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ヘビーローテーション
しおりを挟む遥香の家にお泊りして帰宅してから、アタシのパソコンは大活躍だった。
恥ずかしながら初めてファンクラブに入会して、高遠さんのブログを読み漁った。
今、公演中の舞台とドラマの撮影現場の様子が写真付きで見られる。
同じ劇団の仲良しとじゃれあっている写真、美味しそうな差し入れの写真、ビルの上から見えた鮮やかな夕焼け、どれを見ても楽しくて、全然知らなかった彼の生活を覗き見れる好奇心で、ずっとパソコンに張り付いていた。
ちょっと飽きたら、動画を検索して舞台の様子も見た。すぐそこに高遠さんがいて、話して動いていたら、きっと舞い上がる程嬉しい。たとえ二人きりでなくても、同じ場所で同じ時間を共有できるなら幸せだ。
自分がこんなに執着するなんて意外だった。
住む世界が違うから、ムリって言っちゃえば楽だし。それを言わないでいるのは、まわりがわかんないおバカさんなんだろう。
鷹峰さんのファン、わからないなんて言って悪かった。
今のアタシはヘビロテで高遠さん漬けになっている。
ふいに鳴った携帯の表示は遥香からだった。ちょっとした確認ならメールを先にくれるのに、電話が先に鳴るのは珍しい。
「……未也、今なにかしてるかしら……」
遥香の背後にはざわめきがあり、外で話しているようだ。
「ううん大丈夫。動画のサイトから高遠さんの舞台を見てただけ。何もしてないよ」
顎に携帯を挟んで、パソコンを操作する。動画の時間は10分しかないので、こまめにダウンロードを繰り返して根気よく見ていくしかない。
「……そう。今から出れる?……」
「大丈夫だけど。食事?買い物なら早く言ってくれたら朝から付き合うのに」
つい髪をくしゃくしゃと掻きむしる。パジャマ替わりのジャージと、襟のだぶついた長袖Tシャツでいるのは内緒だ。
「……違うの……新宿駅まで出てきて?着いたら連絡をちょうだい……」
「あーわかった。支度して電車に飛び乗るから待ってて。誰にもナンパされないでよ」
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