町工場の専務が異世界に転生しました。辺境伯の嫡男として生きて行きます！

第43章 決着

決着

クロヴィスが倒れキメラも一掃した。
兵士がクロヴィスを取り囲む。
オルウェンが「クロヴィスを捕縛せよ！」と兵士に命令をする。
手錠をかけようと近づくと、クロヴィスは不気味な笑い声を上げる。「ふはは‥まだ終わっていない‥終わってないぞ！」クロヴィスは起き上がり、左手でガラス製の注射器を取り出し、紫色の液体を首に突き刺す。

クロヴィスの身体がみるみる膨張。筋肉が膨れ上がり、皮膚が緑と黒の鱗に覆われる。切り落とされた右腕が再生し、鋭い爪が光る。ルシアンが「何をした！ モートン！」と叫ぶが、クロヴィスは狂気の笑みを浮かべ、「我が野望は‥まだ終わりではないぞ！ヴァルドール！」と哄笑。身体が巨大化し、謁見の間の天井を突き破る勢いで変形していく。
「何かやばいぞ！止めろ！」
ルシアンとセリアは「爆炎魔法」を放つ。ルシアンは「何かやばいぞ！止めろ！」
クロヴィスは黒煙に包まれる。

煙が晴れると、巨大なドラゴンがそびえ立つ。緑と黒の鱗、燃えるような赤い目、鋭い爪と牙を持つ怪物。クロヴィスが「ヴァルドール！ 貴様らを、この国を滅ぼしてやる！」と咆哮。

ギデオンが「何か危険だ！ 陛下を退避させろ！」と叫び、オルウェンが「陛下、こちらへ！」と国王、皇太子、ミリアムを避難通路へ導く。アレクシスが「俺も戦うぞ！」と剣を構えるが、ミリアムが「兄上、陛下を！」と魔力障壁を展開。
「陛下！殿下！一旦引きましょう！」オルウェンがギデオンを見て頷く。アレクシスがルシアン！負けるな！」と叫ぶ！
ルシアンが「セリア、魔法を撃て！」と叫び、セリアが「爆炎魔法・インフェルノ！」を放つ。
その間にオルウェンが陛下と部屋の外へ。
ギデオンも炎魔法で援護。炎がドラゴンを包むが、鱗に弾かれる。ギデオンの「氷の刃・アイスストーム」が続き、ドラゴンの足を凍らせるが、すぐに振りほどかれる。クロヴィスが「我が力は魔王に匹敵する！ 貴様らに勝ち目はない！」と哄笑。

ルシアンの「雷光斬」は鱗に浅い傷しかつけられず、セリアの火魔法も効果が薄い。ドラゴンの尻尾が空を切り、ルシアンたちが後退。ギデオンは義足を滑らせ、「氷結剣」でドラゴンの動きを封じようとするが、ドラゴンの力が強すぎる。ギデオンが弾かれる。ルシアンが「セリア、回復魔法を！」と叫び、セリアが「ヒールライト」でギデオンの傷を癒す。ドラゴンが「ドラゴンブレス」を放ち、灼熱の炎が謁見の間を襲う。ルシアン、セリア、ギデオンは魔力障壁を展開し、炎を防ぐが、衝撃で床がひび割れる。

セリアの犠牲とルシアンの覚醒

ルシアンが斬りかかりるがドラゴンの爪で弾かれバランスを崩す。ドラゴンの爪攻撃がルシアンを狙う。鋭い爪が空を切り、ルシアンが剣で受け止めようとする瞬間、セリアが「ルシアン！」と叫び、身を挺して飛び込む。腕を交差させ、籠手で防御するが、ドラゴンの力が強く、籠手が粉々に砕け、セリアは壁に激突。血を流しながら倒れる。ルシアンが「セリアァァァー！」と叫び、目が怒りに燃える。「クロヴィス！ セリアを‥絶対に許さない！」

ルシアンはセリアに駆け寄り、「ヒール」を唱え、回復魔法で傷を癒す。セリアの血が止まり、意識が戻るが、腕の震えで立ち上がれない。セリアが「ルシアン‥勝って‥仲間を‥守って‥」と弱々しく呟く。ルシアンの全身から白い魔力のオーラが迸り、怒りが頂点に達すると、みるみる黄金色に変わる。謁見の間の空気が震え、黄金の光が大理石の壁を照らす。ギデオンが目を瞠る。「黄金色のオーラ‥！初代国王の時代の英雄が身に纏ったと言われる黄金虫のオーラ！」

ルシアンが「セリアを傷つけるな！ クロヴィス、貴様の野望をここで終わらせる！」と剣を握りしめる。ギデオンが「私が一撃を入れる！ ルシアン、そのオーラをモートンにくらわせろ！」と叫び、義足を滑らせて居合の構え。「ヴァルドール剣技・居合一閃！」剣がドラゴンの顔を狙い、鱗が砕け、爆発のような衝撃が響く。セリアは倒れたまま力を振り絞り、「炎の竜巻・インフェルノストーム！」を放つ。炎がドラゴンの鱗に亀裂を生み、動きを一瞬止める。

ルシアンは黄金色のオーラを剣に集中。光の槍のような一撃がドラゴンの胸を貫く。クロヴィスが「ヴァルドールーー！」と咆哮し、身体に巨大な穴が開く。ドラゴンが縮み、クロヴィスは人間の姿に戻り、血まみれで床に倒れる。「まだ‥私の野望は‥！」と呟き、息絶える。ルシアンは剣を構えたまま、「クロヴィス‥終わりだ」と息を切らす。セリアが「ルシアン‥やった‥」と涙を流す。ギデオンが「ルシアン、よくやった。ヴァルドールの誇りだ」と肩を叩く。

ルミエール城の終息

モートン枢機卿クロヴィスの死亡により、ルミエール城の戦いは終息した。ルシアンの黄金色のオーラは、初代国王の伝説を呼び覚まし、ヴァルドール家の使命を証明した。セリアは傷を癒され、仲間と共に勝利を喜ぶ。下の階では、特待生クラスとエレノア教授がキメラを一掃し、城門を死守。ルミエール城は静寂を取り戻し、ヴァルシア王国の危機は一旦収束する。

謁見の間の静寂

ルミエール城の謁見の間は、戦いの爪痕が残る静かな空間に戻っていた。大理石の床は血とひび割れで汚れ、黄金の装飾は煤で曇っている。ルシアンはセリアを支え、「セリア、無理するな」と言う。セリアは弱々しく微笑み、「ルシアン…ありがとう…仲間を守ってくれて…」と手を握る。
オルウェンが国王、皇太子アレクシス、ミリアム王女を避難先から連れ戻り、「陛下、王家は無事だ」と報告。国王が「ルシアン、ギデオン、クロヴィスの陰謀を暴き、王国を救ってくれた。ヴァルドール家の誇りに感謝する」と言う。アレクシスが「ルシアン、お前の力は本物だ。ヴァルシア王家も負けてられないな」と笑い、ミリアムが「ルシアン様、ありがとう‥」と涙ぐむ。