1 / 183
突然の事で…遥
しおりを挟むやっと、亜耶との想いが通じたのになぁ……。
何で、こんな事になってるんだ。
ハァ~~。
研修から帰ってきて、一週間。
突然伯父から。
「教師に欠員が出た。代わりが見つかるまで、教師の代講頼む。」
何て言ってきた。
これから、会社に復帰するって言うのに、これだよ。
それに加えて、鞠山家でも問題が……。
御大自ら俺の所に連絡が来て、呼び出された。
そして、鞠山家の本拠地に出向くと、亜耶達家族も揃っていた。
亜耶は、ビックリした顔を見せたが、他の家族は知ってたのか笑顔で出迎えてくれた。
家族会議が始まる。
俺、無関係のはずだが……。
俺も交えてなんて、思ってなかった。
突然会長が。
「会長の座を孝幸くん(亜耶の父親)に譲って、ワシはコヤツと世界一周旅行に行ってくる。」
そう言い出した。
「「「「はっ!」」」」
家族一同が、驚愕する。
そりゃそうだろうな。
何の前触れも無くだもんなぁ~。
「お義父さん、何を急に言うんですか?」
亜耶のお父さんが慌てて言うが。
「急じゃないぞ。前々から考えていたんだ。それに亜耶のフィアンセも決まった事だし、少し羽を伸ばそうと思ってな。」
って、呑気に言う御大。
「じゃあ、この家は、どうするんですか?」
亜耶のお母さんが楯突く。
「お前達夫婦が住めば良いだろ」
御大、やってくれますね。
「今住んでる家は、雅斗が住めばいい。」
って、あれそうなると……。
「お祖父様。簡単に言いますけど、亜耶の通学の事考えてますか?」
雅斗が噛みつく。
「ここから通うには、ちょっとばかし遠いか……。だが、お前達の所にも居れんだろうて……。と言うことで、遥くんに頼みだ。亜耶と一緒に暮らしてくれんか?」
ヘッ、俺ですか?
何で俺?
まぁ、願ったり叶ったりだが……。
「イヤ、俺が今住んでる所でも、学校遠いですよ。それに、高校生の女の子が、家から出て行くのを見て、ご近所さんが何て言うか……。」
そう、世間体と言うものもある。
俺の答えに。
「ならば、亜耶と婚姻してしまえばいい。で、通学に困らない場所に引っ越せばいいことだろ。」
って、如何にもいい案だと言わんばかりの笑顔で言う。
うお~。
えっ、それって婚約期間無しって事ですか?
「お祖父様。私、まだ十六にはなってないですよ。」
亜耶が、冷静に言う。
うん、確かにまだ十六歳じゃない。法律上は、結婚不可だ。
「だったら、亜耶の誕生日九月十五日に婚姻届を出せばいい。それで、解決するだろ。」
御大は、ニコヤカに言う。
それは、そうなんですがね。
そう簡単に行くものでしょうか?
疑問に思いながらも、口にせずにいたら。
「これで、万事解決じゃな。と言う事で、お前、さっさと行くぞ。」
御大は、奥様に声をかけると逃げるように出て行った。
「「「「ハァー。」」」」
残ったメンバーが、溜め息を漏らす。
「遥くん、悪いね。家の事情に捲き込んで……。」
亜耶のお父さんが申し訳なさそうに言う。
「いえ。まぁ、亜耶との婚姻が早くなっただけの事ですので、気にはしませんが……。」
何て言ったらいいのか……。
俺的には、ラッキーなんだよな。仕事から帰ってきたら、亜耶が家に居るんだから……。
亜耶は、それでいいのだろうか?
