好きだから傍に居たい

麻沙綺

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亜耶の友達…遥

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 教室までの道程を手を繋ぎ、歩く。
 たわいの無い話をしながら、それが心地好いと思ってた。


 教室に辿り着き、亜耶がガラッと音をさせながら戸を開け放つ。
 その瞬間。

「亜耶!!」

 と大きな声が聞こえた。
 余程驚いたのか、亜耶の肩が魚籠ついたのを俺は見逃さなかった。
 俺は、声の主を睨み付けたが、本人は俺に気付いておらず、亜耶の目の前に来て。
「亜耶、ごめん。こんな大事になるなんて思ってなかった。」
 と弱々しく謝罪の言葉を告げて、頭を下げ出す。
 そんな姿を見ていた亜耶が戸惑うのを見て止めようとしたが、それに追い討ちをかけるように。
「遥さん、亜耶ちゃん。すみませんでした。俺が梨花こいつに言っておけばこんな事にはならなかったんです。」
 龍哉までもが頭を下げ出す。
 あ~あ、お前ら、二人とも亜耶の事何も解ってないな。
 謝られたら、余計にどうしたら良いか解らなくなっていくだろうが。
 亜耶を見やれば一目瞭然で、目を泳がせてあたふたしてる。そんな彼女を見るのも久し振りだなぁ、なんて思いながら。
「龍哉、相沢、頭を上げろ。亜耶が狼狽えてる。それに、お前らの所為じゃない。これは、俺たちが決めたことだからな。」
 そう言葉にして二人の頭を上げさせた。
 その間に俺は亜耶の頭を撫で回していた。幼い頃からテンパってる時にこうしてやることで、亜耶が落ち着きを取り戻すんだよなぁ。
 まぁ、俺は好き勝手に頭を撫でれていいんだが……。
「二人とも、遥さんの言う通りだよ。二人の所為じゃないし、元を質せば、うちのゴタゴタの所為。それに遥さんまで巻き込んでしまったの。」
 少し落ち着きを取り戻して言う亜耶。
 何となく悲し気に言ってるが、そうじゃない事を言わなければと思い。
「亜耶。俺は巻き込まれたなんてこれっぽっちも思ってないぞ。むしろ自分から好んで巻き込まれたんだよ。」
 そう言って亜耶を安心させるように言ったんだが、苦笑するだけだ。
 あ~あ、信じてないな。
 まぁ、いいけど。
「それにな、亜耶には隠し事なんて不可能なんだ。何時バレルかヒヤヒヤして過ごすよりも大胆に宣言しておいた方が、安心なんだよ。」
 俺は、今までの事を思い出しながらそう告げた。
 それがいけなかったのか、自然と笑みが溢れてたみたいで。
「遥さんのそんな顔初めて見た。」
 呟くような声が聞こえてきた。
 龍哉を見れば、驚いた顔をして俺を凝視している。
 だが、その後ろでも驚いた顔をして龍哉の事を見ている四人が居る。
 そりゃあ、そうだろう。
 さっきから、龍哉は俺の事を下の名前で親しそうに話しかけてるんだからな。
 まさか、龍哉自分の立場を話していないのか?
 そう思いながら。
「当たり前だろ。素の顔なんか、亜耶以外に見せるわけ無いだろ。それよりも、龍哉の方が大変な事になってるぞ。」
 そう口にしてやれば、慌てて龍哉が後ろを振り返る。
 そして。
「龍哉、どういう事?」
 相沢が、龍哉を問い詰める。
「えっと……。」
 龍哉のたじろぐ姿を見て、もう1つ爆弾を投下することにした。
「お前さ、自分の立場を何時まで隠しておくんだよ。そろそろ話してやればいいだろ。それで、離れていく仲じゃないだろ。」
 龍哉の後ろに居る四人を見れば、微かに頷く動作を見せる。
 こいつ、良い友人を持ってる。
「それに、俺たち、雅斗を待たせてるから、そろそろ行くな。」
 俺がそう言って、亜耶に目線を向ければ、亜耶も軽く頷き自分の席に鞄を取りに行く。
 亜耶が鞄に手をかけたとき、加藤が何か言葉をかけていた。
 亜耶が堂々たる態度でホッとした顔を見せる加藤。
 続いて木村が何か言ったみたいで、亜耶の顔が少し赤くなりたじろいで居る姿が可愛かったが、何か困ってるみたいだったから。
「亜耶、行くぞ。」
 と声をかけてやれば。
「は~い。」
 と、なんだか嬉気な返事が返ってきた。  
 ウム……、何を言われたんだ?
 気にしながら亜耶を見るが、少し目が潤んでいた。
 何を言われたのか気になったが、今はこの場を後にしたかった。


 気付けば、また手を繋いでいた。
 教室を出てから。
「良い友達と出会えたな。」
 亜耶にそう告げれば。
「うん。皆、私にとって良い友達だよ。」
 満面な笑みを浮かべて言う亜耶。
 そんな彼女を守りたいと強く思うと同時に心から愛しいと思った。










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