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第377話
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「やぁ、どうかな? 新しく手に入れたこの機体は?」
タヂカラオは見せびらかすように両手を広げて見せる。
ヨシナリは特に驚きもなく淡々と敵機を観察。 さっきの挨拶の時にタヂカラオのランクがAになっていたのを見た時点でこういう事もあるだろうなと思っていた。
元々、『思金神』はメンバーに高額な装備を支給して戦力の底上げを図る傾向にあったので、Aランクに上がったばかりのタヂカラオがジェネシスフレームを持っていても不思議はない。
「ジェネシスフレームを買って貰えるなんて羨ましい限りですね。 まさかとは思いますけど、自慢したくて仕掛けてきたんですか?」
「それこそまさかだ。 なんなら君も『思金神』に入りたまえ。 そうすれば君も買って貰えるかもしれないよ?」
「ご冗談を」
タヂカラオが無言で腕を向けてきたので即座にバレルロール。
間合い的に一回転程度で躱せる間合いだが、あの形状に嫌な予感がしたので余裕をもって三回転。
その判断は正しく、タヂカラオの腕にある輪が発光し、リング状のエネルギー弾が飛び出す。
「今のタイミングで躱すなんてやるね!」
重力を感じさせない飛行で音もなく追撃をかけてくるのを最大加速で距離を離しつつ、ヨシナリはシックスセンスを全開にして情報収集に専念する事にした。
「おいおい、ジェネシスフレームとか聞いてないぞ。 そもそも、前のイベント出てたって事は終わった後に昇格したのか」
マルメルは小さくそう呟く。 空ではタヂカラオの機体がリング状のエネルギー弾を連射しながらヨシナリのホロスコープを追いかけ回していた。
あの様子だと簡単にやられる事はないはずなので、特に気にしない。
気にするべきなのは目の前にいる敵なのだから。 同数である以上、一機でも落とせば大きく有利になり、一機でも落とされれば大きく不利になる。 だから、簡単に落とされる事はあってはならない。
そんな気負いはあるが、マルメルは舐めるなと内心で笑う。
前のユニオン対抗戦では半分の人数で格上相手に戦ってきたんだ。
同数相手なら寧ろあの時よりは楽ですらある。 連携も磨いてきた、機体もあの時と違う。
最大手のユニオンだろうが二軍レベルなら充分に通用するはずだ。
敵の動きはタヂカラオがヨシナリと一騎打ち。 残りの五機はプリンシパリティは下がって支援の構え、アークエンジェルはエネルギーウイングを噴かして前衛へと向かう。
それをすり抜けて二機のキマイラループスがこちらに向かって来ていた。
「来るぞ。 後輩! 気合を入れろよ!」
「うっす。 任せてください!」
レーダー表示には映っているが、視界には入らない。
上手にビルを縫うように移動して視認できないようにしている。
この辺りは流石の上位プレイヤーだ。 移動一つとっても同ランク帯とは格が違う。
真っ先に突っ込んだのはホーコートだ。
エネルギーウイングを噴かし敵機を即座に射程内に収めて、エネルギー式の突撃銃を連射。
マルメルから視認は出来ないがレーダー表示から綺麗に回避して散開した事が分かる。
ホーコートが即座にマガジンを交換。
エネルギーウイングの消耗を考えてマガジン式の武装を採用しているのでリロードが必要だ。
そんな隙を敵機が見逃すわけがない。 即座に攻撃態勢に入るが、マルメルは動きを止めた敵機目掛けてハンドレールキャノンを構えて発射。 以前に使用していた物よりも上位の装備だけあって、チャージから発射までの間隔が短い。 弾体はビルを数棟纏めて貫通して敵機へと襲い掛かる。
流石にこの位置で撃たれるとは思っていなかったのか反応が遅れていたが、しっかりと回避。
だが、ホーコートへの攻撃は中断せざるを得ない。 残りの一機が突撃銃を連射していたが、ホーコートは慌てて高度を下げる事で躱す。 その様子を見てマルメルは大丈夫かよと少し心配になるが、やられていない以上はまだ大丈夫のはずだ。
敵のプリンシパリティの砲口がこちらを向くが、発射前にエネルギーによって電磁加速された弾丸が飛ぶ。 敵機はエネルギーフィールドを展開したがあっさりと貫通し、肩に乗っていた二門の砲の内、一つを破壊。
