好きだから傍に居たい

麻沙綺

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言わされた…龍哉

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 俺の事情を全て話終えれば。

「もっと早く知りたかった……。」
 俺の話を聞いて、和田がそう口にした。
「俺らが、信じられなかったのか?」
 田中が複雑な顔でそう告げる。
 そう思われても仕方がないと思う。
 俺自身が、皆と同じ立場だったら、同じように攻めてたと思うから。……って、俺、ここで気付いたんだ。
 俺って、いかに自分勝手だったかを……。
 皆の事を考えれば、もっと早く話すことが出来ていたかもしれないって……。これも、遥さんが後押しをしてくれたから言えたことで、無かったら、まだ話せていなかったかもしれない事実に想思い知らされた。
「信じられなかったわけではないんだ。ただ、これ以上のゴタゴタに巻き込みたくなかったんだ。」
 そう、これが一番の理由かもしれない。
 上には、上の問題があるのだ。
 それにこの仲間を巻き込む事をしたくなかった。
「それでもさ、もう少し早く知ってれば、今回の事も大事にならなかったと思う。」
 梨花の呟きに俺も反省する。
 梨花にだけでも話しておけばって、今更ながらに思う。
 もう過ぎたことだ。
 過去は、変えられない。
 遅かれ早かれ、この件は直ぐに全校生徒に伝わったと思う。
 遥さんの判断は、間違ってはいないと思う。

「さっきさ、高橋先生が言ってた事って、本当なのかなぁ?」
 加藤がそう口にした。
 さっき言ってた事?
 ってなんだ?
 何か引っ掛かることあったか?
 俺が首を傾げてると。
「あぁ。亜耶ちゃんが、隠し事が苦手ってやつ?」
 木村も感付いたみたいだ。
「それは本当だぞ。直ぐに顔の表情に出るから判りやすい。」
 俺はそう答えた。
「最近だと、幼馴染みと遊ぶ約束してた時の顔がわかりやすいかな。」
 俺が、そう言えば。
「確かに、あの時の亜耶、とても嬉しそうな顔をしてたわね。」
 梨花も思いだしたように言う。
 俺もそれに頷き。
「亜耶ちゃんは、素直に顔に出るから、今後の事も隠していても隠しきれないと判断して、遥さんが話したんだと思う。」
 やむにやまれずってとこかな。
「亜耶ちゃんの事、やけに詳しいな。」
 田中が、攻めるように俺を見る。
 詳しいって言っても、あの二人から手に入れた情報だけなんだが……。
「俺、そんなに詳しく知ってる訳じゃないよ。二人……雅斗さんと遥さんが話題に出すのが、亜耶ちゃんで、その話を聞いてただけだし……、彼女本人に会ったのもこの教室が初めてだった」
 俺は、自分の置かれている立場を踏まえてそう言う。だって、亜耶ちゃんの社交レビューこれからだもの。
「そう言えば、さっき大人達がいってた "王子、ナイト、姫" って、何の事? 気になってしょうがないんだけど……。」
 加藤の言葉に木村も頷き、他の三人も聞きたそうな顔をしている。
 う~ん、どう説明しようか……。
「鞠山財閥がトップ企業なのは、わかるよな。」
 俺の言葉に五人とも頷く。
「鞠山財閥の会長を王に見立てて、その系列の子供……つまり、雅斗さんと亜耶ちゃんは、知らずと "王子と姫" となる。で、 "ナイト" は、唯一姫……亜耶ちゃんを護ることが出きる存在であり、王、つまり会長が認めた人物にしか与えられない称号だと思ってくれていい」
 本当に簡単な説明だが、それでわかってくれただろうか?
「その説明でいけば、高橋先生が "ナイト" な訳だ。」
 和田が、納得気味にそう口にした。
「そう言う事だ。」
 他の四人も、何となく察したみたいだ。
「龍哉くんって、亜耶ちゃんに惹かれなかったよね。それは、何で?」
 木村の唐突な質問にどう答えればいいのか考えた。

「う~ん。可愛いんだけど、何処にも隙がなくて、近寄りがたかったから。」
 それと、遥さんの婚約者だって、わかってたからかな。
 今でこそ、警戒心は拭えているけど、あの頃は "誰も近寄ってこないで" って雰囲気を漂わせていたから……。
「ふ~ん。可愛いね……で、私は?」
 梨花がジト目で俺を見ながら聞いてくる。
 って言うか、皆の前でそれ今聞くのかよ。だけど、俺的には、仕返しがしたかったので。
「可愛くて、目が離せない大切な女。」
 真顔でそう返してやった。
 あっ、ヤバ。
 顔が熱い。
 俺の言葉に顔を赤くして満面な笑みを浮かべる梨花。
 うん、その笑顔で俺はどれだけ救われてきたことか。

「「ご馳走さま。」」

 そう言ってきたのは、田中と和田。
 目が笑ってやがる。
 口許を隠して生暖かい目で見てくる木村と加藤。
 あ~、もう。
 何でこんな事に……。
 まぁ、いいか。
 梨花の笑顔が見れたんだからな。



 そう思いながら、愛しい彼女を見つめていた。












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