婚約破棄された令嬢は騎士団長に溺愛される

狭山雪菜

文字の大きさ
14 / 35

城へ

しおりを挟む
ハイネックのAラインの赤いドレスは鎖骨は赤いレースと裾に赤い花があしらわれており、腰の細さを引き立てる
ローヒールの赤い靴は主役のホークと一緒に長時間行動を共にするため履きやすいものにした
薬指にはホークからもらった赤い宝石が装飾されている指輪と結婚指輪の2つが輝く
銀色の美しい髪は赤い宝石が付いた髪留めのお団子でアップし、サイドに髪を少し垂らす

大きな鏡で全身チェックし
「ハンナ今日の私はどうかしら?」
「1万点ですわ」
と即答するハンナに呆れる
「厳し目にお願い、今日はホーク様の横に立って挨拶しなければいけないの、失敗は許されないわ」
ハンナは私にいつも甘いので咎める
「ですから1万点ですわ、なんなら今日行かないとか言いそうですが」
そう言ってハンナじゃ当てにならないと、自分自身をもう一度チェックするが
「…ホーク様カラー入れすぎかしら…減らした方がいいのかしら」
ぼそりと言ったひと言にハンナは慌てて
「いいえ!絶対にダメです!それだけはやめてください!」
と部屋から無理矢理送り出された



廊下で待っていたのはホーク様と執事のアークで、2人とも私を見て目を見開く
私も彼の勲章が胸元に色とりどりのいくつも飾りが付いている白い軍服姿に見惚れるが、ハッと我にかえる


「…やっぱり派手でしたか?」
ひと言も発しない2人に不安になり、着替えようと足を動かそうとすると
「…いや…美しい」
「そうですよ奥様、こんな美しい方は見たことありません」
それぞれ褒めてくれる
「ありがとうございます」
と一礼すると、手を差し出すホーク様
「行こうか」
低く呟く彼の手を取り一緒に歩き始めた






****************





馬車に乗り込み2人きりになった車内で膝の上に乗せようとするホーク様の手を止めた
「…どうした」
手を止められるとは思っていなかったのか不機嫌な声が耳元にかかる
「ホーク様の軍服にシワが出来てしまいますわ」
「…ふっ…それなら気にするな」
言い終わる前に手を引かれ膝の上に乗せられた

一応シワにならないよう慎重に座りホーク様の手に触れ握るが、慎重に座ったのにいつものようにぐいっと腰を寄せられる
お互いクスクス笑い馬車が動き出した


「ホーク様、騎士団の事を勉強したのですが、他に気をつける事などアドバイスはありますか?」
「…特にはない、むしろ側から離れるな」
ギュッと私の肩に頭を乗せ甘えるホーク様に胸がきゅんとする

ーーかっ…可愛い!!
抱きしめたいのを我慢して空いた手でホーク様の頭を撫でた



城に到着し、馬車からホークの手を借り降り、ホークが折り曲げた腕に手を添えた
会場内に近づくとだんだんと音楽が聞こえ、入り口から中が、人々は談笑し立食しているのが見える
私とホークが入ると人々は談笑をやめ静まり音楽のみが聴こえる

「?」

ギュッと腕に触れていた手に力が入る

ーーなんで静かになるの?!

心の中は凄く焦っているが感情を出さないよう無表情になる
するとホークに上から手を重ねられ、見上げると目を細めた彼と目が合い、
大丈夫と言っているような気がして
ホッとして微笑み返す
今度はどよっと騒がしくなり、談笑がまた始まり私達は国王陛下と王妃に挨拶に向かう


会場内にはエリカの慰労会にいた騎士団員も何人かいて見知った顔を見つけ肩の力が抜けた
国王陛下の元へ向かうと数人の列が出来ていたので並びゆっくり進む

私達の番になり、ホーク様が挨拶し言葉を交わすその後に私が軽く挨拶すると
「スワローズ…いやダリウス夫人よく来てくれた」
相変わらず渋い声の国王陛下
「マリア夫人ようこそいらっしゃいました」
にこにことする王妃に
「ご招待ありがとうございます」
お礼を伝えた

次の人も待っていたのでホークに手を引かれるままフロアに戻った
すると、騎士団員の人達と挨拶をしホーク様は話し込み
家では見せない仕事の時の真面目な顔になっていた
ーー家ではいつも優しい顔をしているから新鮮で…かっこいいわ

ホーク様に見惚れていたら、人混みをかき分ける騒ぎがした
近くなっている騒ぎに目を向けると


「マリア!」



王太子とミナ様だった
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勘違いで嫁ぎましたが、相手が理想の筋肉でした!

エス
恋愛
「男性の魅力は筋肉ですわっ!!」 華奢な男がもてはやされるこの国で、そう豪語する侯爵令嬢テレーゼ。 縁談はことごとく破談し、兄アルベルトも王太子ユリウスも頭を抱えていた。 そんな折、騎士団長ヴォルフがユリウスの元に「若い女性を紹介してほしい」と相談に現れる。 よく見ればこの男──家柄よし、部下からの信頼厚し、そして何より、圧巻の筋肉!! 「この男しかいない!」とユリウスは即断し、テレーゼとの結婚話を進める。 ところがテレーゼが嫁いだ先で、当のヴォルフは、 「俺は……メイドを紹介してほしかったんだが!?」 と何やら焦っていて。 ……まあ細かいことはいいでしょう。 なにせ、その腕、その太もも、その背中。 最高の筋肉ですもの! この結婚、全力で続行させていただきますわ!! 女性不慣れな不器用騎士団長 × 筋肉フェチ令嬢。 誤解から始まる、すれ違いだらけの新婚生活、いざスタート! ※他サイトに投稿したものを、改稿しています。

