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遥香の誘い
しおりを挟むうだうだとパソコンに向き合い、入力をしていたアタシの所に遥香がやって来た。
「……どう…終わる?」
「ん~もうちょっとなんだよね」
髪が乱れるのも構わず、がしがしと頭をかいた。苛々した時のくせで、あまり女子力の高い仕草とは言えない。
「…そう。この前…買い物後で撮影現場に遭遇したでしょう?…その時のドラマが今日から放送されるそうよ…」
「あぁ!あの時の」
人気俳優が出番待ちをしていて、アタシが突き飛ばされた現場。
忘れたくても忘れられない。アタシが彼と出会った場所なのに。今だに彼に繋がる糸は見えない。
「…そう。今日は…お泊りして一緒に見ない?」
遥香からアタシを気遣う気持ちを感じたので、アタシも心良く了承した。一目惚れの彼を探してさ迷っているのを、いつも心配してくれているから、今日くらいは息抜きしようと思えた。
今日は週末、遥香は独り暮らしだし、料理も上手、女子力も高いので泊まりに行けば、新作コスメを試したり、普段出来ない鍋物をしたりお互いに楽しめた。
「よぉーし。じゃ、ちゃっちゃと片付けるからね!」
腕まくりする勢いで、またパソコンに向かう。
「…ええ…待ってる」
花のような笑顔を向けられ、あーアタシ男だったら遥香と付き合うのに…なんて思ってしまう。
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