亜耶の気持ちが知りたい。
「亜耶。亜耶は、どうしたい?」
俺は、亜耶に訪ねた。
「ここから学校に通うには、遠すぎるし一人歩き出来ない場所なのもわかってる。だけど、お兄ちゃん夫婦の邪魔もしたくない。独り暮らしは、無理だろうから、遥さんが迷惑じゃなければお願いしたいです。」
お利口さんな答えだけど、俺が聞きたいのはそれじゃないんだよ。
「亜耶の気持ちは、どうなの? 俺と一緒に居たいか?」
俺は、率直に聞く。
「……私は、遥さんと居たいです。」
暫し従巡させた後、顔を赤くさせて言う亜耶。
可愛いな。
「うん。じゃあ、家探そうか? えっと、亜耶を連れてってもいいですか? 不動産屋を廻りたいので。」
俺が言うと。
「あぁ、そうだな。今のお前の家からじゃ、通学しにくいな。いい物件が見つかるといいんだが……。」
雅斗が、浮かない顔で言う。
「そうだな。後の事を見越して決めてくるよ。」
俺は、そう言って亜耶を連れて家を出た。
今日は、車で来てたから亜耶を助手席に座らせて、走り出す。
何時も、贔屓にしてる不動産屋に足を向けた。
「高橋様、いらっしゃいませ。」
自動ドアを潜ると甲高い声が迎えてくれた。
そいつは、隣に居る亜耶を見て、不躾な視線を向け。
「高橋様、此方の方は?」
態々聞いてくる。
何で、答えなきゃならないんだ。
何て思いながらも。
「俺の奥さん。今日は、新居を探しに来たんだよ。」
そう答えてやった。
すると、一層強い視線を亜耶に向けた。
何だよ、不躾な奴だな。
そんなに睨んでも、お前とはどうにもならんからな。
それより、店員変えてもらった方がいいかも……。
何て考えてると。
「遥さん、どうしたの?」
亜耶が、俺の袖を引っ張って聞いてきた。
心配そうに俺を見上げている。
「イヤ。何でもないよ亜耶。亜耶は、どんな感じの家がいい?」
俺は、亜耶の腰に手をやり聞く。
「う~ん。よくわかんないよ。」
まぁ、確かに高校生に解れて言う方が無理か……。
「じゃあ、俺が何件かピックアップしたのから、物件を観て決めるってのでいいか?」
俺の言葉に亜耶は、頷いた。
「セキュリティーがしっかりしてるとこで、4LDKもしくは3LDKでウォークインクローゼットの在るところを幾つか見繕って……。」
俺は、そう伝えると直ぐに検索し出した。
眼は、まだ亜耶を睨んでるが……。
三・四件分の物件を持ってきた。
住所等確認して、学校に比較的近い場所を案内させた。
案内された物件の室内を見る。
リビングは広いし、水回りもゆったりしてる。お風呂場も広めに取ってある。ダイニングキッチンからリビングを見る事が出来る。子供が、出来た時にここから様子を見る事が出来るな。
「遥さん。ここがいい。学校に近いし、見張らしもいい。ねぇ、ここにしよ。」
亜耶が、ハシャグ。
まぁ、見晴らしがいいのは、当たり前だ。八階だからな。
「ここにするか。」
俺が、そう言うと亜耶が嬉しそうに頷いた。
店に戻り、契約を済ます。
部屋の鍵をもらい、粗方の説明を受けて店を出た。
「良いところ見つかってよかった。」
亜耶が、安心したように言う。
ホントにな。
「後は、家具とか電化製品とか見ないとな。寝室は、一緒な。」
俺が言うと、亜耶の顔が赤くなる。
ああ、何で、こんなに可愛いんだ。俺は、衝動的に亜耶を抱き締めていた。
そして何だかんだと新生活を始めた矢先に、叔父の電話。
これから、どうなるんだ。
1
あなたにおすすめの小説
永遠の十七歳なんて、呪いに決まってる
鷹 綾
恋愛
永遠の十七歳――
それは祝福ではなく、三百年続く“呪い”だった。
公には「名門イソファガス家の孫娘」として知られる少女キクコ。
だがその正体は、歴史の裏側で幾度も国を救ってきた不老の元聖女であり、
王家すら真実を知らぬ“生きた時代遺産”。
政治も権力も、面倒ごとは大嫌い。
紅茶と読書に囲まれた静かな余生(?)を望んでいたキクコだったが――
魔王討伐後、王位継承問題に巻き込まれたことをきっかけに、
まさかの王位継承権十七位という事実が発覚する。
「……私が女王? 冗談じゃないわ」
回避策として動いたはずが、
誕生した新国王アルフェリットから、なぜか突然の求婚。
しかも彼は、
幼少期に命を救われた“恩人”がキクコであることを覚えていた――
年を取らぬ姿のままで。
永遠に老いない少女と、
彼女の真実を問わず選んだ自分ファーストな若き王。
王妃になどなる気はない。
けれど、逃げ続けることももうできない。
これは、
歴史の影に生きてきた少女が、
はじめて「誰かの隣」を選ぶかもしれない物語。
ざまぁも陰謀も押し付けない。
それでも――
この国で一番、誰よりも“強い”のは彼女だった。
【短編】ちゃんと好きになる前に、終わっただけ
月下花音
恋愛
曖昧な関係を続けていたユウトとの恋は、彼のインスタ投稿によって一方的に終わりを告げた。
泣くのも違う。怒るのも違う。
ただ静かに消えよう。
そう決意してトーク履歴を消そうとした瞬間、指が滑った。
画面に表示されたのは、間の抜けたクマのスタンプ。
相手に気付かれた? 見られた?