「――チッ、フィールドの所為で逸れた」
同時に通信からグロウモスの舌打ちがノイズに混じって響く。
動揺しているはずだが、立て直しも早く、プリンシパリティは即座に撃ち返す。
極太のレーザー攻撃がグロウモスの居るであろう場所を薙ぐが、彼女のシグナルは健在。
既に移動した後のようだ。
マルメルはこれならプリンシパリティは気にしなくて大丈夫そうだなと目の前のキマイラループスへと集中する。 確かに動きは速く、捉えるのは難しいが、決して勝てない相手ではない。
マルメルはヨシナリから受け継いだアノマリーを実弾に切り替えて、ハンドレールキャノンで開けた穴から敵機へと銃撃。 撃ち返そうとしていた敵機は即座に移動する。
このコンクリートジャングルを上手く活用して気配を消しているが、センサー系を強化しているお陰で見失う事はない。 前までの機体なら既にロストしていたであろう事は確実なので、ヨシナリには感謝しかなかった。
キマイラループスに関してはヨシナリと予習しておいた。
パンテラもそうだが、四つ足形態への変形を可能としたキマイラタイプには特徴がある。
人型に変形すると露骨に挙動に違いが出るので、レーダー表示でも動きを注視しておけばどちらの形態かが分かるのだ。 移動速度がガクリと落ちたので人型に変形したとみて間違いない。
ビルの陰へ移動しているので、ポジショニング的に銃撃狙いか?
マルメル銃口だけをビルの陰から出して銃撃。 相手もほぼ同じタイミングで撃ってきたので読みは外れていない。 ちらりとホーコートの方を確認すると派手な銃声が響いている。
銃声からホーコートは逃げに徹し、相手が一方的に撃っている形になっているがやられいないならまだ気にしなくてもいい。 ホーコートの技量的に撃墜はあまり期待しておらず、彼には最低一機の足止めを指示していた。 今の所は指示通りに動けてはいるが、マルメルとしてはいつまでもは保たないと思っているので、早く仕留めて助けに行ってやらないとなと思いつつ、焦るなと自分に言い聞かせて深呼吸。
――よし。
敵機は変形してビルの上。 恐らくは強襲狙い。
迎撃するべく、マルメルは機体を後退させながらアノマリーを構えた。
タヂカラオは見せびらかすように両手を広げて見せる。
ヨシナリは特に驚きもなく淡々と敵機を観察。 さっきの挨拶の時にタヂカラオのランクがAになっていたのを見た時点でこういう事もあるだろうなと思っていた。
元々、『思金神』はメンバーに高額な装備を支給して戦力の底上げを図る傾向にあったので、Aランクに上がったばかりのタヂカラオがジェネシスフレームを持っていても不思議はない。
「ジェネシスフレームを買って貰えるなんて羨ましい限りですね。 まさかとは思いますけど、自慢したくて仕掛けてきたんですか?」
「それこそまさかだ。 なんなら君も『思金神』に入りたまえ。 そうすれば君も買って貰えるかもしれないよ?」
「ご冗談を」
タヂカラオが無言で腕を向けてきたので即座にバレルロール。
間合い的に一回転程度で躱せる間合いだが、あの形状に嫌な予感がしたので余裕をもって三回転。
その判断は正しく、タヂカラオの腕にある輪が発光し、リング状のエネルギー弾が飛び出す。
「今のタイミングで躱すなんてやるね!」
重力を感じさせない飛行で音もなく追撃をかけてくるのを最大加速で距離を離しつつ、ヨシナリはシックスセンスを全開にして情報収集に専念する事にした。
「おいおい、ジェネシスフレームとか聞いてないぞ。 そもそも、前のイベント出てたって事は終わった後に昇格したのか」
マルメルは小さくそう呟く。 空ではタヂカラオの機体がリング状のエネルギー弾を連射しながらヨシナリのホロスコープを追いかけ回していた。
あの様子だと簡単にやられる事はないはずなので、特に気にしない。
気にするべきなのは目の前にいる敵なのだから。 同数である以上、一機でも落とせば大きく有利になり、一機でも落とされれば大きく不利になる。 だから、簡単に落とされる事はあってはならない。
そんな気負いはあるが、マルメルは舐めるなと内心で笑う。
前のユニオン対抗戦では半分の人数で格上相手に戦ってきたんだ。