本の虫令嬢ですが「君が番だ! 間違いない」と、竜騎士様が迫ってきます

氷雨そら
恋愛
 本の虫として社交界に出ることもなく、婚約者もいないミリア。 「君が番だ! 間違いない」 (番とは……!)  今日も読書にいそしむミリアの前に現れたのは、王都にたった一人の竜騎士様。  本好き令嬢が、強引な竜騎士様に振り回される竜人の番ラブコメ。 小説家になろう様にも投稿しています。

勘違い妻は騎士隊長に愛される。

更紗
恋愛
政略結婚後、退屈な毎日を送っていたレオノーラの前に現れた、旦那様の元カノ。 ああ なるほど、身分違いの恋で引き裂かれたから別れてくれと。よっしゃそんなら離婚して人生軌道修正いたしましょう!とばかりに勢い込んで旦那様に離縁を勧めてみたところ―― あれ?何か怒ってる? 私が一体何をした…っ!?なお話。 有り難い事に書籍化の運びとなりました。これもひとえに読んで下さった方々のお蔭です。本当に有難うございます。 ※本編完結後、脇役キャラの外伝を連載しています。本編自体は終わっているので、その都度完結表示になっております。ご了承下さい。

この結婚に、恋だの愛など要りません!! ~必要なのはアナタの子種だけです。

若松だんご
恋愛
「お前に期待するのは、その背後にある実家からの支援だけだ。それ以上のことを望む気はないし、余に愛されようと思うな」  新婚初夜。政略結婚の相手である、国王リオネルからそう言われたマリアローザ。  持参金目当ての結婚!? そんなの百も承知だ。だから。  「承知しております。ただし、陛下の子種。これだけは、わたくしの腹にお納めくださいませ。子を成すこと。それが、支援の条件でございますゆえ」  金がほしけりゃ子種を出してよ。そもそも愛だの恋だのほしいと思っていないわよ。  出すもの出して、とっとと子どもを授けてくださいな。

いなくなった伯爵令嬢の代わりとして育てられました。本物が見つかって今度は彼女の婚約者だった辺境伯様に嫁ぎます。

りつ
恋愛
~身代わり令嬢は強面辺境伯に溺愛される~ 行方不明になった伯爵家の娘によく似ていると孤児院から引き取られたマリア。孤独を抱えながら必死に伯爵夫妻の望む子どもを演じる。数年後、ようやく伯爵家での暮らしにも慣れてきた矢先、夫妻の本当の娘であるヒルデが見つかる。自分とは違う天真爛漫な性格をしたヒルデはあっという間に伯爵家に馴染み、マリアの婚約者もヒルデに惹かれてしまう……。

【完結】王子から婚約解消されましたが、次期公爵様と婚約して、みんなから溺愛されています

金峯蓮華
恋愛
 ヴィオレッタは幼い頃から婚約していた第2王子から真実の愛を見つけたと言って、婚約を解消された。  大嫌いな第2王子と結婚しなくていいとバンザイ三唱していたら、今度は年の離れた。筆頭公爵家の嫡男と婚約させられた。  のんびり過ごしたかったけど、公爵夫妻と両親は仲良しだし、ヴィオレッタのことも可愛がってくれている。まぁいいかと婚約者生活を過ごしていた。  ヴィオレッタは婚約者がプチヤンデレなことには全く気がついてなかった。  そんな天然気味のヴィオレッタとヴィオレッタ命のプチヤンデレユリウスの緩い恋の物語です。  ゆるふわな設定です。  暢気な主人公がハイスペプチヤンデレ男子に溺愛されます。  R15は保険です。

【完結】偽物聖女は冷血騎士団長様と白い結婚をしたはずでした。

雨宮羽那
恋愛
 聖女補佐官であるレティノアは、補佐官であるにも関わらず、祈りをささげる日々を送っていた。  というのも、本来聖女であるはずの妹が、役目を放棄して遊び歩いていたからだ。  そんなある日、妹が「真実の愛に気づいたの」と言って恋人と駆け落ちしてしまう。  残されたのは、聖女の役目と――王命によって決められた聖騎士団長様との婚姻!?  レティノアは、妹の代わりとして聖女の立場と聖騎士団長との結婚を押し付けられることに。  相手のクラウスは、「血も涙もない冷血な悪魔」と噂される聖騎士団長。クラウスから「俺はあなたに触れるつもりはない」と言い放たれたレティノアは、「これは白い結婚なのだ」と理解する。  しかし、クラウスの態度は噂とは異なり、レティノアを愛しているようにしか思えなくて……?  これは、今まで妹の代わりの「偽物」として扱われてきた令嬢が「本物」として幸せをつかむ物語。 ◇◇◇◇ お気に入り登録、♡、感想などいただければ、作者が大変喜びます! モチベになるので良ければ応援していただければ嬉しいです♪ ※いつも通りざまぁ要素は中盤以降。 ※完結まで執筆済み ※表紙はAIイラストです ※アルファポリス先行投稿(他投稿サイトにも掲載予定です)

美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛

らがまふぃん
恋愛
 こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。10~15話前後の短編五編+番外編のお話です。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。※R6.5/18お気に入り登録300超に感謝!一話書いてみましたので是非是非! *らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。 ※R7.2/22お気に入り登録500を超えておりましたことに感謝を込めて、一話お届けいたします。本当にありがとうございます。  ※R7.10/13お気に入り登録700を超えておりました(泣)多大なる感謝を込めて一話お届けいたします。 *らがまふぃん活動三周年周年記念として、R7.10/30に一話お届けいたします。楽しく活動させていただき、ありがとうございます。 ※R7.12/8お気に入り登録800超えです!ありがとうございます(泣)一話書いてみましたので、ぜひ!

処理中です...