「未練ある」って思われる!?
恐怖でブロックボタンを連打した夜。
カモメのフンより、失恋より、最後の誤爆が一番のトラウマになった女子大生の叫び。
女性が少ない世界でVTuberやります!
dekoma26+ブル
恋愛
ある日朝起きてキッチンに行くとそこには知らない男性たちが! …え、お父さん⁉
なぜか突然女性の少ない世界に来てしまった少女がVTuberをしたり、学校に通ったりするお話。
※初日一気に4話投稿してから恋愛大賞エントリーしたため文字数5万これから(´;ω;`)みんなも参加するときは注意してね!
※忘れてなければ毎週火曜・金曜日の夜に投稿予定。作者ブル
【完結済】破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします
紫
恋愛
水不足に喘ぐ貧困侯爵家の次女エリルシアは、父親からの手紙で王都に向かう。
王子の婚約者選定に関して、白羽の矢が立ったのだが、どうやらその王子には恋人がいる…らしい?
つまりエリルシアが悪役令嬢ポジなのか!?
そんな役どころなんて御免被りたいが、王サマからの提案が魅力的過ぎて、王宮滞在を了承してしまう。
報酬に目が眩んだエリルシアだが、無事王宮を脱出出来るのか。
王子サマと恋人(もしかしてヒロイン?)の未来はどうなるのか。
2025年10月06日、初HOTランキング入りです! 本当にありがとうございます!!(2位だなんて……いやいや、ありえないと言うか…本気で夢でも見ているのではないでしょーか……)
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※小説家になろう様にも掲載させていただいています。
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
生贄巫女はあやかし旦那様を溺愛します
桜桃-サクランボ-
恋愛
人身御供(ひとみごくう)は、人間を神への生贄とすること。
天魔神社の跡取り巫女の私、天魔華鈴(てんまかりん)は、今年の人身御供の生贄に選ばれた。
昔から続く儀式を、どうせ、いない神に対して行う。
私で最後、そうなるだろう。
親戚達も信じていない、神のために、私は命をささげる。
人身御供と言う口実で、厄介払いをされる。そのために。
親に捨てられ、親戚に捨てられて。
もう、誰も私を求めてはいない。
そう思っていたのに――……
『ぬし、一つ、我の願いを叶えてはくれぬか?』
『え、九尾の狐の、願い?』
『そうだ。ぬし、我の嫁となれ』
もう、全てを諦めた私目の前に現れたのは、顔を黒く、四角い布で顔を隠した、一人の九尾の狐でした。
※カクヨム・なろうでも公開中!
※表紙、挿絵:あニキさん
【完結】欲しがり義妹に王位を奪われ偽者花嫁として嫁ぎました。バレたら処刑されるとドキドキしていたらイケメン王に溺愛されてます。
美咲アリス
恋愛
【Amazonベストセラー入りしました(長編版)】「国王陛下!わたくしは偽者の花嫁です!どうぞわたくしを処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(にっこり)」意地悪な義母の策略で義妹の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王女のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる