝石をメイド達は何も言わずに運んできて、その後カルサイト侯爵や夫人に私が怒られていても皆知らぬ存ぜぬだったのは…握りつぶされたくなかったからか…。
私一人が生贄になればよかったんだもんな…。
雇い主の娘を生贄にするなんて…酷いや…。
「なるほどね…そのせいで、お姉様の無茶苦茶な言い訳も全て通ったんだ…。」
「落ち込まないでくださいよ?私は、お嬢様を助けようとしましたよ?でも助ける前に自分で解決してしまったのはお嬢様ですよ?」
「へ?」
私は何を言われているのか理解が出来ず変な声をあげてしまった。
解決してた?
いつ?
私が首を傾げていると、エマが続けた。
「ですから、ドレスの事を侯爵に報告しようと思っていたらお嬢様がサク達を使って問題を解決された上に、平民になるから要らないものは売るって言って押し付けられる物を次々現金化されましたよね?それに侯爵から夕飯抜きを命じられても、使用人食堂で食事を食べて何事もなく過ごされてましたし…それも楽しそうに。なので、私達は…と言っても全員がそうなのかは知りませんが、お嬢様のこっそり活動を知っているメンバーは手を出さずにお嬢様に身の危険が起こりそうになった時だけ助けることに決めていたんですよ。侯爵から投げられるグラス等はお嬢様が綺麗に避けられていたので危険はないと判断しておりました。しかし、今回の事を聞くとお嬢様、今後は気をつけなければなりません。まだ侯爵すら養子に出したことに気づいておられない可能性が高いです。私は今からトパゾライト公爵家に連絡を入れてまいります。お嬢様は絶対に部屋から出られませんように!いいですか?美味しいドーナツがあるとか、焼き鳥持ってきたと言われても私が戻るまでは出ては行けませんよ?」
そう言い残してエマは去っていった。
エマさんや…私を何歳だと思ってるんだい?
ドーナツや焼き鳥に…いやうっかりしたらつられるかもしれない…。
自分自身にがっかりだよ…。
トパゾライト公爵家に迷惑をかけることになってしまった。
反省だ…といってもこれは私一人でどうにかできることじゃないか…。
それにしてもお姉様は何故あんなに必死だったんだろう?
あとは卒業だけだよね?
まさか卒業ができないかもしれないとか?
そんなまさか…ねぇ?
お姉様が婚約した当時は、卒業後したら結婚準備に入る予定って聞いていたけど…今はどうなっているんだろう?
そもそも婚約自体がどうなっているんだ?
お姉様は既に飽きているはずだけど?
いくら私が考えても答えは出ないので、私は大人しくエマを待つことにした。
ベッドに横になりふと先程のサイラスとのやり取りを思い出した。
捨てられた仔犬みたいでサイラス可愛かったな…。
サイラスを思い出し少しニヤついてしまう私だったのでした。
「お姉様が突然現れて驚いたよ…。それに思いっきり爪立ててきたから…。痛かったよ…。お姉様にあんなに握力あったなんて驚きだよ…。」
「まぁ、あのキャロットお嬢様ですからね。何もできないと思いますよね?でもキャロットお嬢様は昔から力が強いんですよ?使用人の中では有名な話なんですけどね?」
「え?知らないよ?何その話?」
「カルサイト侯爵や侯爵夫人の前では、か弱いお嬢様を演じられていますが、昔から使用人が言うことをきかなかったら目の前でリンゴを握りつぶすんですよ。そして、【リンゴの次ぎはお前をこうする】って脅してくるんですよ。皆潰されたくないので、キャロットお嬢様がおかしな行動をしていても誰も見て見ぬフリをするんです。まぁ、アンリお嬢様が養子に出た事が分かったら落ち着かれるんじゃないですか?知りませんけど…。」
お姉様…リンゴ潰せるんだ…。
そんな特技あったなんて知らなかったや…。
私の部屋にドレスや宝石をメイド達は何も言わずに運んできて、その後カルサイト侯爵や夫人に私が怒られていても皆知らぬ存ぜぬだったのは…握りつぶされたくなかったからか…。
私一人が生贄になればよかったんだもんな…。
雇い主の娘を生贄にするなんて…酷いや…。
「なるほどね…そのせいで、お姉様の無茶苦茶な言い訳も全て通ったんだ…。」
「落ち込まないでくださいよ?私は、お嬢様を助けようとしましたよ?でも助ける前に自分で解決してしまったのはお嬢様ですよ?」
「へ?」
私は何を言われているのか理解が出来ず変な声をあげてしまった。
解決してた?
いつ?
私が首を傾げていると、エマが続けた。
「ですから、ドレスの事を侯爵に報告しようと思っていたらお嬢様がサク達を使って問題を解決された上に、平民になるから要らないものは売るって言って押し付けられる物を次々現金化されましたよね?それに侯爵から夕飯抜きを命じられても、使用人食堂で食事を食べて何事もなく過ごされてましたし…それも楽しそうに。なので、私達は…と言っても全員がそうなのかは知りませんが、お嬢様のこっそり活動を知っているメンバーは手を出さずにお嬢様に身の危険が起こりそうになった時だけ助けることに決めていたんですよ。侯爵から投げられるグラス等はお嬢様が綺麗に避けられていたので危険はないと判断しておりました。しかし、今回の事を聞くとお嬢様、今後は気をつけなければなりません。まだ侯爵すら養子に出したことに気づいておられない可能性が高いです。私は今からトパゾライト公爵家に連絡を入れてまいります。お嬢様は絶対に部屋から出られませんように!いいですか?美味しいドーナツがあるとか、焼き鳥持ってきたと言われても私が戻るまでは出ては行けませんよ?」
そう言い残してエマは去っていった。
エマさんや…私を何歳だと思ってるんだい?
ドーナツや焼き鳥に…いやうっかりしたらつられるかもしれない…。
自分自身にがっかりだよ…。
トパゾライト公爵家に迷惑をかけることになってしまった。
反省だ…といってもこれは私一人でどうにかできることじゃないか…。
それにしてもお姉様は何故あんなに必死だったんだろう?
あとは卒業だけだよね?
まさか卒業ができないかもしれないとか?
そんなまさか…ねぇ?
お姉様が婚約した当時は、卒業後したら結婚準備に入る予定って聞いていたけど…今はどうなっているんだろう?
そもそも婚約自体がどうなっているんだ?
お姉様は既に飽きているはずだけど?
いくら私が考えても答えは出ないので、私は大人しくエマを待つことにした。
ベッドに横になりふと先程のサイラスとのやり取りを思い出した。
捨てられた仔犬みたいでサイラス可愛かったな…。
サイラスを思い出し少しニヤついてしまう私だったのでした。
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