同数相手なら寧ろあの時よりは楽ですらある。 連携も磨いてきた、機体もあの時と違う。
最大手のユニオンだろうが二軍レベルなら充分に通用するはずだ。
敵の動きはタヂカラオがヨシナリと一騎打ち。 残りの五機はプリンシパリティは下がって支援の構え、アークエンジェルはエネルギーウイングを噴かして前衛へと向かう。
それをすり抜けて二機のキマイラループスがこちらに向かって来ていた。
「来るぞ。 後輩! 気合を入れろよ!」
「うっす。 任せてください!」
レーダー表示には映っているが、視界には入らない。
上手にビルを縫うように移動して視認できないようにしている。
この辺りは流石の上位プレイヤーだ。 移動一つとっても同ランク帯とは格が違う。
真っ先に突っ込んだのはホーコートだ。
エネルギーウイングを噴かし敵機を即座に射程内に収めて、エネルギー式の突撃銃を連射。
マルメルから視認は出来ないがレーダー表示から綺麗に回避して散開した事が分かる。
ホーコートが即座にマガジンを交換。
エネルギーウイングの消耗を考えてマガジン式の武装を採用しているのでリロードが必要だ。
そんな隙を敵機が見逃すわけがない。 即座に攻撃態勢に入るが、マルメルは動きを止めた敵機目掛けてハンドレールキャノンを構えて発射。 以前に使用していた物よりも上位の装備だけあって、チャージから発射までの間隔が短い。 弾体はビルを数棟纏めて貫通して敵機へと襲い掛かる。
流石にこの位置で撃たれるとは思っていなかったのか反応が遅れていたが、しっかりと回避。
だが、ホーコートへの攻撃は中断せざるを得ない。 残りの一機が突撃銃を連射していたが、ホーコートは慌てて高度を下げる事で躱す。 その様子を見てマルメルは大丈夫かよと少し心配になるが、やられていない以上はまだ大丈夫のはずだ。
敵のプリンシパリティの砲口がこちらを向くが、発射前にエネルギーによって電磁加速された弾丸が飛ぶ。 敵機はエネルギーフィールドを展開したがあっさりと貫通し、肩に乗っていた二門の砲の内、一つを破壊。
「――チッ、フィールドの所為で逸れた」
同時に通信からグロウモスの舌打ちがノイズに混じって響く。
動揺しているはずだが、立て直しも早く、プリンシパリティは即座に撃ち返す。
極太のレーザー攻撃がグロウモスの居るであろう場所を薙ぐが、彼女のシグナルは健在。
既に移動した後のようだ。
マルメルはこれならプリンシパリティは気にしなくて大丈夫そうだなと目の前のキマイラループスへと集中する。 確かに動きは速く、捉えるのは難しいが、決して勝てない相手ではない。
マルメルはヨシナリから受け継いだアノマリーを実弾に切り替えて、ハンドレールキャノンで開けた穴から敵機へと銃撃。 撃ち返そうとしていた敵機は即座に移動する。
このコンクリートジャングルを上手く活用して気配を消しているが、センサー系を強化しているお陰で見失う事はない。 前までの機体なら既にロストしていたであろう事は確実なので、ヨシナリには感謝しかなかった。
キマイラループスに関してはヨシナリと予習しておいた。
パンテラもそうだが、四つ足形態への変形を可能としたキマイラタイプには特徴がある。
人型に変形すると露骨に挙動に違いが出るので、レーダー表示でも動きを注視しておけばどちらの形態かが分かるのだ。 移動速度がガクリと落ちたので人型に変形したとみて間違いない。
ビルの陰へ移動しているので、ポジショニング的に銃撃狙いか?
マルメル銃口だけをビルの陰から出して銃撃。 相手もほぼ同じタイミングで撃ってきたので読みは外れていない。 ちらりとホーコートの方を確認すると派手な銃声が響いている。
銃声からホーコートは逃げに徹し、相手が一方的に撃っている形になっているがやられいないならまだ気にしなくてもいい。 ホーコートの技量的に撃墜はあまり期待しておらず、彼には最低一機の足止めを指示していた。 今の所は指示通りに動けてはいるが、マルメルとしてはいつまでもは保たないと思っているので、早く仕留めて助けに行ってやらないとなと思いつつ、焦るなと自分に言い聞かせて深呼吸。
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